【AQUA275号】千葉BM技術協会 公開講座開催

千葉BM技術協会 公開講座開催
  生活協同組合パルシステム千葉・生活クラブ生活協同組合(虹の街)共催
「原発のウソ・ホント/再生可能エネルギーの可能性」

 千葉BM技術協会は、生活協同組合パルシステム千葉と生活クラブ生活協同組合(虹の街)との共催により、去る一月二四日、公開講座「原発のウソ・ホント/再生エネルギーの可能性」を、千葉県船橋市のパルシステム千葉の会議室で開催しました。講師には、物理学者の槌田敦氏、富士通総研経済研究所主任研究員の高橋洋氏をお迎えし、両生協の組合員、BM技術協会関係者等、約六〇名余の方々が講座に参加しました。

 千葉BM技術協会では、福島原発事故により、県内でも広域に放射能物質が拡散し、特に柏、流山、松戸市等には、福島、郡山市並のホットスポット地区が現出したこともあり、「福島原発事故」に関わる問題点について、学習活動に取組んできました。二〇一一年七月には、「放射能と内部被ばく、その危険性と予防法」(講師・高木学校/瀬川嘉之氏)の学習会を開催し、八月には、BMW技術協会との共催で「内部被ばくによる晩発性障害とフクシマのこれから」(講師・医学博士/肥田舜太郎氏)と題した公開講座を開催しました。肥田先生からは、「原発事故で東日本の多くの人々は内部被ばくしてしまっており、これからは個々の免疫力を高めるよりほかない」との指摘を受けました。二〇一二年六月には、くらしと放射能フォーラムを開催し、「放射能に負けない体づくり」について具体的に提案されている内科医の土井里紗先生に予防医学の立場から講演いただき、会員生産者による放射能対策、並びに農業生産法人白州郷牧場による免疫力向上の一つとして「発酵力と食品」等について発表が行われました。今回の講座「原発のウソ・ホント/再生可能エネルギーの可能性」は、こうした原発事故問題に対する学習活動の一環として、企画しました。

講演「福島原発事故と原発再稼働」 
槌田 敦 氏
 公開講座は、木内克則・千葉BM技術協会会長の挨拶に続き、槌田敦先生から「福島原発事故と原発再稼働」と題し、講演が行われました。
 槌田先生は、①お粗末な福島原発事故での東電の対応、②東電による放射能の放出、③放射能による被害と学者たちの無理解、④事故直後の呼吸被曝は強烈、⑤食品のセシウム汚染、⑥トリチウムによる遺伝子被曝、⑦原子力科学は技術ではなかった、⑧事故を教訓とせずに原発再稼働は犯罪という内容で、お話されました。
 槌田先生は、原発事故原因は、人為的なものであり、津波以前に地震による鉄塔の倒壊で電源を喪失し、水位、圧力、温度すべての計測不能となり、その後の処置が悪く事故が深刻化し、結局一号機、三号機とも数時間後水位が計測できた時には、すでに原子炉燃料は空焚きとなっていて事故は最終段階だったこと、津波はこれには関係ないと主張されました。
 放射能の拡散についても、事故翌日の三月一二日、一号機のベントにより放出された放射能が太平洋を北上し、宮城県に再上陸したこと、一五日は、二号機格納容器の圧力増によりベントし、南東の風(陸向き)で風下の住民を被曝させたこと、一六日以後一、三号機の破損配管から大量漏れが発生し、多くは福島県浜通りを汚染し太平洋に流れたものの、二一日には放射能が浜通りから太平洋を南下して千葉県に再上陸、その情報は隠されたまま(成田空港の閉鎖の可能性があった?)、千葉県東葛地域にホットスポットができたと指摘されました。
 また、その頃、テレビに登場した科学者や関係者の発言はどうだったのか検証されました。人体の被曝について、ガンマ線による外部または内部被曝とベータ線による内部被曝は本質的に異なり、ベータ線の被曝について注意喚起されました。「ベータ線は、電子線であって生体内を数センチ程度しか飛ばず、その結果生体組織は各所で電子を失い活性酸素化し、その化学的毒性が生体組織を破壊することになる。ベータ線被曝は、ベクレルで表現するのはそのためであり、シーベルトにはなじまない」と指摘、さらに事故直後の呼吸被曝は、「ヨウ素による半減期が短いとは言え、ベータ線被曝であり原爆病として知られ、まず呼吸により鼻腔に沈着、鼻血が止まらず、隣接する脳を攻撃し、頭痛、ぶらぶら病を起こし、内臓さらには血液で運ばれ全身被曝となる」。食品汚染では、「食品に混入するセシウムが問題になり、カリウムと周期律表一族元素で同じような作用を引き起こし、追加されるセシウムでガン死が何割か増える可能性があるということ、原発事故で大量に放出されたトリチウムも遺伝子機能に関わりがある」と指摘されました。
 こうした指摘の上で、原子力は科学技術ではかったとスリーマイル島事故、福島事故等は、科学技術の失敗(設計ミス、人為ミス)と糾弾し、『事故を教訓とせずに原発再稼働は犯罪』との立場から、川内原発民間規制委員会・かごしまを立ち上げ、民間規制一六項目の勧告を突き付け、川内原発の廃炉を迫る運動を立ち上げて活動していると、お話しいただきました。

