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2008年11月05日

■世界の水が危機に面している

既に10億の人々は十分な清潔な飲料水を持っていない。少なくとも20億の人達は飲むのに適切な水に頼る事ができなくなっている。水不足は、世界のほとんどの悲惨な危機の多くの原因にされている:病気と栄養失調から出る毎年何百万人もの死者、慢性的な飢餓、子供をよい生活の希望を与える学校に行けなくしている貧困。ほとんど苦しんでいるのは貧しい人達である。しかし、金がある国も苦るしい立場にある事がますます増えている。オーストラリアはつらい多くの雨なしの年月に耐えてきたので、主要な気象学者は、もう「旱魃に捉まっている」と云うのをやめる時がきている、雨不足が永久的である事を受け入れるべきだと、述べている。

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昨秋、米国の一部の地域では、水の供給が非常に悪くなったので赤十字がテネシー州のオームの町に詰められた水の便を配達した。「私は考えましたね、赤十字救援なんてありえない、私たちはアメリカ人なんだよ。」と住民のスーザン・アンダーソンはリポーターに伝えた。カリフォルニアでは、アーノルド・シュワルツェネッガー知事が17年間で最初の州全体の水飢饉を宣言したが、一部の農民は今年作物を放棄した。

他方バルセロナの水状況は非常に絶望的だったので、バルセロナは、海岸に沿った都市から水のタンカーを輸入し始めた。雨が多いので悪評高い英国でさえ、水は、人口稠密な南東地方では大きな問題になったのである会社が海水の脱塩工場建設を計画している。これは石油で富んだ砂漠の国で連想される絶望的な種類の手段である。

「ストックホルム・インターナショナル水研究所」は「厳しい破綻を生む人間の危機」について語っている。世界経済フォーラムの創立者、クラウス・シュワッブ、は、「完全な嵐」を警告している。国連事務総長バンキムーンは、「水戦争」の亡霊を呼び起こしている。そして人口が増大していき、金持ちになっていき、そして、地球温暖化が気候を変動していくなか、エキスパート達は、もし何か対策が取られなければ、何十億の人が水不足を蒙り、飢え、疾病、移住、そして、究極的には紛争を引き起こすだろうと、警告している。

この大災害を回避する為に、政治家、経済学者、エンジニア達は、水を管理する方法への劇的な変更を要求している。それは、植林、簡単な貯水井戸から始まり、地球をダムと水導管で水の通路網を再構築する数十億ドルの計画、あるいは下水道と海から真水を製造する事に及んでいる。

水の危機は人間による過剰開発から出た環境への大災害が現れたものである。今の時代は、ノーベル賞を受賞した化学者パウル・クルッツェンが「Anthropocene・人間本位」と呼んでいる時代である、なぜなら、自然のシステムが人間の活動によって基本的に変更されているからである。そしてこれは人々が定着して、森を切り倒し、農作を始めた時すべて始まったものである。

理論上では、地球にはその65億人を支えるだけの多くの水がある。地球の97パーセント以上の水はすべて塩水である。また、ほとんどの真水は南極地方とグリーンランドの氷床に固定されている。しかしそれでもまだ使用できる1千万立法キロの真水が残っていて、大気と地球の間の蒸発と降水のサイクルで循環している。地球ではそれが地下帯水層、湖、川、氷河、雪塊氷原、湿地、永久凍結層、土壌のなかで現われてくる。各立法キロは一兆リッターの水、あるいは十億トンの水に等しく、それはナイル川に残っている毎年の流水に等しいものである。

グローバルな人口増大、経済発展、食肉や酪乳と魚タンパクへの増大する欲求はこの50年で人間の水の要求を6倍に上げた。その間に水の供給はいくつかの面で縮小された:概算845,000のダムが、下流のコミュニティーから水と沈殿物を奪い、蒸発を増加させて、世界の川の内のほとんどを詰まらせている;水の半分までが漏出で失われている;さらに10億の人々は適切なインフラストラクチャーをまさしく持っていない、そして残されている水は農場と工場から出る化学薬品と重金属によってしばしば汚染されている。これは1億人以上の人々を中毒させていると国連によって非難されている。さらに降雨が多くの地域ではずっと依存できなくなってきている。

