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2008年01月30日

■マグロに危険な高レベルの水銀が検出されている

ニューヨークに多くあるすし屋で出されるマグロに含まれる高い水銀レベルについて最近報告が出された。だが世界第一のすし都市である日本では国民全体は動じていないようである。

もし水銀の濃度が百万につき0.4パーツを超えるなら、規制法が多くのタイプのシーフードを禁止している。ずっと危険な水銀の派生物、メチル水銀に対しては限界は0.3ppmである。

この限界は、水俣での工業水銀中毒勃発後に1970年代に設定されたものである。この事件では1950年代と60代に何千人もが病気になり、ひどい胎児への先天性欠陥を引き起こした。

水銀の微細な量は、自然にも起きるのだが、ほとんどすべての魚と貝類に見いだされている。水銀は、生物に、それが他の魚や貝類を食べると、累積していく。従って普通長く生きる大型の捕食生物はより高いレベルの水銀を持っている事になる。

マグロに含まれる水銀に関してはどんな規制も無いのだが、関連当局は周期的にマグロをチェックしている。東京に拠点がある業界団体、「責任あるマグロ漁業推進組織/Promotion of Responsible Tuna Fisheries」によれば、日本は、世界中の他のどの国よりも多くの、年におよそ450,000トンのマグロを消費している。

例えば、2005年の健康(関連)省(Health Ministry)の調査では、黒マグロに水銀が平均0.7 ppmが検出された。そして検出された最高の濃度は驚異的な6.1ppmであった。これは他のシーフードの規制量の15倍になっている。

(日本)政府は妊娠している女性達と幼い子供達に消費を制限するよう警告する助言を出している、しかし水銀は当局官吏達には高いプライオリティではないように思われる。

「我々は妊娠している女性達は危険性が高いグループになると思う、しかし、一般の人達はバランスがとれた、健全なダイエットを続ける限り、問題がない」、と「ユイチロウ・エジマ」食品安全担当官吏が述べた。

この周到な見方は、狂牛病に関する日本の消費者の不安とは、対照的なものである。米国の牛の群れにたった一件の発病が出た後、東京はアメリカ牛肉の輸入を2年間シャットダウンした。

南部日本にある熊本大学の水銀エキスパート、「シゲオ・エキノ」はこう述べている:消費者は、水銀に関してもっと注意深くあるべきである。なぜなら、どれくらい少量の水銀が神経障害を起こすのかは明確ではないからである。

「エキノ」氏は彼が調査した水俣病の犠牲者の兆候を引用しながらこう述べている:「しかし水銀の摂取が有害であり、そしてやがて脳組織を破滅させることには疑いがない。我々はマグロの消費を可能な限り少なくすべきである」

「ニューヨーク・タイムズ」紙は先日の記事でこう報告している:「地元のレストランとストアから採取された44の寿司のサンプルの8つが1ppmの水銀濃度を持っていた。この濃度は米国食糧医薬品局がマーケットから魚を除外することが許されるレヴェルである。

ニューヨーク市健康省(The New York City Health Department)は、ニューヨーク市成人のうち4人に1人は血液の水銀レベルを高めていることを示し、それが魚の消費に密接に結びついているという、調査結果を7月に発表していた。

「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事がでた後、健康省の報道官は、マグロの寿司についてニューヨーク市民へのアドバイスは変わっていないと言った。同省は住民を安心させるステートメントを発表しこう述べている:「誰も魚を食べるのをやめる必要はない、しかし一部の人々は食べる魚のタイプと量を変える必要があるかもしれない」

Author:事務局 : 2008年01月30日 12:50