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2005年08月10日

■ウイルス学者達が科学誌science、natureで警告論文:

■ウイルス学者達が科学誌science、natureで警告論文:
  中国観光名所、チンハイ湖の「バードアイランド」がH5N1ウイルスを
  地球全体に広げる「結節点」になっているかもしれない

 科学専門誌、サイエンス、と、ネイチャーに論文を書いているウイルス学者達は、中国、チンタオの渡り鳥の拠点「バードアイランド」がH5N1ウイルスが、変異して、地球全体に広がる「結節点」になり、より毒性を強め、高致死性の世界的な悪疫になっているかもしれない、と、警告した。現在までは、この病気は、アジアの家禽関連のコミュニティに主に集中して起きていた。そこでは、1億2000万羽の家禽の抹殺処分と最低63人の人間の死をもたらしてきた。しかし、チンハイでは、この病原菌が、これまでとは違った集団を攻撃して、5000羽以上の野生の鳥を殺した、そのほとんどの犠牲者は、ガチョウで、その他は、大黒頭カモメ、茶頭カモメ、赤ツクシガモ、ウ、であった。他の動物種が病菌の運び屋であるかもしれず、病候をみせずに感染しているのかもしれない。

 しかし、中国の官吏達は、まだ、この鳥疫病の勃発についての研究結果を充分には公表していないので、世界中がH5N1のチンハイ菌株の拡大と毒性について推測するしかない状況である。この情報不足で、もっと多くの透明性を要求する憂慮の声が高まっている。今月末に開始する次の大きな鳥の移動季節を控えて、世界保健機関/WHOは、鳥類が冬季に向けて南方と西方へ移動する前に、もっと多くの情報の緊急なニーズがあると、述べている。「時間がなくなってきている」と、ジュリー・ホール、中国での伝染病を担当するWHO役員、が、言っている。これは国際的な問題である。私達は、早期警戒をこれらの鳥の移住ルートにある国々に与える必要がある。チンハイ湖のレーンジャーと地元のガイドブックによれば、これらの鳥は南中国に向かうと述べているけれども、国際的な諸団体は、鳥が、もっと広い地域を横切って、夏季間でのロシアの飼育場所から、東南アジアとインドでの越冬地点まで、移動する事を示唆している。もしそうなら、それらの鳥の移動経路はヨーロッパとアメリカに飛んで行く鳥の経路と交差する事になる。しかし、あまりに多くの種々の鳥がいて、誰にも確かな知識がない。中国科学アカデミー動物学研究所の役員は、これらの鳥の移住パターンの研究はほとんどない、と、言っている。これは中国の研究に欠落している分野である。

 先週、ロシアは鳥インフルエンザの最初の発病を報告した。シベリアで約300羽の家禽が感染していた。チンハイからきた野生鳥の夏季の飼育場所の1つで起きたと考えられている。6月に、チンハイに隣接する新彊ウイグル自治区州で2つの勃発が報告された。中国政府は、国際的な保健と農業の官吏がこれらの地域を訪問するのを断ったけれども、彼等は、渡り鳥がその病気を地域の家禽に感染させたようだと言った。チンハイで最初のガチョウの死が発見されて以来、中国当局のプライオリティは、この疫病の抑制による経済的損害を最小にする事、およびその起源についての科学調査をする事、である。そこのバード・アイランドの労働者は、5月3日に死んだ最初に感染した鳥のビデオ映像があると言っている。匿名希望の官吏の一人は、リモートカメラによって写されたすべてを見たと言った。明らかに病気で苦しんでいる3羽の鳥がいた。それらは、他の健康な鳥によって囲まれた円の中で、ばたばたはためいていた。この官吏がこれをボスに報告した時に、彼はそれらに触れないように命じられた。衛生局がすぐマスクとグラブをつけてやってきた。

 警察と軍隊が来て人口がまばらなガンチャ地区の半径48kmを防疫地域として立入禁止にした。同地区の20000羽の家禽が補償なしで抹殺処分された。ある家族は5羽の鶏を持っていたが、全部殺さなければ、罰金を科されると言われた。それは厳しい打撃であった。その家族の収入は1年あたり250ドル以下である。来訪者は、外科用マスクとグラブなしでは第二の16km半径内の防疫区域に入ることは許されなかった。その区域内で生きている人達は、地元の公務員から消毒と衛生の講義を与えられた。反政府ウェブサイトは、100人以上の人々が病気で死んだという噂を広めたけれども、この地域の誰も人の死を耳にはしていなかった。

 中国当局は、公式バージョンと異なった調査をする科学者達を厳しく押さえ込んでいる。公式見解は疫病は中国の国境外から来たというものである。
 「ジョイント・インフルエンザ・リサーチ・センター」、香港と中国の大学によって運営されている研究所、は、チンハイの鳥に発見されたH5N1ウイルス菌株は南部中国の家禽農園から拾われたものかもしれない事を、示唆している。
 中国政府のこれへの処罰は迅速であった:そのセンターは、農業省がそのセンターが生物学的安全基準を欠いていると公表した一週間後に閉鎖された。新しい規制では、H5N1の研究は3つの国立研究所に限定されている。チンハイでは、当局は、今回の勃発は終わったと主張している。先週、防疫線は解除されて、観光客達は「バード・アイランド」に入るのを許されている。しかし、そのウイルスは、地球を飛んで横断するのを待って眠っているのかもしれない。地元の人達は通常の生活に戻れて安堵しているところである。しかし、問題は、この疫病は次に何処に飛んでいくのかである

参照:
Guardian Weekly Webnews: 2005/08/5
Virus fears blight beautiful bird lake / Jonathan Watts on Bird Island,
Qinghai Lake

Author:事務局 : 2005年08月10日 13:11