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2005年04月30日

■ブッシュ政権は「歩行不能牛(Downer /ダウナー)」の禁止から人用食肉許容へ政策転向を考えている

■狂牛病最新情報
  ブッシュ政権は「歩行不能牛(Downer /ダウナー)」の禁止から
  人用食肉許容へ政策転向を考えている
  *米年間屠殺牛3千万頭の内約19万5千頭がダウナー牛である。

 「ブッシュ政府は「歩行不能牛」の禁止を緩和させるだろう」 ブッシュ政権は15日にこう述べた。一部の傷害牛を人間の消費のため屠殺を許可するだろうと、と、言った。これは15ヶ月前に米国で狂牛病が最初に出た事件後に農業省(USDA)が採用した規則を緩和する事になる。消費者グループはこう述べている:瀕死の病にあるものを食物供給から締め出すことを目的にした規正法のいかなる変更にも反対する。米国農業省は、すべてのいわゆる「ダウン牛」--病気がひどくあるいは損傷がひどく歩けない牛--が人間の食物のために屠殺されるのを禁止した。これは2003年12月にワシントン州の酪農場の雌牛が牛脳細胞海綿状劣化症(BSE)と診断された後に出された。この禁止は、歩行不能を含む狂牛病を防止するためのより厳しいUSDAによる規制パッケージの一部であった。

 農務省長官マイク・ヨハンスは、ダウン牛の禁止を、USDAが米国牛の強化監視プログラムを今年[2005]末に完了させた後に、緩和させるかもしれない、と、提議した。ヨハンスは、全国牧場主牛肉協会で話しをした後に報道陣にこう述べている:「受け入れざるを得ない主張です。輸送中に足を折った30ヶ月未満の牛がいれば、それはBSEの脅威がおよそ無い牛である。我々はなぜこれをしようとしているのか?私はそういった主張を徹底的に考えてみようとしているのです。」科学者達は、狂牛病は汚染された家畜飼料によって広められたと信じている。若い牛は、BSEが発症してくるのに数年は必要なので、狂牛病の脅威は僅少である。人の食用にダウン牛の屠殺を禁止する事は、かなりの財政損失を農場経営者に与える。例えば、1110ポンドのステア牛は、ステーキとひき肉のために屠殺されれば、 約1000ドルの値打ちがあるけれども、もしダウン牛としてペット用食物に使われるならば 200ドル以下になる。

 畜産業界の見積りによると、毎年屠殺される3,000万頭以上の牛の内、約19万5千頭がダウン牛である。USDA役員は以前こう述べた:同省は、拡張テストプログラムを2005年のある時期に完了させた後に、その反狂牛規制法を再検討する。4月15日のヨハンスのコメントは、ブッシュ政府が検討している潜在的変更の一番新しい最も明らかな発言である。ヨハンスは主要な牛生産州であるネブラスカの元知事だが、こう述べている:「私達が、拡大監視体制を終えてよい時期になって、次ぎに何をするか決めた時点に到達して、私は一連の問題を検討したい。」上院議員のベン・ネルソン、ネブラスカ州民主党員、が、この再検討に参加するだろう、と、彼は付言した。BSEの他の発症例は、2004年6月以来の拡張されたテストにもかかわらず米国の牛に発見されていない。2005年4月10日時点で、USDAはその拡張監視プログラムの下で、314, 394頭の牛をテストした。このテストは次の数ヶ月内で完成されるだろう。それは、USDAに、その発見に基づいた方針変更を提案するためのドアを開く事になるだろう。

 消費者運動家達は、歩行不能牛は人の消費に使われるべきではない、と、言っている。キャロライン・スミス・ドゥワール、「公共利益科学センター」の食物安全ディレクターは、こう述べている:「もしこの監視プログラムが追加の陽性症例を出さなかったら、私は、ブッシュ政権がこの重要なBSEへの保護規制を逆戻りさせるのを耳にしても私は驚かないでしょう。ダウン牛は健康ではない牛であり、食物供給から締め出されるべきである」他の農場グループは、ダウン牛禁止が、屠殺に送られたブタに同様な制限をもたらす事への懸念を表明している。15ヶ月前にUSDAによって採用された狂牛病防止対策パッケージは、人の食物用に年長牛からの脳や小腸を用いる事の禁止、また、頭蓋に高圧空気注入で牛を昏倒させる事の禁止を、含んでいる。食品医薬品局(FDA)は、子牛のたんぱく質補充に牛血を使用する事、また牛飼料に鶏残骸を使用する事、を、禁止するかどうかをまだ考慮中である。

参照:
Archive Number20050418.1094
Published Date18-APR-2005
SubjectPRO/AH> BSE policy - USA: change considered
BSE POLICY - USA: CHANGE CONSIDERED
International Society for Infectious Diseases
Bush administration may ease "downer cattle" ban

[byline: Randy Fabi]
ProMED-mail

Author:事務局 : 2005年04月30日 16:43