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2003年09月11日

■GM修正食品:ブッシュが生物時限爆弾を売り込ませる

■GM修正食品:ブッシュが生物時限爆弾を売り込ませる

●米国食品医薬局所属科学者のGM内部文書の公開

●WALL街のGMに関する報告書の意外な内容

Scoop: Green Left: GM Food A `Biological Time Bomb'
Genetically modified food: Bush promotes a `biological time bomb'

By Eva Cheng

8月7日に、米国政府は、欧州連合の遺伝子組み替え食品の新しい承認への5年間の事実上の禁止に法的決着を求めるために国際貿易組織(WTO)が論争解決パネルを設置することを正式に要求した。その際、米国大統領ジョージ・ブッシュ政権は、もっと多くのGM食物輸入を受け入れるようEUに圧力をかけるだけでなく、非常に疑わしい安全性と、潜在的に破滅的な環境への効果を持っている食物を世界の人々の喉へ押し込もうとしている。ワシントン政府は、GM作物の拡大を強力に押している背後の力である。浅薄な科学研究が、この拡大を正当化するために行なわれている一方で、GM作物の考えられる深刻な危険の広範な証拠は無視されたままである。

1990年代初期に、「競争力協議会」は、米国副大統領ダン・クエールがその首班であったが、GM作物輸出のプロモーションで、米国の傾きつつある輸出競争力を逆転させるのを援助する事を決定した。GM作物がはじめて商業用規模で植えられた1996年の170万ヘクタールから、GM作物栽培のグローバルな栽培面積は、昨年で5870万ヘクタールに急上昇した。4つの国でGM栽培の99%を担っていて、米国(66.4%)、アルゼンチン(23%)、カナダ(6%)、および中国(3.6%)である。しかし、ヨーロッパと世界の他の地域での消費者抵抗が、米国のGM食物輸出を制限している。例えば、米国のEUへの大豆、主要GM作物、の輸出額は、1996年の21億米ドルから2000年の11億ドルまに半減させられた。EUは米国農産物輸出の3番目に大きい市場である。

EUの市場に頼っている多くの国は、GM作物を栽培する事を拒絶している。多くの国は、疑わしい作物受け入れをEUが厳しく拒絶するので、従来の作物がGM汚染される危険を冒すのを避けている。そのような汚染は、事実上、元にもどすことが不可能である。飢饉がひどいザンビアが米国の遺伝子組み替え食物援助受け入を昨年拒絶したのは、その懸念が一部には理由になっている。ワシントンの8月7日の決定発表にあたって、米国通商代表、ロバート・ゾウリック、は、EUのGM禁止が、生産性が高い、栄養的で、環境にやさしいバイオテク産物の恩恵を、世界中の農民、消費者から、奪っていると主張した。この主張は真実からは遥かにかけ離れている。

科学者達と医師達の反対

1999年に、74の国から来た650人以上の科学者達は、公的な声明を出した、タイトルは、「世界の科学者からすべての政府への公開状」
で、GM食物と他のGM有機体(GMO)の危険に彼等の深刻な懸念を表現してあった。GMOは生物多様性、食物安全、人と動物の健康への脅威であると述べてあった。科学者達は以下の事項を要求した:すべてGM作物と製品の環境へのリリースの、商業的と野外実験栽培の両方とも、最低5年間の中止、生命の過程、組織、種子、細胞株、遺伝子(GM産業の中核活動)、へのすべての特許の撤去と禁止、農業の未来、あらゆる人への食品安全への包括的な公的な調査の実施、をする事を求めた。

この科学者達の声明が明らかにしたように、「GM作物は、農夫にも消費者にも恩恵を与えない。代わりに、多くの問題が、はっきりして来た。それには、生産高の停滞、増大する除草剤使用、不安定なパフォーマンス、農民の貧弱な経済的な利益を含んでいる。GM作物はまた大企業の食品への独占を強める。科学者達によると、英国政府は、GM作物からの花粉の転移は「避け難い」、そしてこれが、除草剤耐性雑草が結果として生じさせてきた、事を認めている。75パーセントのGM作物は、除草剤耐性があるように遺伝子操作されていて(しかし通常同じ多国籍企業により作り出された除草剤のブランドだけに対して)、そして、GM以外の「他の全てのもの」が殺されるように、指定除草剤を沢山使って栽培することになっている。科学者達は、次ぎの事を注目している。「広範囲」(一気呵成な致死性をもつ)除草剤は、除草剤抗性があるGM作物フィールドの雑草を殺すために使用されているが、「野生の植物種の多くを無差別に殺して、それらはまた動物にとっても有毒である。」

