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2007年04月23日

■第2回WHO協議会の要約

インフルエンザA(H5N1)ウィルス人間感染の臨床局面に関する第2回WHO協議会の要約。

世界で鳥インフルエンザの人間感染と犠牲者が着実に増大するなかで、世界の科学者や防疫に従事する専門家の国際研修会議がトルコで開催される。インフルエンザA(H5N1)ウィルス人間感染の臨床局面に関する「第2回WHOコンサルテイション」の要約と医療対策を報告する。

インフルエンザA(H5N1)ウィルス人間感染の臨床局面に関する第2回WHO協議会が、2007年3月19日から21日、 トルコ(Turkey)のアンタルヤ(Antalya)で開催された。2005年5月にハノイ (Hanoi)で最後に開催された会議以来、8つの新しい国が鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスによる人間感染を報告している。臨床医、疫学者、ウィルス学者、人間発症が出た国の公衆衛生専門家、肺炎医学と危機ケアとインフルエンザのエキスパート達、が、彼等の経験を共有するためこのミーティングに出席した。

会議参加者達は、医療ケアを標準化すること、即座に臨床と治療インフォメーションを共有することが、人へのこの疫病を理解し、臨床上のマネージメントを改善する為に、事態を左右する重要性があるということに同意した。

観察された事と経験された事が、未公開のデータを含めて、会議中に参加者によって共有された。H5N1に罹病した患者のマネージメントに関するいくつか出た結論が現行のWHOガイダンスの中身を、支えたり、また拡大させている。

初期のオセルタミヴィル(oseltamivir)治療の経験が、H5N1関連の死亡率を減少させることで、有益である事を示している。さらに加えて、長期のH5N1ウイルス再生の証拠から見て、治療する事が、遅れた症状(プレゼンテーション)の場合でも、有効さを保証することを示している。

前に述べたように、「 oseltamivir 」治療の修正投薬が考慮されてよいだろう。それは、2倍に強めた服用量を含めて、より長い服用期間にし、アマンタジン(H5N1ウィルスがアマンタジンに弱い国では)を併用する治療法で、肺炎が出たあるいは病状が進んだ患者で、場合、場合によるが、考えられるものである。理想的には、これは将来のデータが収集された状況で、実施されるべきである。

コルチコステロイド治療はこれまでのところ有効性を示し得ていない、そして長期服用、あるいは高服用量は、場当たりな感染を含めて、 H5N1患者に重大な悪い結果をもたらすことになりうる。コルチコステロイドは、副腎不全が疑われる執拗な敗血症ショックは別にして、定期的に使われるべきではない。

抗生物質による予防は用いられるべきではない。肺炎が起きている時は、抗生物質の治療は、発表された証拠に依拠したガイドラインによれば、共同体で罹っている肺炎には、当初適切である。微生物学的研究の結果は、入手可能であれば、A(H5N1)感染患者に抗生物質の使用をガイドするために、応用されるべきである。

H5N1関連のARDS(acute respiratory distress syndrome急性呼吸窮迫症候群)への治療法は、特に低換気量の肺保護機械換気を含み、敗血症関連のARDSへ発表されている証拠に依拠するガイドラインに、基づくべきである。この会議の傍聴記録は、H5N1臨床マネージメントに関する最新WHOガイドラインとして、詳細な形で発表されるであろう。それに続き、科学関連文献で同輩によって検討された論文のかたちで、会合の要約が発表されるだろう。

Author:事務局 : 2007年04月23日 16:57