家庭雑排水から生物活性水づくり

さつまいも栽培にフル活用

茨城県鉾田市 米川 修、あき子ご夫妻


 茨城県鉾田市上釜でさつまいも栽培を中心に農業を営む米川修さんは、一昨年、家の新築を機に家庭雑排水を利用した生物活性水プラントを導入しました。米川さんと妻のあき子さんに、生物活性水を利用したさつまいも栽培、プラント導入のきっかけ等について伺いました。(取材・長倉徳生)


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 米川さん夫婦の暮らす上釜地区は海に近く、昔からさつまいもや大根、ニンジン等の根菜類が栽培されてきました。昭和三〇年代後半に中学を出てすぐに家の農業を手伝い始めた米川さんは、他の農家と同じように、化学肥料、農薬を使用しながら農業を続けました。
現在のように、BMW技術を利用し無農薬・無化学肥料でのさつまいも栽培を始めたのは、隣の茨城町で酪農を営む清水澄さん(BM技術協会常任理事・茨城BM自然塾塾長)との出会いがきっかけとなりました。それまで米川さんは、「いいもの」を作るために農薬を使用してきました。周りの農家にも、無農薬でさつまいもを作るところなどなかったといいます。
清水さんにアドバイスを受けながら、生物活性水、BM堆肥を使ったさつまいもの減農薬栽培に取り組み始めます。四、五年前からは、完全に農薬の使用をやめ、現在は無農薬、無化学肥料でのさつまいも作りを行っています。

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 同じ鉾田市には、全国で初めて生活雑排水を利用した生物活性水プラントを導入し注目を集めている田中一作さんがいます。米川さんはこの田中さんのプラントを建設中から見ていました。また、田中さん、清水さんのすすめもあり、家を新築する際には、雑排水を利用した生物活性水プラントを導入したいと考えていました。
プラントは家庭用の浄化槽を二つ庭に埋め、その中を仕切り、間をパイプでつなぐ形になっています。施工は清水さんの知人に依頼しました。培養調整は清水さんと米川さんで行ったといいます。
自前の生物活性水プラントができるまで、さつまいも栽培に使う生物活性水は清水さんのプラントから分けてもらっていました。
散布には乗用耕耘機を改造したものを使っています。耕耘機の前を自動で散布できるように改造してあります。この耕耘機を購入したのは、五年ほど前の事です。以前は、独立した散布機を使い生物活性水を散布し、その後耕耘していました。現在は散布と同時に耕耘ができるようになり、かなり効率が良くなった、と米川さんは満足げに話します。

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 米川さんのところでは六町歩の畑でさつまいもを栽培しています。味もよく、健康食として多くの消費者から好評を得ています。しかし、昨年は例年になく不良品が多く発生し、販売減になったといいます。
米川さんは「難しいね」といいながらも、生物活性水とBM堆肥を使った無農薬・無化学肥料でのさつまいも栽培を今年も続けていく、といいます。「これからは無農薬、安心して食べられるものを作っていかなければ」と米川さんは話します。

Author 事務局 : 2006年05月08日18:38

 
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