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2008年07月18日

■「死のゾーン」が拡大している

ワシントン-メキシコ湾(Gulf of Mexico)に現れた今年の「死のゾーン」は記録上最大になりそうで、拡大する合衆国のトウモロコシ生産がこの悪化状態の主要な原因である、と連邦と州の科学者達が15日にのべた。

この研究チームはこの死のゾーン-海洋生物を生存させる十分な酸素がない水の広がり-がこの夏およそ8,800平方マイル、ほぼニュージャージー州の大きさ、を、覆うことになるだろう、と予測している。

この予報は「米国全土海洋大気アドミニストレーション、NOAA」、「ルイジアナ大学マリンコンソーシアム」、「ルイジアナ州立大学」にいる科学者達によって発表された。彼等は、この死のゾーン、は、公式のモニタリングが始まった1985年以来最大のものになるだろう、と、述べた。

この死のゾーンは、ミシシッピ河(Mississippi River)から出る富養性の重水によって養われて、毎年ルイジアナ州とテキサス州の沖あいで形成される。米国最大のミシシッピ河は、米国農業の中枢地域とトウモロコシ地帯の多くを含めて、米国のおよそ40パーセントの流出水を受けている。

はるか北はミネソタ州から、肥料の栄養素、窒素、リンでいっぱいになっている流水が河に流れ込み、そして湾の中に流れ、藻の繁茂を促進させる。藻が死ぬとき、それは海底に沈んで、腐り、水中の酸素レベルを使い果たして、そして海洋生物を窒息させていく。

「複数栄養分と「死のゾーン」の間の強いリンクは、春の期間にミシシッピ河の分水地点から来る過剰栄養分が、死のゾーン拡大の背後に在る、主に人によって起こされた主原因であることを示している」、とロブ・マグニエン(Rob Magnien)、後援沿岸海洋研究NOAAセンター・ディレクター、が、述べている

去年死のゾーンはおよそ7,900平方マイルに達した、しかし記録的なものは2002年で、そのゾーンがほとんど8,500平方マイルに達した。ユージーン・ターナー(Eugene Turner)、LSUの科学者、この研究チームリーダー、によれば、中西部全体の記録的なトウモロコシ収穫が明らかにこの問題を大きくしている。

米国の農民は「とてつもなく多くのトウモロコシと大豆」を植えている、と、彼は報道関係者に告げて、この両作物が窒素を容易に土壌と地下水に滲入させている、と、付け加えた。合衆国でのトウモロコシ生産高は、トウモロコシベースのエタノールに対する需要に促進させられて、近年劇的に急上昇した。米国農務省はトウモロコシが約8千7百万エーカーに今年植えられたと推定している。

「これまでの非常に長い時期よりずっと多くのトウモロコシが今年植えられるから、窒素は確かに大量に流れ出ている」、とターナー氏が言った。

米国地質調査局(U.S. Geological Survey)USGSによれば、およそ817,000トンの窒素が、およそ通常より35~45パーセント増大した量が、4月から6月の間に湾の中に流れ込んだ。さらにこの中に記録的な量のリンがまた加えられて湾に流入している。USGSは85,000トンのリン、通常量の85パーセント増が、4月から6月まで湾に流れこんだ、と報告した。

「魚とエビはこの海域から去っていった、そして海底でそれほど多くの変化が起きて、漁場に変化がないというのは考えられない事である。この地域は合衆国漁場のおよそ25~30パーセントになる。大きな漁業が脅威にさらされているのです。」と彼は述べている。

年の死のゾーンを防止するため状況をかえるのは容易ではない。「それは単に今日スイッチを押すという事ではない。それは土地使用の変更から来なければならないだろう。我々は分水地点から出て来る窒素の量を減らさなければならないだろう。」とターナー氏が言った。

彼は農民達が、土壌を不毛にして、洪水に弱くする永続的な作物から離れる事を提案している。しかし、過剰栄養分に満ちた流出を減少させる事は即座の効果をもたらさないだろうと警告した。窒素は土地に蓄蔵されてしまって、何年もの間浸み出し続けるからだ。

この報告発表は、20以上の州からおよそ250人のトウモロコシ裁培者がワシントンDCで今週「全国トウモロコシ裁培者協会」(NationalCorn Growers Association)による年2回のトウモロコシ会議に集まってくるのに向けて、発表されている。

Author:事務局 : 2008年07月18日 17:10