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2006年06月28日

■狂牛病感染拡大の脅威はずっと大きくなるかもしれない 2006.6.26

「クールー」病は人間の神経系統が破壊される「狂人病」の一つである。人食いをするパプアニューギニアの一部の地域で大きな疫病になった事がある。同種の人食い習慣が終わって50年以上の潜伏後に発病者が出ている最近の研究が医学誌「ランセット」に発表された。牛から人への異種間感染の「狂牛病」の場合もっと長い潜伏期間、したがってもっと大規模な感染拡大の警鐘が鳴らされている。

-狂牛病の脅威はずっと大きくなるかもしれないとエキスパート達が述べている-
英国の科学者達はこう述べている:人は、病兆を見せずに、50年以上人型狂牛病に感染していることがありうる。それは、潜在的なこの疫病の大きさが過小評価されている事を意味する。

英国の約160人が、通称狂牛病、異型クロイツフェルト-ヤコブ病、であると診断されてきた。また患者が、フランス、イタリア、アイルランド、オランダ、カナダ、日本、合衆国でも報告されている。牛の脳海綿劣化神経症に汚染した肉製品を食べることによってどのくらいの規模の感染者数がでるかについての予測はまちまちである。

狂牛病の長い潜伏期間は科学者が考えるところでは、最高20年にもなる場合がある。しかし、ロンドン大学のユニヴァーシティーカレッジ教授ジョン・コリンジと研究者達は、それがもっと長くなるかもしれず、その結果発症する伝染病はずっと大きくなるかもしれないと、信じている。彼は24日に「ランセット」医学専門ジャーナル、のリポートでこう述べている:「vCJD疫病の規模に関して最近出されている見積りは、実質的に過少評価されたものである」この科学者達の発見事項は、「クールー/kuru」と呼ばれる別の人の病気に関する研究に基づいている。クールーは、「vCJD」のように、変異したプリオン脳たんぱく質によって起こされている。

クールー病は、パプアニューギニアの一部の地域で疫病といわれるほどの大きな規模に達した事があった。それらの地域では、人肉を食べる事が1950年代まで行われていた。それは儀式のなかで土着人が死んだ血縁を尊敬の印に食べていた。コリンジと彼のチームはクールー病の最小の潜伏期を算出した。それはこの人食いの慣習が終わった時と、この疫病の最後の患者が出た年の調査に基づいている。この研究者達の計算では、最短の潜伏時間は、34年から41年間になり、だが、男では、50年以上に及んでいた。彼等はこう考えている:vCJDの場合はもっと長くなるのではないか。なぜなら、その感染は、牛から人という異種間で伝染が起きているからだ。他種間の感染は、通常同じ種の間の感染より長くかかるものである。

Author:事務局 : 2006年06月28日 15:41