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2008年08月22日

■サツマイモがエタノール産出でトウモロコシを上回る

メリーランド(Maryland)州とアラバマ(Alabama)州で栽培されたサツマイモが、それらの州で栽培されたフィールドトウモロコシに較べて、2倍から3倍燃料エタノール生産のための炭水化物を生産すると、米国農務省の「農業研究サーヴィス」(Agricultural Research Service /ARS)の科学者達が報告している。同じことがアラバマで生産される「熱帯キャッサバ」についても言える。

サツマイモの炭水化物産出高は、サトウキビ、最も高生産エタノール農作物、によって生産されている産出高の低い限界に接近した。もう1つのサツマイモとキャッサバの利点は、トウモロコシよりずっと少い肥料と農薬しか要らないということである。

メリーランド州ベルツヴィルに在る「農業研究サーヴィス」の「収穫システムズとグローバルチェンジ実験所 (Crop Systems and Global Change Laboratory)の植物生理学者、リュウ・ジスカ(Lew Ziska)と、アラバマ州オーバンに在る「全米土壌ダイナミックス実験所」の同僚達、がこの実験を行なった。この研究は、根菜をトウモロコシと比較することで、さらに米国の2つの異なった地域でこの3つの農作物すべてを栽培することで、ユニークである。

この実験に使われたトウモロコシ、キャッサバ、サツマイモのテストはベルトヴィルにある畑地で行なわれ、さらにアーバーンに在る大きい土壌容器のなかで行なわれた。

サツマイモでは、炭水化物生産はアラバマ州で1エーカーにつき4,692トンで、メリーランド州では1エーカーにつき6,353トンであった。アラバマ州のキャッサバの炭水化物生産は1エーカーにつき4,940トンで、これに比較してメリーランドでは1エーカーにつき1,434トンであった。トウモロコシでは、炭水化物生産はアラバマ州では1エーカーにつき1,692トンで、メリーランド州では1エーカーにつき2,760トンであった。

キャッサバとサツマイモでの不利な点は、開始での高いコストで、特に植え付けと収穫時の増大する労力が在る。もし経済的な収穫と加工するテクニックが発展させられれば、実験データは、メリーランド州のサツマイモとアラバマ州のサツマイモとキャッサバが、エタノール資源としてはコーンよりより大きい可能性を持っていることを示している。

さらなる研究が、肥料と水と農薬のインプット、さらにエネルギー効率査定に関するデータを得る為に必要である。全体的には、今回の実験データは、エタノールのために、キャッサバとサツマイモを栽培する事を研究する試験的プログラムを、特に余白的な土地で、始めることは価値があることを示している。

これらの追加される研究は、フィールドトウモロコシの供給を食物と飼料への用途から燃料に転向させる事をしないで、新しい生物燃料資源を開発するのに役立つことができるだろう。

農業研究サーヴィス(ARS)は米国農務省内の科学的調査機関である。

Author:事務局 : 2008年08月22日 16:15