講演「再生可能エネルギーの回答保留問題
と今後の展望」〜ドイツからの教訓〜
       高橋 洋 氏
 富士通総研経済研究所の高橋先生からは、「再生可能エネルギーの回答保留問題と今後の展望」と題して講演が行われました。再生可能エネルギーの日本での可能性について、先ず欧州での取り組みの状況やドイツでの実施例を、具体的数字を上げて、解説されました。
 続いて、日本でも①発送電分離、②揚水発電などシステムの見直し、③出力調整の仕方、④国の再生可能エネルギー取り組みの姿勢によって、再生エネルギー導入の拡大は可能であり、何と言っても市民による意識のあり方が、今後の課題であると展望されました。
 今回の公開講座では、原発事故に対する槌田先生の視点による分析と、廃炉への道筋、そして、再生可能エネルギーの活用法と広め方について検証することができました。
(報告:NPO支援センターちば 岡田哲郎)

Author 事務局 : 2015年03月01日13:49

【AQUA275号】西日本BMW技術協会会員プラント、堆肥場巡回報告

 前号に続いてBMプラントや堆肥場の巡回点検の報告です。
 一月一六日に熊本県南阿蘇村の南阿蘇村有機肥料生産センター、一七日に長崎県南島原市の産直南島原の生産者の堆肥場を、BMW技術協会の秋山澄兄さん、西日本BMW技術協会事務局の宮﨑と秦の三名で巡回しました。

南阿蘇村有機肥料生産センターにて
(一月一六日)
 堆肥センターでは、生物活性水プラントで作った生物活性水を使って堆肥を作っています。
 生物活性水プラントはホウロウの五トンタンクが六槽です。堆肥は、あか牛の肥育農場の敷き料を受け入れて作っています。受け入れた敷き料に出来上がった堆肥を戻し堆肥として混合し、約一ヶ月間切返しで発酵させ、それから下からエアを送れるエリアで約一ヶ月間発酵、そしてラインに流して最低三ヶ月発酵させるということです。時期によってはもう少し時間をかけて発酵させるということでした。
 この日は半年に一度のリアクター塔の軽石とペレットの交換ということで準備されていました。みんなが見守る中で軽石とペレットを封入し、一槽目のタンクに沈めました。それから堆肥の交換ということで新しい堆肥五kg×二〇個の袋も交換しました。
 EC(電気伝導度)も〇・五前後(ms/cm)で、出来上がりもとてもよい状態であることを確認しました。
 堆肥場の周辺や施設の樋には火山灰がびっしりです。

