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2008年05月07日

■23年前化学工場で起きた死の薬物爆発で子供の被害がまだ続いている

中央インドのボーパル(Bhopal)町で23年前に起きた世界最悪の工業大惨事の結果として、何百人という子供達が先天性欠陥を持ってまだ生まれている、と子供を守る運動を続けている人達が述べている。彼等はインド政府が直ちに医療を提供して、そして「隠されている」健康への障害を調査することを要求している。

20年以上前に、毒ガスの白い大煙幕がアメリカの多国籍企業ユニオン・カーバイド(Union Carbide)社の殺虫剤工場から噴出した。そのガスはその夜に5,000人、そして次の週間にもう15,000人を死亡させた-そして医者達はその後新しく生まれた世代にも障害が起きていると言っている。

この大惨事の本当の残留被害がやっと今明らかにされている。インド政府は14年前に、なんらの説明もないままに有毒ガス雲の医学的被害の全研究を中止させた。犠牲者の子供達が保険の適用を受けることを命令している国の最高裁判所の裁定にもかかわらず、10万人以上の子供が医療保険の適用がないままである。

犠牲者更生を援助している「サムバヴナ・トラスト(Sambhavna Trust)」のサティナス・サランギ(SatinathSarangi)は、ボーパルの犠牲者の貧困と低い社会的地位が理由で援助する用意がある人達はほとんどいない、と、言った。誰も惨劇が起きた場所をきれいにして、そして医療費用の高いコストを支払う責任をとっていないと、彼は述べている。

「なぜならこれらの人々は貧しいか、あるいは少数派か、あるいは低いカースト制度の人間であるので誰も気にかけていないように思われる。彼等の生命と彼等の子供達は、産業進歩の名目のために犠牲にされている、と、サランギ氏は言った。この毒ガス雲で影響を受けた共同体で生まれた子供達に対する毒ガス害を調査している医療専門家達は、「子供達への否定的効果が増大するチャンスには疑いがない」と言った。

アメリカ医学協会(American Medical Association)による2003年の研究は、ボーパル殺虫剤工場からのガスに、よちよち歩きの子供時にさらされた少年達、あるいは毒ガスにさらされた親から生まれた少年達は「成長停滞」に陥りやすい事を、発見している。

活動家達は先月ボーパルから500マイルを行進して、そしてインド政府が行動をとるまで、デリー市で抗議の座りこみを誓っている、また「先天的出生欠陥」を持って生まれた子供たちがいる家族への補償のため新しい闘いを強調する記者会見を開催した。

被害者の母親の1人、ケサール・バイ、は、彼女の腕に12歳の息子を抱いていた。彼女は1984年に有害な煙幕を吸い込んで入院していたが、回復した。彼女の息子、スラジ、は、脳障害を持って生まれた、そして座る事も、話をすることもできない。

「私の夫は労働者です。我々は我々の息子に使う金を持っていない。息子は独りで食べることすらできない。私はガス犠牲者であるから、呼吸障害症に対して無料の治療が受けられる。私の子供は何も助けも受けられない。しかし彼はこれまでずっと障害を受けているのです」と彼女が言った。

他の子供達にもこれまで成長阻害が起きている、なぜなら、首相が出した2006年の約束にも拘わらずボーパル工場プラントのクリーンアップがこれまでなかったからだ、と、活動家達が述べている。これまでのところプラント除去と安全化のためには当用基金の20%以下しかあてられていない。

使われなくなったユニオン・カーバイド工場はおよそ8,000トンの発がん性化学物質を含んでいて、さらに漏洩があり、30,000人の地元の人々によって使われる給水を汚染している。このクリーンアップは、企業責任に関する官僚的無関心、訴訟、紛争が重なって停滞している。

2001年にユニオン・カーバイドを買収したダウ・ケミカル(Dow Chemicals)社は、プラントがインド政府の土地上にあるから、それをクリーンアップすることは国家の仕事であると論じて、責任がないと述べている。しかしインド政府の化学薬品肥料省は、工場を取り除いて、現場を復元するために、ダウ社が10億ルピー(1300万ポンド)を支払うべきであると法廷で述べた。

-この事件の背景-

1984年12月2日に、ボーパルで眠っていた市民はアメリカ多国籍企業のユニオン・カーバイドが所有している農薬工場から噴出してくる有毒ガスの死の煙幕によって包まれた。このガスはイソシアン酸メチルであった、そしてそれは吸い込まれると、内臓、特に肺を攻撃して、極度の酸性反応を生み出す。これは酸素が血に入るのを阻止して、犠牲者は自身の体液に溺れる状態になる。インド政府はまだウォーレン・アンダーソン(Warren Anderson)、ニューヨークとフロリダ州に引きこもって低姿勢を取っているユニオン・カーバイドの前最高経営責任者を追いかけている。ユニオン・カーバイドは1989年に法廷外和解でインド政府に4億7千ドルを一括して払った。 この金が2005年に57万人の被害者に分配されたとき、ほとんどの受取人はかろうじて600ポンドの金額以外は何も受けとらなかった。ダウ社は世界最大の化学薬品会社の1つで、2001年にユニオン・カーバイド社を買収した。活動家達は当時ボーパルの血だといって、ムンバイにある同社のオフィスを赤いペイントで塗った。ダウ社はボーパルのプラントを所有した事もないし、経営した事もないので、1984年に起きた事故には責任がないと述べている。

Author:事務局 : 2008年05月07日 17:30