« ■「青い黄金」水の未来を考える(1) | メイン | ■豚マニュアのボウラックス(Borax)処理研究発表 »

2008年06月03日

■「青い黄金」水の未来を考える(2)

アジアと他の発展途上世界の人口と経済成長は、真水不足を促進させる主要な要素である。地球の人間の全人口は2050年までに60億からおよそ90億まで上昇すると予測されている、と国連が報告している。その人口を食べさせることは農作物へのもっと多くの潅水を意味するだろう。


さらにグローバルな"virtual water"「バーチャル・ウォータ」貿易にますます大きな注目が払われている。「バーチャル・ウォータ」は食物、あるいは生産で水を必要とする他の産物に「現れる」もので、その産物は次ぎに他の国へ輸出される。米国は、作るのに多くの水を必要とする生産物を輸入することで、さらに多くの水、即ち「バーチャル・ウォータ」を消費している。同時に米国は外国で売る商品を通じて「バーチャル・ウォータ」を輸出している。

水不足が真水のコストを引き上げるにつれて、いっそう効率的な水の使用が巨大な役割を果たすであろうと、エキスパート達がのべているが、それには以下の事項が含まれている。

超効率点滴潅水は「流水」潅水よりはずっと節約度が高い。しかし合衆国の水低コストは新しい潅漑システムを作る誘因をほとんど与えない。

経年数が高い、漏水がある送水管は毎日何十億ガロンもの水を無駄にしている。老衰送水管を補正するコストは次の30年にわたって5000億ドルになり得る、と連邦政府が推定している。

塩分除去。 米国と外国で、数十のプラントが計画中であり、あるいは建設中であると複数の報告書が伝えている。

民営化。 営利追求私企業が水を生産する経費に基づいた値段で水を売る場合、その高い水価格が水の浪費と水消費を抑制する、と、エコノミストが述べている。

業界の連合組織である「全米水会社連合」(National Association of Water Companies)によれば、合衆国では今日、およそ3350万人のアメリカ人が、米国の共同体給水システムのおよそ16パーセントを占める私有施設から飲料水を得ている。

「全米水会社連合」(National Association of Water Companies)の専務取締役ピーター・クック(Peter Cook)、はこう述べている:「水は生活に欠かせない、それで我々は、あらゆる人が水アクセス権に値すると信じているが、それは水が無料である、あるいは無料で供給されるべきである、と、言う意味にはならない。水はそれを提供するコストで値を付けられるべきで、そしてそれに対して支払う余裕がない人達のためには補助金が付けられるべきである。」

しかし、私企業の効率的な、費用効果が高いといった給水約束は、必ずしも本当にはならなかった。ボリビアは、コカバンバ(Cochabamba)市の水道のとてつもないコストに不満で、2000年に巨大土建会社ベッチェル(Bechtel)を追放した。去年ボリビアの大統領は、ラパス(La Paz)に給水する30年契約を所有していたフランスの水会社「スエズ(Suez)」の退出を公的に祝福した。

発足間もない運動組織「"water justice"水の正義」の指導者の1人、モード・バーロウ (Maude Barlow) は、彼女の本「"Blue Covenant"青い契約」で、もし独占私企業が新鮮な水へのアクセスをコントロールするなら、暗い未来を見る、と、述べている。彼女にはこれが起きる事が分かっていた。諸々の政府が汚染を抑制し、保護を増やさないで、両手を上げて水道事業を投げ出し、公共の水企業を私企業に売り、あるいは民間の塩分除去会社と契約するとき、これが起きていくのを見ている。

「水は公共のリソースであり、すべてにとって入手可能であるべき人間の権利である」と彼女が言う。 「これらすべての会社がしている事は、汚い水をリサイクルしているだけである、それを施設と我々に莫大な価格で売り戻しているだけである。しかし彼らは、望んでいたほどこれまで成功していない。人々は飲み水について心配している、そして人々は抵抗をうけてきた。」

民間水産業当事者達はこう述べている:「水を人間の権利」にしようと押している人たちは非能率な公共水当局を維持しようと闘っている観念論者である。公共水当局は水を作るコスト以下で水を売り、あまり安くうるので水が無駄使いされて、貧しい人たちにサービスを広げるためにはほとんど何もされていない。

3年前にペンシルヴァニア州のエマウス(Emmaus)町役場が地元の水会社を売ることを阻止するのに戸別訪問キャンペーンをリードして成功したポール マリン(Paul Marin)はこう述べている:「生活には3つの基本的なものがある:食物と水と空気である。この国では、我々は我々の食べものを民有化してしまった。今度はウォール街で水への興味が大きくなっている。だが、請合って言うが、水道を民有化するのは、鶏小屋の世話をキツネに任せるようなものだよ。それは間違いだよ。」

Author:事務局 : 2008年06月03日 16:40