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2008年11月01日

秋田県小坂町 ポークランドグループ JAかづの 常任理事会で視察 【AQUA202号】

資源循環と食料自給に向けた地域づくりに行政と生産者が連携

秋田県小坂町 ポークランドグループ JAかづの
地域連携の取組み 常任理事会で視察

 九月一日~二日、秋田県小坂町及び鹿角市において、BM技術協会の常任理事会と常任理事による現地視察会が開催されました。現地視察会では、豊下勝彦常任理事が代表を務めるポークランドグループが取組むBMW技術を導入した養豚や、堆肥づくり、BMデモプラント、野菜作りや飼料米実験、小坂町がすすめている菜の花栽培による資源循環の取組み、JAかづのの飼料米づくりやBMW技術を活用した野菜栽培等を視察しました。
 現地視察会は、一日の午後から始まり、最初に小坂町がエコタウン構想の一環としてスタートしたバイオディーゼル燃料の製造施設を視察しました。小坂町は現在、生ゴミを堆肥化して農地に返す取組み(ポークランドの堆肥施設で、生ゴミの堆肥化に協力)や、遊休地で菜の花を栽培し、菜種油を作り、さらに家庭等で使われた油を回収しバイオディーゼル燃料を作る、という二つの取り組みを行っています。
 町に一〇カ所ある集積所から回収された廃油は、町職員の手作りによるプラントでグリセリンとバイオディーゼル燃料に分離され、濾過されます。製造されたバイオディーゼル燃料は現在、町の公用車一台とポークランドの配送車一台に試験的に利用され、現在、データを収集しています。
 続いて昨年完成した町の菜種油製造工場を視察しました。農家の休耕地に菜の花を植えてもらい、収穫した菜種をここで菜種油に加工しています。菜種油は「菜々の油」という商品名で販売が始まり、昨年の菜種でしぼった油はすでに完売状態だそうです。小坂町では、遊休地を活用した栽培した菜種を原料にした菜種油が家庭で使用された後に回収され、バイオディーゼル燃料となって、農機具を動かし、資源が循環することを理想としています。
 続いて視察したポークランドでは、最初に事務所の入り口脇に七月に完成したBMデモプラントを見学しました。BMW技術を使った水の循環をコンパクトにまとめたデモ施設と、生物活性水プラントを訪問者が気軽に見学できるようになっています。
 デモ施設は、山の沢水が、魚が泳ぐ池に注ぎ、水生植物が植えられたビオトープを通って、生物活性水が流れ込むミニ水田を経て、岩石槽で再度浄化され、家畜用の飲水として利用されるというBMW技術を活用した水の流れを分りやすくコンパクトにまとめた施設になっています。沢水が注ぐ最初の池にはBMWリアクター塔が設置されています。
 入り口の通路をはさんだ反対側には生物活性水プラントがあり、地元の農家の人が自由に使えるように外部に取り出し口が設けられています。
 次に新しく作られた豚舎や、飲水改善プラント、堆肥施設、新しくバイオベッド豚舎に改装される堆肥施設を視察しました。養豚施設視察後は、ポークランドグループで取り組む、野菜、飼料米のほ場を見学しました。二・四町歩の畑でニンジンなどを栽培していました。今年は、雨、低温で様々な被害がでているということですが、ポークランドのBM堆肥を入れた畑ではニンジンが大きく生長していました。飼料米の実験ほ場では、区画ごとに堆肥の投入量を変えたり、肥料内容を変えた実験が行われていました。担当の板橋一成さんは、概ね順調に生育しており、この地域では反当たり八俵収穫できればよい方だが、一〇俵は収穫できるのではないかと話しています。
 二日は、常任理事会終了後、JAかづのが管轄している飼料米のほ場と、JAかづの組合員のキュウリ圃場等を視察しました。飼料米の栽培ほ場では、ポークランドのBM堆肥を使用しながら、六町歩で「ふくひびき」という品種を栽培しています。ここで収穫された飼料米がポークランドの豚の飼料となり、「こめ豚」として、パルシステムに供給されています。キュウリは路地で栽培されていて、元肥として有機肥料の他にポークランドのBM堆肥を使用しています。生物活性水も灌水時や葉面散布に利用されています。今年は「土と水の学校」有機栽培講座で学習した施肥設計を行った結果、昨年より天候が悪いものの、収量は昨年よりも上がっている、と生産者から報告がありました。 (報告:長倉徳生)

Author 事務局 : 2008年11月01日 17:37

 
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