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2004年01月22日

■スペインで栽培されるBtトウモロコシは危ない動物飼料になっている

■スペインで栽培されるBtトウモロコシは危ない動物飼料になっている
シンジェンタ社推進のGMと非GM共存の危険と虚偽

 スペインで育てられたBtトウモロコシは動物飼料になってしまい、Syngenta社はGMと非GM作物の共存を掲げる議論を進めている。メイワン・ホウ博士が報告する。Syngentaは、1998年にスペインで商業用品種に二つのGMトウモロコシハイブリッドを登録した。それ以来、たった 一つ、Bt176が栽培された。しかし、2003年に5つの新しいBtハイブリッドが、シンジェンタ、モンサント、リマグレイン、ニッカソン、パイオニア各社から一品種ずつだされた。Bt176は1998年に20 000ヘクタールで植え付けられて、そのレベルに保持されてきた。それは、バルセロナの同社によって出された書類では、「種子の入手可能性を限定する「Syngenta Seeds」の自発的な協定があるからである。これは、すべてのスペインのトウモロコシ作物の約4-5%を代表して、以下の地域では平均以上である。カタルナ(13%)、アラゴン(11%)、カスティララマンチャ(9%)、マドリッド(9%)。シンジェンタ社はこう主張している:GMトウモロコシは、昆虫疫害に最も侵されるカタルナとアラゴンのような地域の小農民によってよく受け入れられている。だが、Bt176の遅い成熟の特徴のため、カスティライレオンのような重要なトウモロコシ栽培地方のいくつかでは、GMトウモロコシが見られない結果になった。

 2001/02年に、スペインでのトウモロコシ作物の高収穫平均年だが、497 000ヘクタールが植付けられ、417 000が穀物、80 000ヘクタールが牧草用に植え付けられた。スペインは、フランス(118万Ha)とイタリア(115万Ha)の次ぎに、ヨーロッパの中で3番目に大きいトウモロコシ穀粒生産国である。スペインは、2001/02年に、EUの全耕作地の11%を占め、EU生産の13%を占めている。しかし、スペインのトウモロコシ生産は国内需要には不十分である。2001~02年に消費された7200トンのトウモロコシの内、4,200トンは国内で生産され、1500トンがアルゼンチンとフランス各国から輸入された。全体のトウモロコシの80%以上は、動物の飼料に使われる。Bt176は従来のトウモロコシと「実質同等である」と考えられているので、従来の穀物と混ぜられている。従来の穀物が「非GM」というラベルを特に貼られた場合は別である。この事は、実際には、すべてのGMトウモロコシが動物飼料加工業者に行く事を意味している。

 ドイツ、ヘッセに於ける最近の事件、そこでは、同じGMトウモロコシを食べて12頭の雌牛が死んだ事、を考えれば、農民達は、自分の家畜の飼料の元がどこからきたかが当然極めて心配になるだろう。Syngenta社は、GMと非GMの共同存在のための見本としてスペインの例を用いている。だがこれは欺瞞的である。まず第一に、GM栽培のレベルが同じであり続けるという保証が全くない。特に2003年に5つの余分のGMハイブリッドが登録されているのを考えて見ればよい。第二に、有機トウモロコシの汚染がすでに検出されてきている。報告では汚染は1%未満だということである。Syngenta社は、これは有機産業が要求する0限度レベルができない事を示しているだけだと、主張している。

参考資料

Alcalde E. Co-existence of GM maize in Spain. Syngenta Seeds S.A. Balmes
117, 08008 Barcelona, Spain
http://www.ogm-debats.com/presse/documents/communiques/doc_alcalde.pdf

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Author:事務局 : 2004年01月22日 16:03