« ■事業縮小を強いられるモンサントの不調 | メイン | ■英国生活協同組合はGM無し方針で行く事を宣言する »

2003年10月28日

■世界最大四年間のGM実験栽培結果が発表される

■世界最大四年間のGM実験栽培結果が発表される
環境への悪影響が証明される

New Scientist
The World's No.1 Science & Technology News Service
GM crops can be worse for environment
13:34 16 October 03
NewScientist.com news service

GM作物は環境へ悪影響をする

GM作物の世界最大の実験栽培の結果は以下の結果を示した。テストされた3作物のうちの2つ、油菜種、テンサイ、は、従来の作物よりも、農地の野生生物へ悪いインパクトを与えた。研究者達はこう強調した。今度の結果は、使われた除草剤体制、グリホサート剤またはグルフォシネイト・アンモニウム、の、野生生物へのインパクトを測定したもので、除草剤へ抵抗力がある遺伝子操作された作物自体ではない。レスファー・バンク、英国本拠のトライアル・コーディネーター、は、木曜日にロンドンでの試験結果の発表で、こう述べている:「大切な事は、私達の全ての結果は、植物がGMであるかではなく、異なった除草剤の使用とタイミングの面で、説明されているものである。」しかし、GM作物の反対者達は、実験の発見に喜こんでいる。この結果は、評定のため、英国政府と政府への公式なアドバイザーの下へ送られる。否定的な環境への影響の発見は、この2つの作物の商業化を国際貿易規則の下で禁止する許容できる根拠を英国政府に与えうるだろう。実験された3番目のGM作物、トウモロコシ、は、従来の作物より、野生生物には良かった。しかし、反対者達は、この件の結果は無効であると言う。なぜなら、アトラジン剤が、GMトウモロコシに対する従来のトウモロコシに使われたからだ。この除草剤は、ヨーロッパでの禁止がかかっているものである。

全体のパッケージ

作物の収穫量はトライアルにおいては考慮されていなかった。組織者達は、これと多くの他のファクターが、野生生物への農業の効果に影響をあたえる、と言う。ファーバンクはこう言う。「それは、どのように地方が管理されるかの全体のパッケージの問題である」。クリス・ポロック、6百万ポンドかけた実験を監督した科学運営委員会の会長、は、こう付言した。「私達がだした結果が、英国でのGMについてのより広い討論と、また私達がどんな種類の景観を必要とするかについての討論に取り入れられる事を望んでいる。」組織者達は、英国全土で4年間280箇所のフィールドでの「農場スケールの評定」は、堂々とした成功であったと信じている。ポロックはこう言った。「それは、新奇な農業テクノロジーが、導入される前に、後ではなく、広範に実験された最初のものである。」

個々の作物では、個別のフィールドは、二つに分けられて、一方の半分では、GM作物が栽培され、他の半分では、従来の作物が栽培された。野生生物への効果を正確に測定するためには、科学者達は雑草と雑草の種子を監視し、甲虫類と他の昆虫を収集した。油菜種:雑草は従来作物のプロットで1.7倍豊富で、五倍多くの種子が生産される。地面に残されたこれらの種子の蓄えは、従来の取り扱いを受けて二倍になった。これは、60年前現代農業の開始以来劇的に減少したヒバリなどの鳥類へ不可欠の食物を供給する。蝶々はGMプロットのまわりで4分の1に減少したのが記録された。テンサイ:従来作物のプロットでは、雑草が約1.3倍増大して、種子の数は3倍になった。また、地面に残された種子には増加があった。蝶々は40パーセント少なかった。

l トウモロコシ:状況はすっかり逆になった。GMプロットでは3倍多い雑草があり、2.3倍の種子ができた。しかし、分らないことだが、これは、土壌に残された種子の量は増大しなかった。ジェフ・スクワイアー、ダンディ、インヴェルゴウリにあるスコットランド作物研究所のトライアルコーディネーター、は、こう言った:もし過去10年にこれらの作物が栽培されていたら、菜種とテンサイは、さらに野生
生物の減少を引き起こしていたであろう。けれども、トウモロコシでは、農場の生物多様性を増大させたであろう。

「統計的な欠陥」

GM作物の反対者達は実験栽培の結果に喜んでいる。グリーンピースのチャーリー・クロニックは、「私達の主要な反応は、よい光を当ててGMを示すために企画されたトライアルだったが、そのような劇的に否定的なインパクトを示した。」と言った。しかし、グリーンピースと他の人達は、いつも、トライアルがヤラセであることを弾劾し、活動家達は、作物を物理的に引き抜いてそれらを妨害することを試みた。2003年の初めには、地球の友が、実験結果は統計的に欠陥があると言った。研究者達は、GM除草剤と比較されたアトラジン剤の差し迫った禁止にもかかわらず、トウモロコシの実験結果を弁護した。しかし、彼らは、この結果が「目標が再設定される」必要があるかもしれない事、また、従来のトウモロコシへのアトラジン剤を交換した何らかの体制で、特別な実地調査が、データを集めるために、必要があるかもしれない事、を認めた。

今度の実験結果は生物工学産業のためにはありがたくないものである。そしてこの結果の発表の前日に、モンサント、GM作物の世界最大の製造会社、は、ヨーロッパでの穀物類のビジネスの閉鎖を発表していた。しかし、同会社は、GM作物を開発することに堅くコミットをし続けると述べている。

報告者 アンディ・コフラン
参考学術誌・Journal reference:

Philosophical Transactions of the Royal Society of London B (vol 358, p 1775 - 1913)

Author:事務局 : 2003年10月28日 13:51