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2008年06月12日

■荒廃させられた自然:アフリカ (Africa) の破壊

それは、長い間その厖大さ、突破できない深さへの畏敬を抱いたヨーロッパ人によって「暗黒大陸」と呼ばれて、神秘に覆い隠されていた。次ぎにその驚くべき自然の豊富さが世界に顕現されてきた。
今アフリカとその環境の第三番目のイメージが我々の前に持ち出されている-巨大な、そして不穏な規模の破壊である。「その前」と「その後」の、53国で撮られた衛星写真を使って、国連の地理学者達が、これまで40年にわたる、環境変化するアフリカの「アトラス・影像台帳」を組み立てた-その圧倒的多数は悪化した姿である。

ほとんど400ページになる劇的な影像の中で、消えていく森林、縮んでいる湖、消滅している氷河、荒廃された風景が初めて集められて、「破壊」の深い不安感を強める「ポートフォリオ・台帳」を提供している。

このアトラス(影像台帳)は、アフリカの環境大臣達のリクエストで、国連環境計画(United Nations Environment Programme)(UNEP)によって編集されて、ヨハネスブルグ (Johannesburg)とロンドン(London)で同時に公開された。それは、開発選択、人口増加、地域紛争、気候変更がどれほど広範囲に自然界とアフリカ大陸の自然基盤の資産に強い衝撃を与えているかをはっきり示している。

その衛星写真は、その一部は35年間に及ぶ展望で、すべての国での環境変貌の顕著なスナップショットを提供している。

このアトラスの編集者達は、「かつての緑深い田舎を変えた灰色都市の膨張;農場が境界を侵害するにつれて縮小する保護地域;森林を抜ける道路ネットワークの痕跡;隣接する国境に吹き積もる汚染物;デルタの浸食;環境と縮小していく山岳氷河に対するさらなるプレッシャーを起こしている大陸全体にまき散らされた難民集落地」について記述している。

「その前と後」の写真はその変貌が、1972年初のランドサット衛星以後だけではなく、ずっと短いタイムスケールでも、どれぐらい膨大であったか鮮やかに示している。森林破壊が、ルワンダのような諸国での大量森林消滅だけでなく、コンゴ民主共和国のような諸国でかつて完全に人跡がない雨林を抜ける伐採道路の異様な潜行拡大として、展示されている、そしてカメルーン(Cameroon)の自然森林は明るい緑のゴムとヤシプランテーションで置き換えられている。

山岳氷河の縮小はキリマンジャロ山(Mount Kilimanjaro)のよく知られているケースで示されている、またウガンダの「Rwenzori」山の消滅している氷河も示される、それは1987年と2003年の間に50パーセント減少した。そしてこのアトラスは、よく知られているチャド湖(Lake Chad)の枯渇、と、ビクトリア湖(Lake Victoria)の水位落下に加えて、砂漠化の多くの事例、持続不可能な大規模な潅漑、沿岸地帯の荒廃をはじめ、マリ(Mali)のファグイビン湖(Lake Faguibine)の枯渇のようなる水系消滅の新しいケースも加えている。

これらすべてを合わせると、信じ難い全貌が現れてきて、その破壊はあまりにも厖大である。統計学的には、このアトラスは、山林伐採が、コンゴ民主共和国、ルワンダ、ナイジェリア、マラウイを含めて、35にもなるアフリカの国で大きな問題である事を示している。アフリカは毎年森林4百万ヘクタール以上を失っている-世界の平均的な山林伐採率の2倍である。

この問題の直ぐ次に意義ぶかい損失は、アンゴラ、エチオピア、ガボン、マリのような、34の国で起きているバイオディバーシティ[野生生物]の喪失である。また土地の悪化は、カメルーン、エリトリア、ガーナを含めて32の国で主要な心配事で、アフリカ全体のある地域では1年にヘクタール毎に50トン以上の土壌を失っていると言われている。

このアトラスは、化学的と物理的な損害に加えて、浸食がアフリカ大陸の農地のおよそ65パーセントを衰退させたことを示している。加えるに、焼き畑農業が山火事の数を増やしている。山火事は当然アフリカの高い落雷発生率によって起こされている。

急速に増大する人口が天然資源土台に対する主要なプレッシャーの1つになっている事を明かしている。このアトラスによれば、2000年と2005年の間に、アフリカの人口は毎年2.32パーセントで増大していて、世界的な1.24パーセントの増大率の2倍である。世界中で人口増大が高い30の国の20国がアフリカに在り、世界中で最高年間増大率4.8パーセントを持っているリベリアを含んでいる。次の半世紀にアフリカは、他のいかなる地域の人口増加率の2倍を持つ事になるだろう。これはますます多くの土地が農業に向けられなければならないことを意味する、しかし利用可能な土地面積が限られているので、利用可能土地は1人につき速く縮んでいる。このアトラスはこう指摘している:1950年にはアフリカには1人につき土地13.5ヘクタールがあった。しかし1990年までにこれはすでに1人につき4.7ヘクタールに縮小した、そして2005年までには、1人につき3.2ヘクタールになっていた。現在の人口増加見積もりでは、2050年までには1人につき1.5ヘクタールになるだろう。

そして現在は、気候変動がこれらの問題の多くの背後の原動力になっていて、そしてすでに起きている劇的な変動を強化する可能性が高い。アフリカの9億6500万の人々は世界全体の温室ガス排出のたった4パーセントしか産み出していないけれども、地球温暖化現象の結果を不釣合いな大きさで苦しむ可能性が高い。その理由は気候変化に適応するアフリカの国の能力が比較的低いからではけっしてない。

アトラスが提示するキーポイントの1つは、環境悪化が他の地域でよりアフリカでより高い人間の犠牲をもたらす可能性が高いということである。それはアフリカ大陸の人々がほかのどこより自然界への密接な関係を持って住んでいるからだ:アフリカ人はしばしば環境に直接依存しているからだ。

この問題に対処するのはアフリカの諸政府自身である、とマリオン・チートル(Marion Cheatle)、ロンドンでこのアトラスを紹介した、UNEPの「早期警戒支所」(Early Warning Branch)主任が言った。「多くの場所で政策が強制実施する問題が出てくるだろう。それはアフリカの環境を守る政策や立法機関が用意されていないというのではなく、それがしばしばただ書類上の事になっているからである。そして、それが本当に実施されるようにする監督体制がないのである。」

Author:事務局 : 2008年06月12日 15:46