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2007年03月31日

AQUA183号 トップ記事

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世界遺産「白神山地」の水を守る農業・「流域の土と水を保全・再生する」産直運動へ
~生活協同組合ドゥコープでBMW学習会を開催~

 2月7日、埼玉県の生活協同組合ドゥコープ(濱口廣孝理事長・パルシステム連合会会員生協)の主催で、世界遺産「白神山地」の水を守る農業と題した、BMW学習会が石澤直士BM技術協会理事長を講師に、さいたま市のスペース・ドゥで、開催されました。
 学習会では、BM技術協会が白神山地を源流にする青森県・岩木川の流域で展開を始めている「土と水の再生」活動と、その具体化技術としてのBMW技術の適用事例、また、流域の上流から下流まで、連携した土と水を再生する取組みの必要性と、取組みに連帯する新たな産直活動の重要性について、学習しました。

 当日は、組合員30人が参加し、映画「白神の夢」の短縮版と昨年のBMW技術全国交流会で紹介された岩木川流域の上流・中流・下流の町村長のメッセージビデオの上映、石澤理事長による「流域の土と水の再生を」と題した講演が行われました。また、パルシステム商品から環境を考えようと、岩木川流域のパルシステム産直商品(BMW技術導入卵及びリンゴ、十三湖のシジミ)の試食も行われました。参加者からは、「自然の偉大さ、自然を守る大切さを友人達に伝えたい」「生態系本来の機能を持った水にする事が重要だ」「とてもわかりやすく、感動した」等、様々な感想が寄せられました。

映画「白神の夢」~森と海に生きる~
 上映された映画「白神の夢」は、小学生が白神山地をテーマに様々な総合学習を行い、成長していく姿と、それを見守る大人達もが変わっていく姿が描かれています。今回は、本編の短縮版を上映しました。白神山地のブナ林に雨が降り注ぎ、ブナの落葉からできた土と岩石に触れた水が、海に到達して藻場をつくり、そこにハタハタがやってくるというBMW技術のモデルも、得心できる内容になっています。この「白神の夢」を見て感動した石澤理事長が、白神山地を村内に持ち、岩木川源流の村となっている西目屋村の方々に是非見てもらいたいと、関和典 西目屋村長に相談し、同村でシンポジウムが昨年5月に開催されました。

岩木川上流・中流・下流の町村長からのメッセージビデオ
 続いて上映されたビデオは、関 西目屋村長、趣旨に賛同いただき、シンポジウムでパネラーとなっていただいた小田桐智高 藤崎町長、高松隆三 前(旧)市浦村長のインタビューとなっています。上流、中流、下流の人々が協力し、岩木川流域の水と土を守り、再生し、それを次の世代につなげていきたいというメッセージが紹介されています。

「流域の土と水の再生を」
石澤理事長講演

 映画とビデオの上映を受け、石澤理事長から講演が行われました。
 「白神山地の水を守る農業を進める上で、BM技術協会が提唱している『流域の土と水を再生する』活動は、重要な意味を持っています。BMW技術は、水源から河口まで、畜産や耕作農業での活用、加工所、事業所、集落の排水処理や中水利用、家庭生活での活用まで、幅広く、水や土の再生に適用でき、自分達の身近な所から変えていく事ができるからです」と、BMW技術の考え方や内容を、藤崎町の農業集落排水処理改善事例や常盤村養鶏の採卵鶏と果樹・野菜生産の有畜複合農業事例、パルシステム、ドゥコープ等での排水、中水の導入事例等をパワーポイントで示しながら、石澤理事長から解説が行われました。
 流域の土と水を再生していくに当たっては、「現在は、行政や生産者、NPO、消費者等がそれぞれバラバラに動いています。食育基本法ができたり、有機農業推進法ができたり、様々な取組みが行われていますが、それらがどうやって連携していくかを考えた時に、山から海に至る川の流れに視点を当てていく事が重要だと思います。また、川をきれいにするだけでなく、どうやって汚さないようにするかをこれから一緒になって考えていく時期にきていると思います。そして、それができるのは、『流域の土と水を保全・再生する』産直活動ではないかと思います。今日の学習会をきっかけにまた、皆さんと話し合っていきたい」と石澤理事長は語りました。
 最後に、日本列島を大陸から見ると日本海は、湾になるという絵を示しながら石澤理事長は「地球の中で日本海というのは本当に狭い。岩木川も地図にしてみると本当に短い。けれど、この短いところの汚れが海の藻場を壊している。まずは自分の足元からしっかり取組んでいきたい」と、締めくくりました。

ドゥコープ 濱口理事長閉会挨拶

 映画「白神の夢」を見ると、いやになるほどのんびりとしていますが、見終わると、フッと感動します。是非皆さんにも、本編をみていただきたいと思います。自然の大切さ、それから生態系の循環が結局のところ、BMW技術の思想につながります。BMW技術の思想は、私たちのゆがんだ生き方、暮らし方をもう一度見つめ直し、少しずつ変え、本来の姿に戻していこうというものだと思います。ドゥコープで言えば、いのち潤う地域・社会をつくろうという理念であり、パルシステムの理念では、共生の社会をつくろうというものであり、みんな共通する方向があります。今回の学習会を踏まえて、まわりにもっとBMW技術や生態系を守るという事を、広げていっていただきたいと思います。(報告 礒田有治)

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Author 事務局 : 2007年03月31日 13:56

 
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