すべてのGM作物の4分の1は、Btと呼ばれるバクテリアの遺伝子から取り出された殺虫力があるたんぱく質を生み出すように遺伝子操作されている。しかし「GM植物の毒素の継続的な存在に呼応して、…Btへ抵抗力がある害虫が育ってきた。」と、同声明は述べている。その問題に対応する為に、「米国環境保護局」は、「抵抗力がない昆虫害虫のための避難場所を作るために、最高40%の非GM作物を植えるよう農民に督促している。」科学者はこう続けて述べている:「[GMOs]からの製品もまた危険な可能性がある。例えば、GM微生物により生産されたトリプトファンは、最低37の死と1500の深刻な病気と関連があった。この公開書簡は、GMOに関連する「裸のDNA、抗生物質抵抗マーカー遺伝子(すべての遺伝子操作の欠かせない部分)、さらにほとんど取られていない予防手段、について、恐怖を募らせる詳細さで、述べている。

これら科学者の公開書簡の最新版は、1999年シアトルWTO大臣の会合、2000年のUN生物保安プロトコル・ミーティング、持続可能開発UN委員会、生物多様性UN定期大会、米国議会へ、提出された。英国医学協会(BMA)は同様な懸念を表明した。GMOsのリリース無期中止の1999年の国民の要求に続いて、BMAは、2002年11月に、その件をスコットランド議会への提出書で、強く要求した。GM食物が安全であるというワシントンの繰り返された主張を反論して、その提出書においてこう強調した。「GM食料品の人の健康への潜在的に有害効果に関する活発な、徹底した調査がまだない…そのリスクはまだ知られていないけれども、GM食物からのマーカーの転移による抵性微生物のどのような増加も、人の健康へ非常に重大な悪い効果が潜在的にある。」

米国の路線に沿って、アイルランド政府は、2001年3月の公式の報告においてGM食物は人が消費しても安全であると主張した。アイルランド医師環境協会(IDEA)は直ちにこの主張を否定した。IDEA共同議長エリザベス・カレン博士は、アイルランドの子供達に大豆アレルギーが最近増加していると指摘した。5月には、1999年の公開書簡にサインした科学者の多くは、ロンドンで会議をして、GMに関する「独立科学パネル」(ISP)を結成して、1ヶ月後に、120ページの報告書、「非GM持続可能世界の主張:生物時限爆弾」、を出し、GMOに対する反対を力強く論証した。この報告書は、GM工程中に生まれる多くの生物で時限爆弾になるもの、を詳述した。遺伝子工学は異なったソースからとるDNAを人工的に再結合さして、それを有機体のゲノムに挿入する事を含んでいる。

このリポートは、こう説明している。この挿入は、ゲノムへの予測不可能で、ランダムな結合を起こし、その結果、予測できない結果を生み出し、動物と食物の両方のひどい異常、食糧作物に意外な毒素、アレルゲンを発生させる事を含んでいる。そのような過程は、水平遺伝子転移を含み、スーパーウイルスの発生を含む、意図しない遺伝子再結合への道を開いてしまう可能性がある。例えば2001年1月のNew Scientist誌によれば、オーストラリアの研究者が、無害なウイルスを操作している最中に、偶然に致死性のマウスのウイルスを生み出してしまった。

この科学誌は、「化け物が外に出てしまった。バイオテクは嫌な驚きを飛び出させた。今度は破滅的な事になってしまいかねない。」と評した。ISPリポートは、そのオーストラリアの「事故」を評して、「この事と、目下のSARSの疫病は、水平遺伝子転移と再結合が病気を起こす新しいウイルスとバクテリアを作ったことを思い出させる。そして、もし遺伝子工学が何かをするのならば、それは、水平遺伝子転移と再結合の範囲と傾向を大いに高めることである、と、述べた。