宮田鉄雄センター長にお聞きしました
――最近の様子はどうですか。
宮田:生物活性水を積極的に使ってもらおうということで、村内の農家には無料で提供していますが、最近使う人が増えてきました。現在は職員が対応していますが、量が増えてきたので、自分で汲んで行けるようにしようかと思っています。それからバイオガス発電の計画があります。これは生ごみや畦の草など、活用されていなかったもの、廃棄されていたものなども受け入れてメタン発酵させて発電し、九州電力に売電する計画です。この施設の廃液などもここの堆肥場で受け入れる計画です。
――阿蘇山の灰がこんなに降るのですか。
宮田:ここは噴煙の南側です。今日は西風なので青空が見えていますが、北風の時は相当灰が降ります。建物の樋も詰まりますので、すくい取り捨てるしか方法がありません。ハウスに降った灰は流さないと日光を遮断しますし、特に連棟ハウスは棟の間にたまる灰を人手で除去するしかありません。また、露地野菜の被害は相当なものです。ちょっと困っています。
――この堆肥場を作る際は、いろいろ視察されたそうですね。
宮田:何ヶ所か見て回りました。高知県の土佐山村のBMW技術を使った堆肥場を見て、全く臭いがしないので、「この方法しかない」ということでBMW技術での堆肥場を作りました。もう一三年も前のことですが、この方法にして良かったと思っています。

産直南島原にて (一月一七日)
 産直南島原は六名の生産者グループです。このうち四名の生産者が生物活性水を活用して堆肥作りをしています。佐賀県唐津市の中村養豚場の尿から作った生物活性水を四トン単位で購入して使っています。四名の生産者は、林田康一さん、竹下浩二さん、山田始さん、林田裕一さんです。
 四名の生産者は、主にバレイショ・玉ねぎを作っています。レタスやキャベツを作っている生産者もいます。耕作面積は概ね四ha〜六haですが、バレイショを年に二回作付けするので延べ耕作面積は七ha〜一〇haです。個人の作付面積としてはかなり広いので、それぞれが堆肥場を持っています。
 堆肥は近隣のブロイラー農場の鶏糞を原料に、別に用意した稲藁を刻んだものを混ぜて発酵させています。今回、熊本県の大矢野原農場で活用している「小規模(青果)生産者の堆肥作りには、家庭用トイレの煙突換気扇を使う」(AQUA二七二号記事)ということを参考に、自分たちの堆肥場でも煙突換気扇を使うという取り組みを行うことにしたということでしたので、巡回視察をさせていただきました。
 山田始さんと林田康一さんは煙突換気扇を使い始めて三〜四日目です。あとの二名の生産者はこれから準備するということでした。四名とも一m位の長さの温度計は準備されていました。

代表の林田康一さんにお聞きしました。
――いつごろから、堆肥の発酵に生物活性水を使っていますか。
林田:二年ほど前から使い始めました。使い始めて、堆肥からのいやな臭いはなくなり、随分と楽になりました。
――煙突換気扇の具合はどうですか。林田さんの堆肥場の換気扇の周辺は温度も高く、出ている湯気の様子からも発酵がうまく行っているようですね。
林田:うまく発酵した堆肥を圃場にも使いたくて煙突換気扇を付けました。始まったばかりですので分かりませんが、うまく行きそうです。あんな小さな器具ですが意外に活躍してくれそうです。
――堆肥はどれくらい使うのですか。
林田:反当り二トン前後ですね。以前は追肥はしていなかったのですが、最近追肥をするようにしています。玉ねぎなどはマルチの上から追肥することになるのですが、穴や畝間から肥料分が効くようでうまく行きます。
――煙突換気扇を使った堆肥の発酵がうまく行くことを願っています。産直南島原の生産者の皆さんには、西日本BMW技術協会総会に合わせて視察の受け入れもお願いしたいと思っていますので、受け入れをよろしくお願いします。
(取材:西日本BMW技術協会
  事務局 宮﨑利明)

