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2005年10月19日

■続報:EU内で感染拡大の兆候が出て不安が高まっている

■続報:EU内で感染拡大の兆候が出て不安が高まっている
  科学誌Natureに抗ウイルス薬剤「Tamiflu」への疑問が発表される

鳥インフルエンザが南東ヨーロッパの少なくとも三カ国に蔓延したという事が暴露されたのを追って、各国の外務大臣が緊急事態会議を持っている。このなか欧州連合健康役員達が今週一般大衆の不安をなだめるよう努めている。東南アジアを苦しめているこの疫病は急速に西に拡大しているなか、17日にギリシャでEU最初の鳥インフルエンザが勃発した。トルコとルーマニアでも発病への措置が取られている。ギリシャの農業大臣、Evangelos Basiakosは、トルコの沿岸近くで、エーゲ海Oinouses島の七面鳥農場で起きた発病を報告した。ヨーロッパ委員会はこの地域からの生きた鳥と家禽肉の移動を禁止する準備をしている。ルーマニア政府当局は、ドナウ・デルタの6か村の家禽を監視している。これには、この病気を潜めていると疑われている村の隔離制限は遅すぎたという心配がでている。ブルガリアとクロアチアもまた鳥の検査を行っているが、まだ感染の証拠は出ていない。

ギリシャの鳥の予備的なテストは、このウイルスはH5タイプであると識別されたけれども、もっと厳しいテストが、先週トルコとルーマニアで確認されたのは高致死性H5N1菌株であるかどうか決定するため、実施されている。科学者達は、H5N1が変異を起こし、数百万を殺す可能性があるパンデミック人インフルエンザを発生させることを恐れている。先週獣医エキスパート達は、以下のEU推薦に合意した:家禽農民は、人インフルエンザウイルス予防接種を受けて、卵生産の減少や増大する鳥死亡率のような明らかな兆候を監視しなければならない。各国は、「高リスク」エリアを正確に明示して、国内家禽を野生の鳥から遠ざける対策を講じる必要がある。各国は、今月末までに取られた対策をブラッセルに報告しなければならない。エキスパート達は、また、抗ウイルス薬剤を備蓄し、鳥インフルエンザの可能な拡大への対策準備努力を強めるように各政府に要求した。

しかし、国際的保健組織が、このたかまる不安にあわただしく反応するなか、新しい心配がトルコで起きている。40羽の鳩が不審な状況で死亡して、その近くの9人の人々が医学観察下に置かれている。アンカラのトルコ医学協会のバシル・ハルク博士はこう述べた:彼等の入院は「警戒のステップ」であり、人への鳥インフルエンザ発病は報告されていない。東南アジアで拡大している危機の大きさにヨーロッパでの不安は高まっている。西太平洋世界健康機関ディレクター、オミ・シゲル、はこう述べた。「東南アジアではこの予測不可能で不安定なウイルスと戦うのには2億5千万ドルが必要である。東南アジアでこれをコントロールするすべての試みが失敗してきた」WHO役員によると、鳥インフルエンザは、ベトナム、タイ、インドネシア、カンボジアの鳥肉にでる疫病で、2003年遅くにそれが出現して以来、これらの国で60人が死んでいて、人での現在の死亡率は50%である。

この間、阻止キャンペーンには障害が出ている。それは主として抗ウイルス薬剤「Tamiflu」の有効性に基づいている。そのメーカーロッシュ社は年末までにこの生産を二倍にする予定である。だが先週科学ジャーナル、Nature、が以下の事を示唆する研究を明らかにした。Tamifluがこの感染と戦うのに必ずしも十分でないかもしれない。ベトナムの患者に於けるこの薬に対する部分的な抵抗を観察した後に、エキスパート達は補足的な治療が必要であるかもしれないことを提示している。EUは十億ユーロを抗ウイルス薬とワクチンを用意する為の危機対策費に当てているけれども、2007年から2013年までのEU全体の予算に合意ができてからしか、それは利用できないと述べている。先週末に英国政府主任医学役員、リーアム・ドナルドソン卿は、こう警告した:「この不可避な鳥インフルエンザは公共の敵ナンバー・ワンである。このインフルエンザはこの冬には攻撃してこないかもしれないが、これが来るのは、何時か、であって、来るかかどうか、ではない」

Author:事務局 : 2005年10月19日 13:15