« ■米国農業補助金の会計監査が不正を暴露する | メイン | ■エコ・グリーンハウスで地域の通年食物栽培を可能にする »

2008年11月28日

■米国オバマ新政権での食料政策の方向

作家で活動家のマイケル・ポランは、バラク・オバマの農務長官になることに興味を持っていない。ありがたいことである。もっとも彼はその役職に申し分ないだろうと考える多くの人々がいる。

ポラン氏を農務長官に押すインターネットでの市民運動が続いている。ポランは無数の論文や記事の著者として、また彼の徹底的なレポート、また文字通りアメリカの農場で手を汚して、それを書くことが、彼を、如何にまた何を食べるかで、米国で最も偉大なエキスパートの1人にしてきた。彼の著作には、例えば以下がある:

The Omnivore's Dilemma(健啖家のジレンマ);A Natural History of Four Meals(4食の博物史);
In Defense of Food(食物の弁護);An Eater's Manifesto(食べる人のマニフェスト)。

ポランは、次の大統領に誰がなるにしろ、彼の表現では農民最高司令官になるが、その人に向けて10月12日のニューヨーク・タイムズ・マガジンに出した公開書簡のなかで、こう述べている:「貴方は知って驚くかもしれないが、これから数年で貴方の多くの時間をついやす問題は、貴方が大統領選キャンペンで、ほとんど言及しなかった問題なのです。それは食物です。食糧政策はアメリカの大統領が多くの考えを与えなければならない問題なのです、、、、。」

「しかし、私達すべてを不意に襲った唐突さで、安くて豊富な食物の時代は終りに近づいています。これが意味する事は、貴方は、史上の他の多くのリーダーのように、この事実に直面するのです。過去数年安易に無視されてきた事、即ち、一国の食物システムの健康が国家の安全保障の重大要件であるという事です。食物が貴方の注目を要求するのです。」

2007年に、金融危機瓦解が襲う前に、約3200万人のアメリカ人(少なくとも9世帯のうち1世帯)がテーブルの上に十分な食物を置くのに苦労した。現在は、ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、米国全土の(飢餓救済慈善団体)食糧銀行は、次の食事について確信がない人々の増大に対応するのに苦闘している。食糧銀行は要求が20%増加するのを見ている-- 中流の家族がこの増大のほとんどを占めている、と、彼等が述べている。

さらに毎年の感謝祭の大騒ぎの前日に、ワシントンポスト紙はこう報道している:「(貧困者用)食料引換券を貰うアメリカ人の数は、ハリケーンカトリーナ被害後の2005年にできた史上最高数を越えて、今月初めに3000万を超えようとしている。」

この事を、最近の3070億ドルの農業法で支払われている大金と比べて見るとよい。その金の多くは巨大アグリビジネスに充てられる。タイムマガジンの言葉を借りれば、「それは、最多の燃料、水、農薬を使用し、最多の温室効果ガスを放出し、最肥満作物を育て、最多の非合法労働者を雇い、地域のアメリカ人口を減らしていく、巨大農場のための福祉政策である。」

すべてが結構なようだが、バラクは、上院議員として、その怪物的な農場法案(彼は実際の投票点呼には不在だったが)を支持した。彼は、トウモロコシを食物ではなく燃料に使用することは穀物の価格を上げて、温室効果ガスの巨大排出に帰着するのだが、エタノールの生産をまた支持した。

このように、食物と農業に関しては、問題のばらばらな点をつなげていくことは、マイケル・ポランがビル・モイヤースに述べているように、苦痛を生む旅程になる。それは、内紛政治、国際外交、大企業、政府のあらゆる部門、病的肥満から国家安全保障まですべての問題が関連してくる。

「異なる種類の食物の為に、あなたのフォークで投票してください。農民の市場へ出かけてください。スーパーマーケットから出てください。...庭に植物を植えて下さい。...ファースト・フードの文化からの独立を宣言してください。」と、マイケル・ポランが訴えている。

オバマ新大統領が誰を彼の農務長官に選ぶかにかかわらず、彼がポランを食物問題について、彼の(言わせてもらえば)キッチン内閣での、非公式アドバイザーにする事を適切であると考えるかどうか判明することは興味深い事である。

Author:事務局 : 2008年11月28日 18:00