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2006年06月08日

■インド農業の「緑の革命」は終焉しつつあるのか?

多くの農民が食糧自給を担った主食作物から換金作物に転換している

インドの「緑の革命」は終わりなのか?
多くの農民は利用できる水が減少しているのを見ている

インドの「緑の革命」は、国家がその人口に十分な食物を生産するようにさせてきた。しかし40年がたって、この革命は破滅しつつあるのか?この「緑の革命」は、基本的な食用作物を自給自足させる、意図的な、全面的な試みであった。40年間、飢饉で悪名が高かったこの国は、その容赦のない人口増加にもかかわらず、食を自給できるようになってきていた。しかし現在はどれほど長くこの状況が続くことができるのか、について疑念が起きている。インドが近代化を追求するにつれて、小麦畑と水田は時代遅れになっているのかもしれない。インドの田舎事情の主導的な権威である、インドの作家、Palagummi Sainath、は「BBCワールドサービス1つの惑星プログラム」にこう述べている「インドは、今日、緑の革命の前夜以来、最大の農業危機と私が呼びたい状況に向かっている」

彼はこう述べている:「その兆候は多くの点で明白である。この数十年で農業生産は最低の成長いレベルである。これは始めて人口増加率が農業生産成長率を越えている。私達がこの件でデータを取り始めていらい、インドの田舎では、これまでで雇用率は最低のレベルである。数百万人の人々が町や都市に移住していき、仕事を探しているが、仕事はない。作業所は閉じられ、工場は閉鎖されて、数十万の「ユニット」が止めてしまっている。混乱のためのひどいレシピができている。この混乱はまったく政策によって突き動かされている。それは干ばつにも自然の大災害にもほとんど関係がないものである」

転換が起きた点

1968年の「緑の革命」はこう述べている:年間の小麦生産は、実際一夜で、1000万トンから1700万トンまで上昇する、そしてそれは7300万トンを示すポイントまで増大を続ける。しかし、先月のチェナイ港に「Furnace Australia」という船が到着してインドの転換点が劃された。この船は、オーストラリアからの50万トンになる小麦の最初の荷を運んできた。全体で、インド政府は、減少する備蓄を押し上げるため、今年小麦300万トンを輸入しようとしている。政府はこの輸入の必要性を昨年の悪天候によって起こされた貧しい収穫においている。

しかし批判者達は、問題はそれよりずっと深く、主食作物ではなくコーヒーや綿等の「換金作物」を自分の農地で育てるインドの農民に根ざしていると、信じている。特に、小麦で生計をたてるのがだんだん困難になってきていている。特にこの問題は、インドの小麦生産の60パーセントを占めている2つの州、ハリヤナとパンジャブで、厳しくなっている。小麦栽培から切り換えた農夫、アニル氏は、「私達は小麦や米からは収入はないが、キノコ栽培では、よい価格を得ている」と言った。「私達が小麦を育てている時には、状況は本当に悪かった。私達は何も得なかった。しかし、キノコ栽培では、私達には利益がある。 1エーカーのキノコで10エーカーの小麦と同じお金を得る事ができるのです」

米と小麦に興味がある農民はずっと少なくなってきた
政府の弁解:『危機は見えない』

伝統的にインドの「パンかご」と言われるハリヤナでは、別の農民の家族は、同様な話をしている。栽培作物を転換させたTejpal Chohan、農民家族の一人、は、こう述べている「水のレベルが下がってしまった。私達は十分な水を畑地に引けないのです。そこは砂漠になってきている。水田の作物はまた善い品質ではない。現在、農民はこの地域の新しい作物、キノコとスイートコーンを選んでいる。状況はすべての農民とっては同じです。現在は明確に違いがあるのです。キノコとベイビーコーンにおいて、私達は1年で3または4回の作物を得ます。小麦と米では、私達は季節で一回の作物を得るだけです」

しかし、Palagummi Sainathは、以下の警告をした:「この経済議論は有無を言わせぬものに聞こえるかもしれないが、それは潜在的に『破滅的なものである』。インドの外の多くの国がインドに自国の気候で栽培できない種類の作物を育てさせたいだろう。それらの国では、コーヒーとコショウをその気候下では育てることができない。しかし、インドの食物作物は衰退している、さらに飢えは増大している。換金作物のインプット・コストは食物作物よりずっと高い。最悪事態が最悪事態に来る時には、人は食用作物を食べることができる。人は綿を食べることはできない」

しかし、ハリヤナの主任大臣、ブピンダ・シン・フーダは、政府が州が活動分野を多様化するのを切望している事を強調している。彼はこう言った:「インドは広大で、巨大な国であり、私は小麦生産に何ら低下があるとは思わない。 私達は第二の革命に向かっているのです。我が国の農民は非常に勤勉で、政府の方針は非常によい。私にはどのような危機も見えない」

Author:事務局 : 2006年06月08日 09:40