Author 事務局 : 2015年03月01日13:47

【AQUA275号】カネシゲファームからBMの皆さんへ

BMアジアから〜
「カネシゲファームからBMの皆さんへ」

NPO法人APLA フィリピン駐在員 寺田 俊

 はじめまして。NPO法人APLA フィリピン駐在員の寺田俊と申します、よろしくお願いします。
 私は今、フィリピン・ネグロス島にあるカネシゲファーム・ルーラルキャンパス(以下、KF―RC)という農場兼農民学校に駐在し、ここで循環式有機農業の研修をする同世代の研修生、スタッフと共に生活し、フィリピンの生活や農業に触れながら、研修生たちが、農民として自立できるように応援する活動をしています。カネシゲファームについては昨年の一一月におこなわれた第四回アジアBMW技術交流会にて、当農場代表のアルフレッドから報告があったかと思いますが、多くの若者が自立した農民へ向けての一歩を踏み出すという、人生の転機に携われていることを嬉しく思います。
 フィリピンと聞くと、多くの方は首都のマニラをイメージするかもしれませんが、ここネグロス島は、緑豊かで自然が溢れ、ゆっくりとした時間が流れています。そんなネグロス島にあるKF―RCは、五ヘクタールに広がる農場で、養豚を中心とした循環型有機農業を実践しています。豚以外にも、鶏、アヒル、七面鳥、ヤギ、水牛、馬、養殖魚など、様々な動物が暮らしていて、いつもにぎやかです。
 豚舎から出る糞尿を利用した循環システムとして、バイオガスプラントとBMW技術の複合設備を構築し、バイオガスプラントのメタンガスを利用した発電も行っています。その他にもメタンガスは料理用のコンロにも活用し、農場内のエネルギー自給が実現しつつあります。メタン発酵後の消化液は、有機肥料として畑に撒き、生物活性水は飲水改善プラントに約五〇倍希釈で投入、豚をはじめ、鶏、アヒル、七面鳥に与え、病気にほとんどなることなく元気に育っています。
 また私たちは「若者の農民の育成」と「循環型有機農業の普及」のために日々の活動を進めていますが、同時に農場としての自立運営も確立しなくてはいけないという課題があります。そのため、KF―RCのスタッフは日々、会計・マーケティング・野菜や家畜の生産性向上に向けて努めており、私はそのサポートをしています。そのなかで、今年度最も力を入れていることのひとつである、養鶏の生産性の向上についての話を今回はお届けします。
 ネグロス島の農村部では、必ずと言っても良いほど、どの家庭でも鶏を飼っています。しかし、それは“養鶏”ではありません。勝手にその辺の草や虫を食べてもらって、ご飯が余ったら残飯を与えて、卵を産んでくれたらラッキーといったスタンスです。鶏は、お金が必要になったときのための貯蓄やお客さんが来たときに料理として出すためのものなのです。そこに手間やお金をかけようとはあまりしません。当初は、KF―RCの農場でも同じでした。広い農場内で鶏を平飼いし、余ったご飯や売れない野菜が出たら餌として与える。いま何羽いるのかも、卵をどこに産んでいるかも分からない。お客さんが来る度に料理として出す。そうしていくうちに一〇〇羽以上いた鶏が二〇羽以下になってしまいました。立派な鶏舎があるにも関わらず、このままではいけないと思い、何度もスタッフたちに「養鶏にもっと力を入れようよ」「鶏をたくさん生産してKF―RCの収入を上げようよ」と提案しました。みんなその場では、「分かった、そうだよね」と言ってくれるものの、なかなか行動に移しません。そりゃそうです。鶏にお金をかける、しっかり管理する、という感覚がないのですから。そこで、みんなの養鶏に対する意識を変える必要があると思うと同時に、こちらから一方的に提案するのではなく、スタッフから自発的に鶏の生産性を上げたいと思ってもらうようにしなくては、と考えるようになりました。みんなが動かないならまず私が動けばいいのだと思い、養鶏担当になりました。もちろん、鶏に対する知識は全くのゼロです。でも問題ありません。知識はスタッフのみんながもっています。「餌は、○○や○○を混ぜてあげると良いんだよ。○○だけだと栄養が足りないからね」、「あの鶏は今卵を持ってるよ。だって○○だから」など、質問をすれば期待以上の答えが返ってきます。毎日質問をしながら世話をしていたら、みんなの意識も少しずつ変わってきました。「ひよこは寒さに弱いから、ひよこ用のケージを作って、夜はライトをつけて暖かくしてあげたらどうかな?」「みんな一緒のところで餌をあげると大きな鶏ばかり餌を食べて、小さな鶏は餌を食べられないから、小さな鶏は分けて飼育しようよ」など、スタッフから提案をしてくるようになりました。そこからは早いのです。みんなで協力して、一日、二日で鶏小屋を作りあげてしまいます。できあがった鶏小屋に嬉しそうに鶏を移し、それから毎日よく観察しています。鶏に関心を持ってくれたようです。
 私は昨年の一〇月に宮城県のBM産地へ視察に行かせていただき、宮城BM・大郷グリーンファーマーズの西塚さん、米沢郷牧場グループの伊藤代表(BMW技術協会理事長)から多くを学ばせていただきました。早速学んだことをKF―RCにも取り入れさせてもらうことにして、私からスタッフにいくつかの提案をしました。強い弱いなどの階級を付けたがる鶏のために、鶏舎内のとまり木を階段状にしました。それから鶏舎内にもみ殻をたっぷりと敷き、堆肥作りを同時に行うこと、飼料に生物活性水を混ぜて発酵させてから与えることなどを始めました。しかし、BM産地で学んだ全ての技術がKF―RCでも有効かというと、そうではありません。設備環境が整っていない中で、どの技術が有効なのか見極める必要があります。何よりネグロスの文化やKF―RCのスタッフの意識に合った技術を取り入れることが大切です。一つずつ、だんだんとBM産地で学んだ多くのことを取り入れていくよう努めています。
 現在はひよこの生産数も増えてきていて、鶏以外にアヒルの飼育にも力を入れています。しかし、まだまだ問題は山積みです。雨が多い日が続くときに、寒さでひよこや若い鶏が死んでしまうことがあり、鶏舎を修理したものの、やはり外で飼うことが習慣づいているスタッフにはまだ、ずっと鶏舎内で飼うことに抵抗心が抜けきれない部分もあります。
 今後は、これらの問題解決に加え、さらなる生産性の向上、そしてどのように販売して、常に何羽を維持していくかなどの計画を立て、実行していけるかが課題です。今日もスタッフたちは、ああでもないこうでもないと話し合いながら、養鶏はもちろんのこと、養豚や野菜などの更なる生産性の向上に向けて頑張っています。BMW技術協会の仲間の皆様には今後とも何かとご指導をいただきますよう、よろしくお願いします。

