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2008年07月03日

■科学者達は衰退しているペンギンは海洋汚染への警告だと告げている

ワシントン発:行進するペンギン達の数が減少している。これは世界の海洋がひどい状態になっている事を合図している、と科学者達が今言っている。
ペンギンは、炭坑のカナリアのタキシードを身につけたバージョンであるかもしれない、地球温暖化、海洋オイル汚染、取り尽くされた漁場、観光事業と開、が重なって、ペンギンの集団は全体に病んでいると、新しい科学的な調査論文が伝えている。

ワシントン大学(University of Washington)の生物学者が遠隔地にいるペンギンの棲息群の世界中での問題を詳述している。そのペンギンの衰退ぶりを南方海洋の全体的な悪化した状況に結びつけている。「世界で最も遠方の場所で、人間が起こした温暖化と汚染の効果を今や我々が見ているのだ。」と、環境保護生物学者P・ディー・ボアスマ(P. Dee Boersma)が、「バイオサイエンス」誌の7月号で発表された論文で述べている。

「ペンギンは人々にそれほど近くないから、多くのペンギンは安全だろうと我々が考えていた。ところがそれは真実ではなかった。」科学者達はペンギンには16から19の種類がいると考えている。そのおよそ12種類がある形の困難に直面している、と、ボアスマが書いている。少数のペンギン、例えば南極大陸北部にある島の皇帝ペンギン、は、頭数が増えている、と、ボアスマは言う。自然保護国際組合 (The International Union for the Conservation of Nature)は、ペンギンの3種類を絶滅危機、7種類を危うい状況に、あげている、それはペンギンが「野生で絶滅の高い危機に直面していることを意味していて、またさらに2種類が脅威にさらされている。約15年前には5から7のペンギンの種類だけが弱い立場にあると思われていたと、専門家達は述べた。

さらに「合衆国魚類野生生物局」は、すでに絶滅危機リストにペンギンの1種類をあげている、そしてあともう10種類をリストに入れなければならないかどうか調査中である。世界で最も大きいパタゴニア・ペンギンのコロニーは、アルゼンティン、プンタ・タンボ(Punta Tumbo)にある。しかしそこの繁殖するペアの数は1960年代後期の約400,000から半数になって、2006年10月で約200,000に減少していると、ボアスマが報告している。

1世紀にわたって、アフリカのペンギンは150万繁殖ペアから63,000まで減少してきた。全体的な衰退は1つの要因だけではなく、いくつかの要因によって起こされている。氷を愛するアデリーペンギンにとっては、西の南極半島での地球温暖化は悪条件で、食物を見いだすことがずっと難しくなっている、と、フィル・ツラサン(Phil Trathan)、英国南極調査(British Antarctic Survey)の保護生物学主任、が述べている。彼はこの新しい報告には役目を果たさなかったが、世界でトップのペンギン科学者である。

ガラパゴス(Galapagos)島に住んでいるペンギンにとっては、エルニーニョ天候パターンは問題である、なぜならより暖かい水が、ペンギンを食物のためにずっと遠くに移動させ、ときにはひよこを捨てて行ってしまう、と、ボアスマが述べた。1998年の記録的エルニーニョ現象の終わりには、雌のペンギンは標準的な体重の80パーセントだけになっていた。科学者達は気候変化をずっと強力なエルニーニョ現象に結び付けている。

石油の流出は、ウルグアイ、アルゼンチン、ブラジル、の沖で、ペンギンが棲息している海域を決まって汚染させている、そしてそれがプンタタンボのペンギン衰退に寄与したと、ボアスマが述べている。

これらの問題は場所によって異なっているかもしれない、しかし全体的な種の頭数を見れば、「それは明確なメッセージを与えている」、と ツラサン氏が言った。そしてこれはただペンギンの運命についての話ではない。「ペンギンに起こっていることは、数年たてば多くの他の種、そしておそらく人間にも、起こりうることである」、と長年のペンギン研究のエキスパート、スージー・エリス(Susie Ellis)、今は「国際ライノ財団」(International Rhino Foundation)理事長が言った。

Author:事務局 : 2008年07月03日 17:13