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2006年04月21日

■アルツハイマー病が水道のアルミニウム汚染と結び付く証拠が出る

1988年に英国北コーンウォルで水道給水に20トンのアルミニウム硫酸塩が事故で投棄された。住民は安全限限度の500倍から3000倍のアルミニウムを含んでいる飲み水に露出された。

死亡した女性の脳の検査結果が発表された。2003年に彼女は脳障害の徴候を示しはじめていた。分析により彼女の脳は1グラムあたり、正常限度2マイクログラムに対し、23マイクログラムのアルミニウムレベルを示した。彼女はアルツハイマー病の希少な型を発症させていた事が判明した。その兆候はベータアミロイド血管障害の一つの型で、脳血管内のベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質が沈着していく

アルツハイマー病が水道水にあるアルミニウム汚染に結び付けられる
The Times April 20, 2006

カメルフォードに居住していた人が死後の調査で痴呆症のまれな型を持っている事がわかった
アルツハイマー病の珍しいケースが発見されて、英国最悪の水質汚染の出来事を再調査することが始まった。2004年に58歳で死んだキャロル・クロスが、アルミニウムのハイレベルにさらされていた事が分かった。それは1988年に北コーンウォルのキャメルフォードの水道給水に20トンのアルミニウム硫酸塩が偶然に投棄されていたからだ。死亡したキャロル・クロスの脳の死後検査が今日発表された。それは、彼女の脳がアルミニウムのハイレベルを含み、痴呆症のまれな型で死んだことを明示していた。この発見事項は、クロスさんの調査会に今年報告されたが、この事件とアルツハイマー病の間のリンクを初めて示したものである。

キール大学のクリス・エクスレイが発見した事柄が「神経学・神経外科・精神医学ジャーナル」で発表された。それはクロスさんのケースについてこう述べている:「それはひょっとしたら偶発の事であるかもしれない。だがそれはとてもありそうではないのだ。この件を確定させるには、私達はそこの人々の健康を知るために厳格な、慎重に計画された監視プログラムを設定する必要がある。これはそこの住民の心を安心させるために必要な事である。キャメルフォードの人々はもう20年間もこの不安が頭にのしかかっている。だがこの出来事が起きて以来彼等の健康に対してはなんらの厳格な調査も監視もされて来なかった。

私達は、アルミニウムが、アルツハイマー病、多発性硬化症、パーキンソン、モーターニューロン障害などのような神経関連病に、結び付いているのを知っている。アルミニウムは、また、骨粗鬆症や血液障害等の骨の病気にもつながっている。体のアルミニウムは老化と共に増大するけれども、クロスさんは短期間に若い時に多量のアルミニウムに暴露されすぎて、彼女を健康の埒外に押しやってしまったのかもしれない。

彼女のケースが明るみに出て以来、神経障害で死ぬか、またはその障害の兆候を見せ始めているキャメルフォードに住む他の人達のリポートが明らかになってきている。私達は、その地域住民の健康の適切な監視計画を組織している過程である。だがそれを実行するには非常に経費が高くなり、たくさんの基金を必要としている。クロスさんの夫ダグラスさん、環境学者、は、こう述べている:「私達は18年に及んでテストを実施する事を要求してきた」彼の死んだ妻に似た症状を持っている他の人達がいる可能性があるが、「誰も見ていない」と、彼は付言した。

クロス夫妻はこの出来事の2年後に、サマセットのダルヴァートンに引っ越した、だが、クロス氏は、ロウアムア地域のサポートグループの長い間のメンバーであった。またこの事件の長期的な健康上の影響を調査するために設定された薬物毒性に関する下院委員会のサブグループメンバーであった。1988年7月の事故以来、キャメルフォードの人々は多様な型のひどい健康状態になり、苦情を訴えてきた。しかし投棄事件との明確なリンクは確立されないままであった。クロスさんのケースも状況を変える事はなかった。だがアルミニウムの高レべルは問題を引き起こしていた。このケースの十分な説明が、今日オックスフォード大学のエクスレイ博士、化学者、およびマーガレット・エシリ教授、によって報告されている。

クロス夫人は、1988年に、安全限度の500倍から3000倍のアルミニウムを含んでいる飲み水に露出された。彼女はその時44歳であった。2003年に彼女は脳の病気の徴候を示しはじめた。分析により彼女の脳1グラムあたり23マイクログラムのアルミニウムレベルが示された。正常な脳のレベルは、脳1グラムあたり0から2マイクログラムまでが正常範囲である。死後検体調査により、彼女がアルツハイマー病のまれな型を持っていることが示された。その状況は、早い時期でのベータアミロイド血管障害の一つの型であり、その特徴は、脳の血管内のベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質の沈着であった。

この調査の二人の筆者は、沈着のその個別パターンは非常に異常であった、と、述べている。彼女の家族の誰も、アルツハイマー病または精神的な問題によって影響されたことはなかった。アルミニウムの高い濃度は、アルツハイマー病患者の脳に「プラーク」になって存在している。しかし、そのアルミニウムがこの病気の原因であるのか、または結果であるのかはまだ確立されていない。健康省に専門委員会が去年こう告げていた:同委員会は、キャメルフォードで遅くれてきた、または固執している健康への影響が出ている証拠は発見できなかった、だがさらに調査をする事を督促する。

ニューヨークのマウントシナイ医科学校のダニエル・パール教授は、ジャーナルにこう書いている:「もしこの2万人の露出された個人達の間でさらなる同様なケースが発症すれば、その時はこの事件の示唆する事は極めて重要になるだろう。時だけがはっきりさせてくれるだろう。少なくとも、キャメルフォードで露出された人達の健康監視へ努力が増大される事は確かに保証されている」

Author:事務局 : 2006年04月21日 09:58