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2008年04月24日

■遺伝子操作物の高生産性神話が崩壊している

遺伝子操作が実際には農作物の生産性を削減すると、権威がある新しい研究が示している、これは、増大する世界の食物危機を解決するためにはこの論争の的である技術への転向が必要であるという繰り返されてきた主張を崩すものである。

今回の研究は-米国の穀物ベルトにあるカンザス大学(University ofKansas)で過去3年にわたって実行されてきた-GM大豆が、従来の大豆よりおよそ10パーセント低い生産高である事が判明した。これは生産高をあげるというこの技術の提唱者の主張を反証するものである。

カンザス大学農学部の、バーニー・ゴードン (Barney Gordon)教授はこう述べている:彼がこの研究を始めた理由は、ジャーナル「Better Crops/より良い作物」に報告されているように、すでにGM作物に転向している多くの農民が、「最適条件の下でさえ生産高が予測ほど高くないことに気付いていたからである。

彼はこう付け加えた:「人々が『いったいなぜ私は以前と同じ生産高が上げられないのか』とたずねていた」

バーニー・ゴードン教授は同じ畑地でモンサントのGM大豆とほとんど同じ従来品種を植えた。遺伝子操作作物は1エーカーにつき70ブッシェルだけを生産した、これに比較して非GM作物は77ブッシェル生産した。

このGM作物は-モンサント社自身の除草剤、「Roundup」に抵抗するように操作されているのだが-教授が余分のマンガンを加えたときだけにだけ生産高が回復した。これは、この遺伝子変更が土壌からの必須の要素の摂取を妨げているという示唆に至るものである。このGM大豆の生産高は、マンガンを付加した時でさえ、従来品種の大豆をしのぐのではなく、それと同等であった。

この新しい研究はネブラスカ大学(University of Nebraska)による以前の研究を確認している。ネブラスカ大学での調査では、別のモンサントGM大豆が、それに一番近い非GM大豆より6パーセント生産が低く、最良の手にはいる非GM品種より11パーセント生産が低い事が判明した。

ネブラスカ大学の研究は2つの要因が絡んでいる事を示唆した。最初に、植物を遺伝子操作するのには時間がかかる、そしてこれがなされる過程に、もっと良い従来品種が開発されている。この事は熱烈なGM擁護の米国農務省によっても認められている。農務省はこの「時のずれ」が生産高の「減少」になっている事を認めた。

しかしGM作物がそれに近い非GM作物より成績が悪いという事実は、2番目の要因が働いている事を示唆している、そしてそれは遺伝子変更のまさしくその過程が生産性を抑制すると言う事実である。新しいカンザス大学の研究はこれを確認して、そしてその研究はそれがどのように起きているかの両方を示している。

同様な状況が合衆国でGMコットンでも起きているようである。そこでは、GM技術が取って代わったけれども、全体の合衆国のコットンの収穫は下落している。

モンサントは昨日こう述べている:モンサントはカンザス大学の研究によって見いだされた生産高下落の程度に驚いている。だがそれは生産高が低下したという事実によってではない。その大豆は生産高があがるようには変更されてはいない。モンサントは現在生産高が上るものを開発している。

批判者達はモンサントがそれを達成できる事を疑っていて、それは一層複雑な遺伝子変更が必要になると述べている。そしてレスター・ブラウン(LesterBrown)、ワシントンに在る地球政策研究所 (Earth Policy Institute)所長、は、現在の食物危機を予測した最初の1人であるが、植物の生理学的状況は、達成しうる生産性の限界にいま達しつつあると、述べている。

先週今までに行なわれたその種類の最大の研究-「発展の為の農業科学と技術国際査定(The International Assessment of Agricultural Science and Technology for Development)-では、GMが世界の飢えへの答えではないと結論した。ボブ・ワトソン(Bob Watson)教授、英国「環境食品郷土省」の研究所長で主任科学者、は、GMが飢えを解決することができるかどうか尋ねられるとき、「簡単な答えはノーである。」と述べた。

© 2008 The Independent

Author:事務局 : 2008年04月24日 16:18