第16回BMW技術全国交流会」が開催されました(1)

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 11月17日、18日の二日間、「第16回BMW技術全国交流会」が、『~BMの原点に戻る~地域の土と水の再生を』をテーマに石川県加賀市で行われました。今回は「第2回アジアBMW技術交流会」を兼ねて行われ、韓国、タイ、フィリピンから発表者、参加者が多数集りました。日本各地からも多くの会員が参集し、約250名が熱心に発表、講演等に耳を傾けました。

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 BM技術協会の長崎浩会長が「BMW技術の概要と今後の展望」と題して、生物活性水を例にBMW技術の原理や利用分野を説明し、また生物とミネラル、土壌腐植の関係についても分かりやすく解説しました。

 BM技術協会の石澤直士理事長からは、基調報告が行われました。畜産の悪臭・公害対策から始まり、畜産糞尿を資源に変え、地域循環型の農業、そして水源地の水を守る活動を展開してきたBM技術協会の活動の経緯が紹介された後、今交流会をBMの原点に戻り、資源と人間の輪と技術が循環する社会『地域ミクロコスモス』を目指し、地域の土と水の再生を図っていく契機としたいとの表明がありました。そして、今後の取り組みとして、流域という観点から農村、都市住民が連携してBMW技術を生かし地域の土と水の再生を進める必要性などを訴えました。


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 基調報告に続き「地域の水を再生する」をテーマに発表が4つ続きました。農業集落排水にBMW技術を導入し、悪臭防止、汚泥の減容に大きな効果をあげた事例が、㈲北陸自然学研究所の佛田利弘代表取締役から「農業集落排水処理改善で、排水を生態系の水に」と題して報告されました。

 ㈱匠集団そらの星加浩二プラント事業部長は「BMW技術によって流域の水環境を守る」と題した発表を行い、BMW技術を導入した食品加工場の排水処理施設、畜産排水処理施設、中水利用施設、農業集落排水処理施設をBODの減少を数値で示しながら紹介し、これまでの成果を報告しました。


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 島根県池田農場の池田健二氏は「農と暮らしが調和したエコライフ」と題した発表を行いました。池田氏はトイレなど家庭の排水を原料にしたBMW生物活性水プラントを導入し、家庭排水を出さない暮らしをしているだけでなく、環境に負荷を与えないよう、太陽光発電、ハイブリッド車などを暮らしに組み入れています。

 関西の生協の組織WILLネットの石けん委員会は、今年行った生物活性水の家庭でのモニター調査の結果を「環境に負荷をかけない暮らしとBMW技術」と題して発表しました。調査は、お風呂、洗濯、台所、と3つに分けて行われました。お風呂では、残り湯の臭いが減少したと感じた人が多くいました。洗濯では排水ホースのぬめりの減少に大きな効果があったようです。台所では排水口の臭いを感じなくなったとほとんどの人が感じるほど大きな効果があったという報告でした。


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 開催地、北陸の岩石をテーマに「日本列島の形成と北陸地方の岩石と水」の講演が、名古屋大学教員、奥地拓生氏によって行われました。日本列島が花崗岩を主体にしてできている事の意味や花崗岩に凝縮されたミネラルが長い時間をかけて水に溶け出し、植物、動物の体を通り海に還り循環している事、BMW技術は岩石からミネラルが溶け出すプロセスを早回ししている技術である、と奥地氏は説明しました。


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 海外からの事例研究発表も4例行われました。「タイにおけるBMW技術の普及」と題し㈱パシフィック・トレード・ジャパン、木村俊夫氏が発表を行い、養鶏場に作られたデモプラントと堆肥センターの紹介、広がりつつある養鶏、養豚場の飲水改善プラントの報告、養豚場の糞尿から作った堆肥がバナナの生育に効果があった等の報告がされました。

 タイ農学局穀物調査研究所、チュッティマン・パーニッサックパタナー氏からは「BMW生物活性水を用いた緑豆栽培実験」と題した発表が行われました。3年間続けられてきた生物活性水を使った緑豆の栽培実験で、生物活性水が炭腐病を抑制する事、緑豆の生長を促進させる事、土壌中の細菌数を増加させるという効果が認められた事が報告されました。


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 フィリピンからの報告は「フィリピンにおけるBMW技術について」と題して日本ネグロス・キャンペーン委員会ネグロス駐在農業指導員、吉永紘史氏が行いました。生物活性水を用いた種子浸水や育苗時の生物活性水散布の実験の様子が紹介され、明らか違いが見て取れました。しかし、土壌の条件が悪く最初の土づくりの所から解決していかなければならない現状などが報告されました。

 韓国のイ・ヒョンボク氏からは「BMW技術を通して家畜と友達になること」と題して報告が行われました。首都圏の水源地として各種環境規制をクリアーし、かつ飼育環境の向上によって家畜の福利を増進するためBMW技術を導入した事、韓牛を飼育している環境にやさしい畜舎やレストラン、カフェが併設されているダンノモ農場の紹介や同農場でのBMW技術の活用方法、イ氏の「家畜をお金に見ないで生命体としてみよう」という家畜に対する考え方などが発表されました。

