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2004年05月27日

■カナダ最高裁の判決が出る

■カナダ最高裁の判決が出る
モンサントがGM特許闘争で農民を打ち負かす

 7年に及ぶ生物工学巨人モンサントと侘しい73歳のサスカチュワン州の農夫との間の法の戦いは世界中で見られてきたが、遂に、昨日、カナダ最高裁判所が、パーシー・シュマイザーがモンサントの特許権を侵し、同会社のハイテクカノーラ油を栽培し、それらの植物によってできる貴重な種子を保存した、と、裁定した。この画期的な5対4の判決は、どこであれ国家の高等裁判所が、どれほど広く会社がその遺伝子変更種子と作物を農夫が使用するのをコントロールできるかを始めて裁定したものである。この法廷は、カナダでのモンサントのために拡大された所有権を是認する事で、農業の生物工学企業の手を強める国家とグローバルな先例を設ける事になった。カナダは、ライフフォームには制限された特許だけを認めて、農民の権利には相対的に友好的であると考えられた国であった。

 カール・カサーレ、モンサント副社長、は、農業会社にカナダでの明確な法律枠組を与える大事な宣告としてこの判決を歓迎した。カサーレは、セントルイスのモンサント本部からこう述べている:「とてもよい日である。今日、モンサント以外の他の会社は、カナダが農民のために投資するのには非常に良い場所であり続けると告げられたのだ。」しかし、遺伝子設計された食物に反対する人々や他の活動家は、世界の種子と食物供給への出現しつつある企業独占であると彼らが主張するものに対しての戦いを続ける事を誓っている。シュマイザーは彼等にとって、民衆のヒーローになってきた人であった。彼等は、他のアプローチの内として、国の特許法を変更するようにカナダ議会に圧力をかけると言った。

 シュマイザーをサポートした活動グループ、カナダ人協議会のナデジ・アダム、は、こう述べている:「バイオテク産業界は、今日の勝利は短命であるというのを認めるべきである。彼らは、強い反発が起きる事を知るべきである。その反発は持続し、さらに強くなるだろう。」今度の判決は、世界の法廷と立法府で展開している農業テクノロジに関する一連の法的な紛争のなかでは最も明確な最新の判断であった。モンサントは、シュマイザーが同社から種子を一度も購入したこともなく、また必要な栽培者協定にサインもしていないのに、彼の土地の多くに同社の特許取得ラウンドアップレディカノーラがまかれたのを知った後に、彼を訴えた。

 この品種は、モンサントのラウンドアップ除草剤に抵抗力がある遺伝子を持ち、それらの作物に損害を与えることを心配する事なく、農夫が除草剤を自由に吹きかけることを可能にするものである。この種子を購入した農民は、彼等が育てた植物から種子を集めて、植え付ける事は許されていない。だが種子を種蒔きに取っておくことはカノーラ栽培農夫の間の長年の伝統である。モンサントは、種子を取っておく事をされれば、同社の研究開発コストを取り戻すことができなくなると主張した。最初の種子の買手は再び高価な種子を購入する必要がなくなるからである。

 シュマイザーは、その遺伝子変更植物は、たぶん隣人の畑から飛んできた花粉の結果として、彼の土地に1997年ごろに勝手にやってきたのだと、主張した。二つの下級の法廷は、シュマイザーの1030エーカーの半分以上にそのハイテク植物が1998年までには植わっている事に留意して、彼が、その種子を保存して、また植付けをして、モンサントの特許を侵害したという結論をだして、彼に、経費と罰金で100,000ドル以上を支払うように命じていた。

参考資料
Monsanto Beats Farmer in Patent Fight (TechNews.com)
By Rick Weiss and Justin Gillis
Washington Post Staff Writers
Saturday, May 22, 2004; Page A08
Sometimes, Goliath wins.

Author:事務局 : 2004年05月27日 10:57