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2005年04月01日

AQUA160号 トップ記事

集落の水を再生して地域へ還元しよう -農業集落排水処理施設改善事業に向けて

全国の理事・会員の皆さん
 BM技術協会では、今年度の重点事業の一つとして、農業集落排水処理施設(以下、「農集」)の改善事業を展開することにしました。農集は皆さんのご近所にいくつも存在し、税金で運営管理されています。今回の協会プロジェクトは、この農集をBMW技術らしく改善しようとするものです。ご近所の農集の運用実態を調査し、その技術的改善事業を推進し、さらにはこの事業を通じてBMW技術が地域社会に貢献する事業に、広く全国の会員諸氏の協力と参加を呼びかけるものです。
 古来、わが国の地域社会は網の目のような水系のもとに展開され、地域の水と切っても切れない地域生態系(山里)として存続してきました。いま、その地域社会が荒れています。その根源には私たち自身による地域水系の汚染と破壊がある、BM技術協会はそう認識してきました。そして、生活が汚した水は自分達の手で再生させようと、協会は技術の運動を展開してきたところです。
 農集はまさしく山里の水系の結節点に設置され、生活廃水を処理放流する国の事業です。けれども現在、これがうまくいっていません。技術的には、処理水の水質がBOD20pp mを超えるなど処理効率が悪く、悪臭が出て、文字通り邪魔者の余剰汚泥を年数回も施設から引き抜いて、一般廃棄物として処理しています。何よりも、生活廃水が山里の水として再生され、地域の水系に帰っていくという循環が実現できていません。下水を処理して捨てるという大都会の考え方のもとで、農集の水は(多くは農業用水に)捨てられています。
 経済的には、農集の維持管理、とりわけ余剰汚泥の処理経費が、自治体財政の馬鹿にならない負担として認識されるようになっています。現在の市町村合併に際してはなおのことです。このため農集の処理効率を改善することは、地元の関係者のみならず、日本下水道事業団や日本農業集落排水協会など全国組織の課題として浮上しています。農集技術の改善の機運は現実的です。
 会員の皆さんも日々の実践からお分かりのとおり、BMW技術は農集改善の技術的、経済的課題に応えることができます。すでにモデル地域で実証されていますが、BMW 技術は既設の施設に手を加えることによって、次のことができます。余剰汚泥の引抜きの必要がなくなる、悪臭の発生が防止される、そして何より、処理水の水質が向上してまさしく生態系の水として地域の水系に戻すことができます。結果として、自治体の財政的負担が軽減されます。
 かねてより、BM技術協会は農家の暮らしと農業の仕方に技術を活用して、環境保全型の農業を可能にしてきました。その経験を今度はぜひとも地域環境へと押し広げて、豊かな水系がめぐる地域社会を展望したいものです。BM技術協会が協会として取り組む今回の事業に、会員の皆さんのご理解とご協力を要請します。
( BM技術協会二月二二日常任理事会の決議を踏まえて)

Author 事務局 : 2005年04月01日 15:59

 
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