Author 事務局 : 2006年11月22日11:59

第16回BMW技術全国交流会」が開催されました(2)

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 パネルディスカッション「新しい生産者会員のためのBMW農法に関する初心者講座」は、『生物活性水の使い方』を題材に、BMW技術に取組んだ経緯などがパネラーから報告されました。長崎会長が司会、石澤理事長がコメンテーターを務め、パネラーに清水澄常任理事(清水牧場)、押田明理事(綾豚会)、高草木理事(白州郷牧場)、豊下勝彦理事(ポークランド)、山本優作理事(夢産地とさやま開発公社)の各氏が、BMW技術に出会ったきっかけ、BMW技術に取り組んだ目的、導入後の変化や生物活性水の利用方法などについて報告しました。

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 韓国の金美京教授(嶺南大学校海洋科学研究センター)は「微細藻類の高効率培養を助けるBMW天然キレーティング剤の効果に関する研究」と題して、研究の発表を行いました。微細藻類の培地に生物活性水を添加すると、細胞の生長や光合成能力が高まり、かつ、その培地で栽培した藻類は機能性食品として、抗ガン効果がある事、また、生物活性水はキレート剤(EDTA)の天然代替物質となる事が報告されました。

 山梨自然学研究所の西村美香氏からは、昨年の韓国の金教授の発表をヒントに山梨大学の御園生拓教授と共同で進められている生物活性水によるクロレラの培養実験について、「生物活性水による単細胞緑藻クロレラの培養」と題して、研究発表がありました。生物活性水は合成培地に比べて生長が遅いがクロレラは十分に生長する事が分かり、今後は実用化に向けた大量培養システムを構築し、養鶏飼料としての有効性についての試験を行うとの発表が行われました。


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 昨年からBM技術協会会員産地で取り組まれている~自然学を実践する~「土と水の学校」の報告は昨年の全国交流会に続いての報告となりました。

 はじめに礒田有治BM技術協会事務局長が、これまで耕作でのBMW技術の活用は、土壌の物理性、生物性についてはBM堆肥と生物活性水で対応できるが、土壌の化学性の改善については不十分だったと課題を示し、この課題を中心に「土と水の学校」を開催してきたと説明しました。「土と水の学校」講師の小祝政明先生からは、「BMW技術と有機栽培理論」と題して、植物生理の解説、BMW技術を用いて作られた堆肥に足りないミネラル分を加えることで理想的な栽培体系ができあがる事、等が解説されました。また、植物生理に基づいた化学性の課題を解決すれば、日本の有機農業技術の中で、BMW技術は有機栽培技術の確立に最も近い所にある技術と評価しました。


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 秋田県の十和田湖高原ファームとJAかづのは、キュウリの多収生産をテーマに取り組みを発表しました。十和田湖高原ファームでは初期成育は非常に順調だったものの、追肥の仕方で失敗し思った通りの結果は出せなかったが、こうした問題をクリヤーすれば多収穫が達成できるとの感触を得たことが報告されました。JAかづのではキュウリの一節からほとんど2本以上の実がなり、全体的な良品率も向上したという報告が行われました。

 山形県のファーマーズクラブ赤とんぼでは、米の多収、高品質、高食味生産をテーマに取り組みました。低温のため初期の生育が遅れたが、実験圃場の収量は10俵と良く、取り組んだ生産者の食味も全体的に良かったことが報告されました。また、来年の課題として、雑草対策をどのようにしていくか、等が上げられました。

 新潟県の謙信の郷も米の多収、高品質生産をテーマに取り組みました。謙信の郷ではこれまでのアイガモ、米ぬか除草などの有機栽培技術に今回の土壌分析に基づく施肥管理を取り入れ、それぞれの有機栽培技術ごとに収量、食味の比較などを行いました。発表した金谷武士は「多収しても極良食味を実現できる確信をもてた」と発表を締めくくりました。

 茨城県の茨城BM自然塾は、サツマイモの栽培実験について発表しました。今年は初期成育が後れたものの、イモの形が揃い良品率も75%以上と報告しました。収量も反あたり2.5トンと報告されました。栽培を行った米川修さんは、今回苗をまっすぐさす「直植え」と斜めにさす「船底植え」を行い、結果は「船底植え」がイモの形、サイズの揃いも良かったことが報告されました。

 こうした発表を受け、礒田有治BM技術協会事務局長は「BMW技術による農法の確立に向けて」と題して、まとめを行いました。その中で、それぞれのBM堆肥の成分などを知ること、適正な使用量の大切さと、利用目的に合わせた堆肥の開発について説明しました。また、生物活性水の新たな目的別利用方法とその開発研究の必要性を訴えました。

