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2010年05月01日

【AQUA220号】堀本農園、生物活性水施設の稼動開始

堀本農園、生物活性水施設の稼動開始
兵庫県ではじめてのBMWプラント

報告 株式会社匠集団そら 星加 浩二

 堀本農園における、生物活性水プラントの設置工事は、平成二十一年十二月に五トンのホーロータンク四基の設置を済ませ、二十二年二月にエア配管などの設備工事を完了し、引き続き培養調整を行ってきました。堀本農園での培養調整は、完熟堆肥を原料に農業用水を利用しています。
 約一ヶ月かけて四基のタンク全てが満水になり水質検査を実施しました。最終槽の生物活性水で亜硝酸、大腸菌の検出がないことを確認し、利用開始ができるようになりました。このプラントでは、一日あたり五百リットルまで使用できる設計になっています。また、このプラントでは、生物活性水の原料として完熟堆肥のほか、イチゴへ供給される栽培養液の排水を再利用することも考えています。
 出来上がった生物活性水は、イチゴの栽培溶液の潅水設備を利用して、イチゴの各栽培ベッドごとに、自動的に希釈倍率や供給時間を制御して、供給できるようになっています。
 堀本さんは、これまでに五百リットルの生物活性水を数回潅水しており、気温が上がってきたこの時期に例年では増えてくる灰色カビ病、うどん粉病などの病害が広がってこないなど、すでに効果が見えてきていることを、実感しています。今後は、収量のアップや、イチゴの糖度アップなどに期待を寄せています。
 この堀本農園では、観光イチゴ園というお客さんとの関係を大切にするため、イチゴの安全安心を追求しており、生物活性水はその実施に有効な手段となります。プラントは入り口に設置してありますので、来園したお客さんにも見学してもらい、堀本農園での栽培への取り組みについてアピールできるようにと考えています。またイチゴだけでなく、サツマイモやジャガイモ堀りの畑もイチゴハウスのそばにあり、収穫体験も行っているので、生物活性水の活用場面が広がっていきます。また、地元の農業青年クラブの仲間にも生物活性水を活用してもらうようにして、BMW技術を広めることも考えているようです。


観光イチゴ園 堀本農園 堀本 誠司


 堀本農園「せいちゃんといちごちゃん」では、イチゴ狩りをやっております。消費者の方にどうやってイチゴが作られているか見てもらい、さらには摘みたての美味しいイチゴを食べてもらいたいという思いで始めました。そして安心で安全なイチゴを食べてもらいたいと思っています。そのために今まで、重曹と同じ成分の農薬等、毒性の低い農薬を選ぶようにしたり、去年からは電解酸性水(食塩又は塩化カリウム使用)を使用したり、今年からは硫黄のくん煙を利用して病気をおさえてきました。さらに丈夫なイチゴを作るため、夢のひとつでもあったBMW技術の導入を考えました。ビニールハウスの規模拡大に踏み切るか考え中でもあった私は、今ある規模で、病害のない健康な作物を育て、収量アップと秀品率の向上をしていくため生物活性水にも期待しています。
 私は農業者大学校在学中の半年間の研修で、白州郷牧場で勉強しました。直売所や加工場が建設されていた時期でした。最初に農場の野菜をみて、「農薬を使ってないのになんでこんなにきれいなんができるんや。」と農薬を使わないと虫食いだらけになると思い込んでいた当時の自分は、驚き、感動したことを覚えています。また、こんな野菜づくりを自分もやりたいという夢が持ちました。それからの半年間、白州にどっぷり沁みてました。自然学校「キララの学校」を経験して、イチゴ狩りの夢が生まれたので、白州の仲間に感謝しています。
 私の住んでいる兵庫県にはすぐに見学に行けるプラントがありません。自分の仕事の忙しさの中で、BMW技術の知識が薄まりつつあった私は、数年ぶりに、加古川市の4Hクラブである加古川農業青年クラブのメンバーと、白州郷牧場へまだ建設中のプラントの視察へ行きました。BMWプラント導入の決断にはそう時間はかかりませんでした。
 この度、出来上がった生物活性水プラントは私の農園の目立つ出入り口に設置してあります。来園されるお客さんに「この大きいタンクはなに?」と聞かれることが多くなりました。これから生物活性水の良さをもっと沢山の人に知ってもらえればと思います。

Author 事務局 : 2010年05月01日 10:41

 
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