Author 事務局 : 2015年03月01日13:45

【AQUA275号】若手幹事会・アジアBMW技術交流会実行委員会開催

「若手幹事会」・「アジアBMW技術交流会実行委員会」開催

 一月一九日(火)一六時より、東京・飯田橋のTKP会議室にてBMW技術協会若手幹事と第四回アジアBMW技術交流会(第二四回BMW技術全国交流会)の第七回実行委員会が開催されました。
 若手幹事会は座長の木内克則氏(和郷園)より開会の挨拶があり、新しいメンバーとして、西日本BMW技術協会所属で大分県日田市にある、「アーム農園」の判田直也さんが紹介されました。
 議題は三月開催予定の第一〇回BMW技術基礎セミナーの内容、日程などについて話し合い、三月一一日〜一二日に東京で開催するという概ねの内容が決まりました。また、次年度に向け、冬時期開催の基礎セミナーは東京にて開催し、実験の取り組みについての話し合いを主体に講演などをおこなう。夏もしくは秋口開催のものは昨年の福岡開催のように、会員産地・生産現場で開催するという方向性を確認し、第一一回BMW技術基礎セミナーは七月に茨城にて茨城BM自然塾の若手の応援をふまえて開催を予定することとなりました。最後に謙信の郷の金谷武志氏より閉会の挨拶があり、幹事会は終了しました。
 第四回アジアBMW技術交流会・第七回実行委員会は、今年開催を予定している北海道からファーマーズクラブ雪月花の田村昌之代表も出席し、全体報告と会計報告がおこなわれました。また、出席者全員から交流会を終えての感想、意見などを交換、今年の第二五回全国交流会は初の北海道開催ということもあり、若手幹事会も協力していくことが決まりました。最後は伊藤幸蔵理事長から実行委員会への労いの言葉を含め、閉会の挨拶で閉められました。
   (報告:BMW技術協会事務局 秋山 澄兄)

