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2007年07月31日

■米国工場型養豚場の排泄物利用

米国クリントン(CLINTON)発-10,000頭以上の豚を収容する工場型農場で、豚の排泄物溜め池を覆っている黒いプラスチック防水幕は、これまでにない利用の機会で夢が膨らんでいる。
肥え溜め覆いの下にはメタンガスが発生している。これは排泄肥えが分解していくにつれて湧き上がってくる。それは強力な温室効果ガスで地球大気にある熱を取り込んでしまう。

しかしメタンはまた、焼却装置に燃料を提供したり、あるいは電気を発するタービンを動かす事ができる。温室効果ガスを削減し、しかも収入を産み出すためこの可燃ガスを使う展望が企業家や農業関連会社から興味をひきつけている。

スミスフィールド食物会社(Smithfield Foods)の子会社、マーフィー-ブラウン(Murphy-Brown)は、メタンの可能性を探究するため、サンプソン郡にある「カンパニー農場2039」に7エーカーの溜池の20パーセントを囲い込むのに約120,000ドルを使った。

マーフィー・ブラウン社の政府関係部長、ドン・バトラー(DonButler)はこう述べている:

「我々は我々の農場からでるエネルギー生産可能性を充分に理解することを望んでいる。メタンは我々が短期達成の可能性があると信じているものである」

米国全体では覆われた家畜排泄物溜池は稀であるが、ガス排出制限している一部の州ではよく見られるものである。もし、専門家が予想するように、米議会が次の数年内に温室効果ガスに上限枠を課すなら、・覆われた家畜排泄物溜池はまた米国でいっそう普通になるかもしれない。

それは「炭素」節約を生むことになるかも知れない。それは温室ガス排出削減に数値を与えて、そのような削減の為に「クレジット」市場を生み出すかもしれない。先月、アメリカ電力(American Electric Power)、米国最大の発電会社、が、バージニア州からオハイオ州に及ぶ11の州で約200の農場の畜産オペレーションからでるメタンを補足する初の大規模プログラムを発表した。

一部の環境保護活動家達は、メタンを補足するために部分的に排泄溜池を覆うことは、1つの問題を取り組むことにしかならない、と、述べている。それは、長い間工場型農場で問題である悪臭、アンモニア排出、その他の汚染のような問題には取り組む事にはならない。

全米の運動団体、環境防衛(Environmental Defense)ノースカロライナ・オフィスの上級科学者ジョー ルーデック(Joe Rudek)はこう述べている:「我々は産業界がそのルートをとっているのを大いに心配している。人がメタンを集めるとき、人は廃棄物の炭素に取り組んでいるだけである。多くの問題は他の汚染物質から来ているのである」

今の所では、マーフィー-ブラウン農場で補足されるガスは、週に2頭から6頭の死んだ豚を焼却するために焼却装置に点火するのに必要な時、ポンプで取り出されている。その残りは処分で燃やし尽くされて、二酸化炭素を発生させている。そのガスは、温室効果発生物としては、メタンよりは、ずっと有害さが少ないものである。

やがては、バトラー氏は言う、会社の役員達は、諸施設に売る為、メタンから電気を生産することを望むだろう。立法府の人達は、50の農場で捕捉するメタンから最高25メガワットを発電する試験的プログラムを作る法律を先週承認することでこのコンセプトを奨励した-その総電力は15,000の家庭に電力を供給するのに十分な量である。

ノース・カロライナ州は全米で2番目に最も大きな養豚州で、主に東部ノースカロライナで、2,300の農場で9百万頭以上の豚を飼育している。企業家達は、それらの農場からでる廃棄物を利用する事で、炭素節約に参加する機会であると見ている。

ペンシルベニアに拠点がある金融市場への環境クレジット供給社、環境クレジット(EnvironmentalCredit)のスコット・サブラ(Scott Subler)会長は、ノースカロライナ州で先週養豚業者を説得して数日を過ごした。彼は彼の会社が排泄物溜め池に、防水覆いを設置させてくれる農民を探していた。

6月に、「環境クレジット」は温室効果ガス排出を減らすためニューヨークの酪農場とノースカロライナ州の養豚農場で覆いを設置する為、米国農務省から百万ドルの交付金を受け取った。

サブラ氏はこう述べている:彼の会社がノースカロライナで8から10の農場と10年契約を結び、そして交付金百万ドルと個人の金を投資することを望んでいる。「我々が農場に入って、超強力プラスチック覆いで排泄物溜め池を塞ぎその費用を払いたい、そして、農民達は保証された年度の支払いを受けとる事になる」と彼は述べた。

その捕捉される温室ガス排出はエンジニアによって導かれて、数学的に炭素クレジットに換算される。それは捕捉された温室効果ガス各トンに金額がつけられる。そのクレジットはシカゴ気候取引所(Chicago Climate Exchange)で温室効果ガスを売買する民営機関で売り買いされる。それは家畜のような商品を売買するのと同じである。環境クレジットはクレジットの価値が期間がたつと上がることを期待している。

デューク大学も、ロンドン ベースの投資会社、デューク・エネルギーと協力して、また関係してくるかもしれない。彼らは養豚農場を選別しようとしている。その養豚農場は温室効果ガスクレジット、再生可能エネルギー、また他の廃棄物の販売で民間投資をひきつけて、豚の排泄物溜池をもっと良い廃棄物処理システムに換える事に投資したくなるものである。

デューク大学ニコラス環境政策解決研究所のビル・ホールマン(Bill Holman)はこう述べている:「我々は機能するかどうか見る為に技術を選んでいるのではないのです。我々は技術の全構成を見ようとしているのです」

研究者達はこう述べている:十分に覆われた排泄物溜池は、悪臭とアンモニア排出を減らすのに役立つ、だが、排泄物を充分に処理した後で、メタンから電気を生むような一部の革新的な技術には及びつかない。部分的しかカバーされていないものはそのような付加的な恩恵は持てないようである。

ノースカロナイナ州立大学動物家禽ウェイスト・マネジメントセンター所長のマイク・ウィリアムズはこう述べている:多数の養豚農場が、新しい処理システムが経済的に可能になるまで、その無蓋の排泄物池を取り替えるのを期待するのは妥当ではないだろう。

またウィリアムズ氏はこうも述べている:ガス排気を捕捉することは、たとえカバーが他の汚染物に対処できないにしろ、肯定的な段階である。ノース・カロラナナ州の養豚農場から出るメタンを捕捉することは、もし皆が参加すれば、約50,000の家庭に電力を供給するのに十分な電気を産み出すことができる。我々がまた、重要な心配である温室効果ガスを減らす機会を持つには、私はそれがなすべき良いことであると思う。

Author:事務局 : 2007年07月31日 10:00