Author 事務局 : 2006年11月22日11:10

第16回BMW技術全国交流会・第2回アジアBMW技術交流会開催のご案内

「地域の土と水の再生を」

 今年もBMW技術全国交流会の時期が近づいてまいりました。来る11月17日(金)~18日(土)の2日間、石川県加賀市の片山津温泉で、「第16回BMW技術全国交流会」を開催いたします。

 今年は、北陸地方で初めての開催になりますとともに、「第2回アジアBMW技術交流会」を兼ねての開催となります。今交流会のテーマは、BMW技術の原点に戻り「地域の土と水の再生を」と題し、新しく会員になられた方々から、BMW技術の新たな可能性に挑戦されている会員の方々、そしてアジアでBMW技術に取組む方々まで、幅広く、人や技術の交流が図れる交流会にしていきたいと考えております。以下に、講演、発表等の一部をご紹介いたします。


nagasaki-kaichou.jpg 講演 「BMW技術の概要と今後の展開」
BM技術協会会長 長崎 浩 

 BMW技術の基礎と現場でどのように活かされているか。また、今後どのような分野で効果を期待できるかなどを、分かりやすく解説します。

isizawarijichou.jpg 基調報告  「~BMの原点に戻る~地域の土と水の再生を」
BM技術協会 理事長 石澤 直士

 川の上流から中流域、下流域までを一つの共同体として、どのように土と水を再生しまた守っていけるのか、そうした取組みにBMW技術がどういう貢献できるのか等について、実際に進む農業集落排水改善事業等も例にとりながら展開します。

発表 「地域の水を再生する」
~農業集落排水処理施設改善で、排水を生態系の水に~

(有)北陸自然学研究所 代表取締役 佛田 利弘

 2004年にBMW技術を導入する改良工事が行われ、臭気の大幅な削減、汚泥の減容に大きな効果をあげた石川県能美市の農業集落排水施設改善事業の実際と周辺の生態系に果たした役割等を報告します。

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発表 「地域の水を再生する」
~農と暮らしが調和したエコライフ~

島根県 池田 健二

 環境に負荷を与えたくないと、太陽光発電など様々な取組みを行う池田さん。生活排水はBMW技術によって生物活性水(家畜、植物等にいい水)に変えられ、稲、野菜作りに利用されています。池田さんが実践するエコライフを報告します。
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  ●講演 「日本列島の誕生と北陸地方の岩石と水」 
名古屋大学環境学研究科 教員 奥地 拓生 

 日本列島がどのようにして生まれたのか、岩石が生態系、水に果たす役割などを、写真を使い分かりやすく解説します。

  ●新しい生産者会員のためのBMW農法に関する初心者講座

司会:BM技術協会会長 長崎 浩  
コメンテーター:BM技術協会理事長 石澤 直士 

パネラー:BM技術協会常任理事 清水 澄/BM技術協会理事 山本 優作/BM技術協会理事 押田 明/BM技術協会理事 豊下 勝彦/BM技術協会理事 高草木 里香


  ●技術研究発表 「生物活性水による単細胞緑藻クロレラの培養」

(株)山梨自然学研究所 西村 美香
山梨大学 大学院 医学工学総合研究部 教授 御薗生 拓

tuchitomizu-gakou01.jpg 「BMW技術による農法を深化させる」各地の取組発表

①概要説明  BM技術協会 事務局長 礒田 有治
②解説 「土と水の学校」講師 小祝 政明
③実践報告 (農)八峰園・(有)十和田湖高原ファーム・(有)謙信の郷
④BMW技術による農法の確立へ

※※※詳しい申込案内はこちら※※※

Author 事務局 : 2006年09月08日16:32

交流会申込案内をUPしました!

第16回BMW技術全国交流会の参加申込案内をPDFファイルにて用意しました。


下のアイコンよりダウンロードしてお手持ちのプリンターで印刷してご利用下さい。

 


※BM技術協会会員以外の方は、下記の申込書を御利用ください※
下のアイコンよりダウンロードしてお手持ちのプリンターで印刷してご利用下さい。

 

Author 事務局 : 2006年09月05日12:27

第16回BMW技術全国交流会 開催のご案内

今年度のBMW技術全国交流会は、「第2回アジアBMW技術交流会」をかねて開催されます。
また、北陸地方では初の石川県での開催となります。交流会では国内外で取り組まれている実践事例や、研究報告等の発表が予定されています。

全国の会員の交流、そしてアジアのBMW技術に取り組む人達との交流を楽しんでいただければと、実行委員会一同、準備を進めています。

皆さまのご参加をお待ちしております。

開催日 2006年11月17日(金)~18日(土)
      17日 12:30 受付開始 13:30 開会
      18日 12:00 閉会 12:30 視察出発       

開催地 石川県加賀市 片山津温泉 ホテルアローレ

8月下旬には、会員の皆さまへは案内文書をお送りできる予定です。
また、会員以外の方の参加も歓迎しておりますので、下記までお問合せください。

[お問い合せ]
 BM技術協会内 第16回全国交流会実行委員会事務局
 TEL:03-5211-0681  FAX:03-5211-0682

Author 事務局 : 2006年08月12日17:42

 
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