Author 事務局 : 2015年03月01日13:43

【AQUA275号】BMプラント巡回

九州GC若宮センター/福岡青果センター
 一月二〇日にグリーンコープ福岡の若宮センター・福岡青果センターにリアクター塔の充填材交換と保守点検に行ってきました。西日本BMW技術協会からグリーンコープ連合の秦氏に同行していただきました。両センター共、中水利用プラントが導入されていてトイレの流し水に再利用されています。トイレと雑排水を利用する中水利用プラントは、生産者と消費者を循環の輪で繋ぐいい象徴にもなっている様にも思えます。生協グループが中水プラントを使って資源の再利用をはかるその意味は大きく、生産者の方々が行う循環を消費者に伝える・知ってもらう糸口になりえます。生産者から生協グループ、そして消費者の方々にまでBMW技術を利用した循環の輪を広げて行く、そんな意味合いも含まれてるのだと思います。
 さて、点検はリアクター塔の充填材交換、EC・DO・pH・水温・亜硝酸態窒素の測定をしました。若宮センターでは亜硝酸態窒素のパックテストでは、合併浄化槽の処理水から中水の最終槽に向かって浄化されている様子がうかがえて、最終槽では未検出となっています。しかし、微細SS(浮遊物質suspended solid)がありスッキリとした透明感はありませんでした。福岡青果センターも同様、合併浄化槽から検出された亜硝酸態窒素は最終槽では検出されませんでした。中水で微細SSが確認されましたが若宮センターほど濁りはありませんでした。pHが酸性気味でしたので石灰を投入し、経過を見ることにしました。両プラント共微細SSありましたが浄化機能に問題はなく良好な状態と言える思います。次回の点検は七月を予定しています。

ポークランドグループ
 一月二八〜二九日でポークランドグループのリアクター塔の充填材交換と保守点検に行ってきました。秋田県鹿角郡は豪雪になっており、既に例年の倍以上の降雪があるそうです。農場内には除雪した雪の山が目立っていました。
 畜産関係の皆さんはご存じのことと思いますが、日本で流行しているPED(豚流行性下痢)のため養豚場への感染と各養豚場の防疫体制の強化により養豚場への巡回は避けていました。今回の点検は一年ぶりの点検となりました。
 ポークランドグループでは創設当初からBMW技術取り入れBMW技術を牽引してきた農家の一つでもあります。BMW技術を生かした養豚体系を作り上げ規模を拡大していき、現在ではポークランド、十和田湖高原ファーム、ファームランド、アグリランドの四つの養豚場と小坂クリーンセンターの堆肥製造施設に飲水改善プラント、生物活性水プラントを導入されていてBMW技術は飲水、豚舎の衛生環境、堆肥製造等に利用されています。合計で七か所のプラントを二日間かけてリアクター塔の充填材の交換と点検をしてきました。
 生物活性水プラントは一部エアレーションに不足が見られた以外は問題はなく、どのプラントも亜硝酸態窒素は検出されず、pHも中性に近い数値でした。生物活性水は微細SSも見られず綺麗な透明をしていて浄化作用が視認できる仕上がりになっています。リアクター塔の充填材はほぼなくなってしまいましたが、どのプラントも正常に稼働している状態でした。また飲水改善プラントも正常に稼働していましたが、やはりリアクター塔の充填材はほぼなくなっていました。
 一年ぶりに保守点検を行ったわけですが、とても良好な状態を保っていました。例年にない豪雪、全国に広がっているPED等、様々な困難がある中で高いクオリティーを保てているのは、ポークランドグループがまさに技術と理念が両輪されている証だと思います。
  (報告:BMW技術協会事務局 永合 耀)

Author 事務局 : 2015年03月01日13:40

 
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