国連は、「水の欠乏」を、毎年各人が飲み、洗い、食物を育て、産業を行うのに使う再生可能な清潔な水が1,000立方メータより少ないものとして定義している。この計量では世界の半分の人口は水不足を蒙っている国々に住んでいる事になる。ヨルダンは、1年当たりの1人当たりの再生可能な水がたった160立方メートルになり、世界で最も水不足な国の1つになっている。

何百万もの他の人々にとっては、水の悪い供給は生死の問題である。清潔な飲料水と衛生の不足が、疾病と栄養失調で5歳以下の1100万人の子供の死亡の主要な原因にされている。さらにそれはほとんど慢性的に空腹な10億の人々の原因であり、また20億人が国連食糧農業機関が「食の不安」と呼ぶもので苦しんでいる20億人の原因である。なぜなら彼等は「活発で健全な生活」の為の適切な食物と栄養をもっていない。またそれは6千万人の、少女を学校に行けなくしている。

レスター・ブラウンは彼の最近の本、「プランB 3.0」で苦境をカタログに挙げている。中国、インド、米国、パキスタン、アフガニスタン、イラン、サウジアラビア、イエメン、イスラエル、メキシコの穀倉地帯では、地下水面は時には年間何メーターという数字で落下している。ポンプ吸水の水を探す為に1キロメートル以上も掘削されている。さらに数千の井戸が全く枯渇してしまい、農業の生産高が縮んでいる。これらの国々は世界の半分以上の人々を抱えていて、しかもそのほとんどの穀物を生産している、とブラウン氏が警告している。他方、人間の苦痛の只中でほとんど忘れられている、自然界の恐ろしい結末がある:即ち淡水魚の個体数が1970年と2000年の間に半分減少している、と、国連が述べている。

すべてこれらのダム、灌漑水路、ポンプや水管、は何十億もの人々に、巨大なグローバルな過剰な取水をさせている。エキスパート達を心配させていることは、人間がより少ない水を取りだす兆候がないということである。

2年前に、「インターナショナル水管理研究所」(IWMI)は、700人のエキスパート達による報告書を公表してこう警告をしている:3人のうち1人が「水不足」の1つのあるいは別の形に耐えてきた。「私の水不足は、水を得るために女性が懸命に働く場合である。あるいはあなたがもっと水を割りあてたいが、そうできない場合である、と、デビッド・モルデン、スリランカに在る環境組織の副所長が述べている。

モルデンはこう警告している:状況はずっと危機的である、食物の増加する需要、生物燃料の最近のブーム、そして気候変動のためである。それに、もう一つの強い需要を加えることができる:即ち、自然もまた水を必要としている。この事は、ヨーロッパや他の国々が「最小の環境の流水を所定の場所に残すことを確保させる立法に及んでいる。

食物についてだけで、世界銀行は、水の需要が2030年までに50パーセント上昇するだろうと推定している。また、「IWMI」は、水の需要が2050年までにほとんど2倍になるかもしれないと恐れている。

最終的には、諸政府はいくつかの道を直ちにとる事を強いられている:人間と環境への水の真価を反映する水の価格を上げる事、効率と供給を改善する技術に投資する事、もっと多くの公益活動に従事する事、入って来る水や食物を止める事ができる隣人と和解する事。しかし、これらは、もし人々が貧困からぬけだして、より高い価格、資本投資、輸入に金がだせるようになった場合にだけ、可能になるだろう。

人は1日当たり約50リットルの水を使用する。産業はその2倍を必要とする。しかし農業はさらにもっと多くの水を必要とする。事実農業は人間によって使用される水の90パーセントを使っている。

Author:事務局 : 2008年11月05日 11:36