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2008年11月11日

■オバマへの米国環境科学者達の切迫した期待

バラク・オバマが大統領に就任するに際して、彼は気候変動規制法と、グリーン・エネルギーへの投資を最優先事項にしなければならない。また、彼は、大胆で政治的に不人気な行動であっても、地球温暖化に対処しなければならない。

バラク・オバマは歴史的な勝利を勝ち取った。そしてその勝利には、フランクリンD.ルーズヴェルト以来最も困難な状況の下で、執務する権利を取った事になる。恐らくルーズヴェルトの時代よりもっと困難になるだろう、なぜならルーズヴェルトとオバマ両者は対処すべき金融瓦解(メルトダウン)をもっているが、オバマは「メルトダウンのメルトダウン」に直面している:即ち、それは我々文明の土台を崩そうと脅かしている地球の気候システムの急速な「解体状況」(ディスインティグレイション)である。

それは大袈裟なメロドラマ的な態度だろうか。今年初めに書かれた学術論文の要約から引用してみよう。それは今オバマ氏の為に働いている人達の一人、NASA科学者ジェームズ・ハンセン氏によって書かれたものである。「もし人類が文明を発展さしてきて、地球生命が適用してきたこの地球に類似する地球を保存したければ、旧時代気候学の証拠と進行中の気候変動は次のことを示している:大気圏のCO2は現行の385ppm[parts per million]から350ppm.に削減しなければならない。言い換えれば、もし我々がこれ以上炭素を増加させ続ければ、地球自身が我々の努力を無効にしてしまう。

このハンセン氏の算出は、以下に述べる事を科学に依拠させたものである:即ち、すべてが直ちに変わらなければならない。いずれにしても、次の項目はオバマ氏が推進しなければならない事のいくつかである:

グリーン・エネルギーでの巨大な政府投資をする事。これが政治的に妥当な希望になる為には、それが我々を金融泥沼から引き上げてくれる唯一の巨大な刺激努力として見なされなければならない。我々は少なくとも必要とされる技術のいくつかを持っているー風力、新しく有望な砂漠太陽電池、常に有用な絶縁技術(その設置は少なくとも多くの仕事を生み出すだろう)。さらに、また核を押しあげてもよいかもしれない、しかしそれは長い時がかる、そして合理的なリストに入るにはあまりに経費が高すぎる。まだ、使ってはいけない技はないのだ。

厳しい炭素上限、それはそのプロセスを押し進めるのを助ける事になる。現行の上限キャップと交換取引は弱すぎて、抜け穴だらけになっている。議会を通じて清潔でタフな法案をつくることがオバマ大統領の先進事項でなければならない。

ひとたび新大統領が国内でこのタフな仕事をすませば、彼はそれをもう一度地球全体でする必要がある。ジョージ・W.ブッシュが大統領就任数週間後に放擲した初の慎ましい国際努力である京都条約に次ぐ後継協約を提出する為に世界は、2009年の12月にコペンハーゲンで会合する事になっている。

詰まるところ最後にくるものは次の事である:ツケの支払いが迫っているのである。それは単に、あるいは主として、失敗したブッシュ大統領職からのツケだけではなく、200年間化石燃料を燃やした事から来るツケである。20年前に地球温暖化について我々が心配し始めた時、我々はそれらのツケを払うのに一世代かかるだろうと、思った。しかし、我々は間違っていた。地球という惑星は我々が思っていたよりずっと繊細にバランスがとられているものである。溶解していく北極は、差し押え屋からの呼び声なのである。

何らかの希望が成功するには、オバマが腹の底から、気候、エネルギー、食物、経済が今絶望的に絡み合っていて、そしてこれらの問題のうちのどの1つでも、他の問題をとりあげずに、解決しようとすれば、すべての問題をさらに悪くするだけだという事実、を、理解する事が必要なのである。さらに、彼は本能的に、我々の時代の唯一の赤裸々な事実を理解する必要がある:即ち、どれほど多くの投票があっても、どれほど多くの院外活動をしても、どれほど多くの圧力を加えても、物理と化学の法則を修正することはできない。それは政治家が取り引きに慣れている法則ではない。それらの法則には、好悪に関係なく、従わなければならない。350ppmは、今地球上の最も重要な数である、現実の現実を定める「レッドライン」である。

見張るべき最初のサイン:オバマ大統領が来月、「国連気候変動会議」にポーランドへ出かけるかどうか?そして出かけて、炭素に関する国際的な討議で電撃的な衝撃を与え得るかどうかである。

オバマ、そして、残りの我々、は、恐れ以上に恐れるべき大きなものを持っている。我々は炭素ガス放出をしている、そして真しく今それは地球で最も恐ろしいものである。

Author:事務局 : 2008年11月11日 12:48