ISPリポートはこう警告した。転移遺伝子が土壌バクテリアと菌類へ入り、そしてそこからずっと広いフィールドに広がる危険がある。「DNAは、外部の環境だけでなく、土と水の両方に執拗にとどまり、消化器官のなかでは迅速には壊されないので、DNAが動物の内臓に棲んでいる微生物に移動するのを防止できない。新しいテクニック、例えばDNA組換え、は、数十億年の進化で一度も存在した事がない数百万の組み換えウイルスを数分の内で、実験室で、遺伝子学者が作ることを可能にしている。病気を起こすウイルスとバクテリアとそれらの遺伝子素材は、バイオ武器の為だけでなく、遺伝子工学のための圧倒的な素材とツールである。」、と、このリポートは警告している。そのような事故がさらに起きる様にさせている事は、「裸の/放置核酸」、遺伝子転移、の処理法への衝撃的にもろいコントロールの仕方である。遺伝子工学だけでなく、GMOの産業的生産は廃棄物の量をさらに大きく増大させる。この廃棄物は、病原バクテリア、ウイルス、他の遺伝子寄生虫からの遺伝子の異種の集合体を典型的に含んでいる。

英国が本拠の「社会の科学協会」ISPの最近のリポートはこう警告している。遺伝子工学によって作られる裸の/放置核酸は、「潜在的に、私達の環境を汚染する最も危険な生体異物である。時間がたつと外で希釈され、退化する他の化学汚染物質と違って、核酸は、全ての細胞によって摂取されて、無限に増加して、変異して、再結合していく。」

体系的な詐欺

さらにずっと心配な展開は、遺伝子工学の危険を体系的に隠蔽している事である。ISPのリポートは次ぎの事を明らかにしている。科学的な証拠を、特に水平遺伝子転移に関するものを、誤って説明し抑圧する過去の実情がずっとあった。鍵を握る実験が実行されることがなく、でなければひどい形でされ、誤って提示された。

米国が本拠の「バイオの誠実を求める同盟」は、そのような欺瞞的な活動を暴露するために、米国食品医薬局FDAに対して訴訟をスタートさせた。FDAは、これまでにGM食物に関する44,000ページ以上の内部ファイルを公示することを強制された。この同盟による7月9日のステートメントは、公示された記録で次ぎの事が明らかになった。FDA自身の科学者達が「圧倒的に、遺伝子工学は、意外な、本質的に予測不可能な新しい毒素と他の有害な物質を生み出す固有な可能性を持っている、という結論を出していた。科学者達は、GM食物は、厳格な毒物学上のテストを全部のGM食品を使って実施しない限り安全であると見なす事はできない。」

ウォール街でさえも、意図しないで、手を貸してくれている。「Innovest戦略価値アドバイザー団」による4月のリポートはこう述べていた。「遺伝子操作企業の連合から政治家へ流れる金が、GE企業からの社員が米国の監督機関の仕事をもらう(そして逆の場合の)頻度と合わさって、大きな偏向の可能性を生み、さらに、米国政府が主張する安全性を投資者が信頼する能力を減退させている。

このレポートはまた、(この癒着が)なぜ米国政府が警戒原則のアプローチを遺伝子操作、GE、に対して取っていないのか、GEに対するラベル義務への大衆の支持を無視して、GEラベルを圧殺し続けるのか、その理由を明らかにしてくれる。
遺伝子工学の広範囲にわたっている危険に対処するように、2000年1月に、生物安全に関するカルタヘナ議定書に、130国の政府が合意した。その議定書によって、参加国が、自国の環境へ脅威であると考えらるGM種子、微生物、作物、および動物の輸入を中止させることができる。それは、またGM作物が国境を越える場合のラベル付けが必要としている。このプロトコルは9月11日に発効するものである。ワシントン政府はこのプロトコルを批准しないままである。

From Green Left Weekly, September 3, 2003.
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ENDS

Author:事務局 : 2003年09月11日 10:16