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2013年03月01日

【AQUA251号】みやぎBM技術協会にてBMW技術基礎セミナーを開催

震災からの復興に向けて生物活性水プラントを導入予定

宮城BM技術協会 会長 西塚忠元

 一月二二日(火)、みやぎBM技術協会では、会員とあいコープみやぎの若手生産者、そしてあいコープみやぎの職員と理事を対象に、仙台市のあいコープみやぎ本部を会場にBMW技術基礎セミナーを開催しました。講師には、BMW技術協会の伊藤幸蔵理事長にお願いし、二時間の講演を頂きました。その後、大郷みどり会、七郷みつば会など各生産者が抱える課題と今年の目標を発表して討論し、伊藤理事長はじめ、他の生産者よりアドバイスを受けました。参加人数は生産者二一名、生協役職員一〇名、生協援農グループ六名、計三七名の参加、BMW技術協会の秋山澄兄事務局長も参加され、新年早々から熱気あふれる研修会になりました。
 みやぎBM技術協会では、生産者をはじめ生協の役職員も世代交代が進み、若手メンバーが多くなってきました。一昨年の東日本大震災以降、プラントの停止や復旧作業、そして放射能測定等で、研修会等ができず技術の継承が心配でした。まだまだ復興への道は遠い状況ですが、幸いなことにみやぎBM技術協会の会員は復旧のめどがようやく立ち始めた部分もあり、今後の復興に向って皆で頑張って行こうという意志のもと、昨年来、若手生産者を中心に農法研究会をはじめ、現地検討会等を開催するなどして、少しづつ活動を続けてきました。さらに昨年の六月には県北にある大崎市の日向養豚に生物活性水プラントが設置され、稼働が開始されました。今年は震災による津波の被害が大きかった七郷みつば会に生物活性水プラントを導入(移設)する予定です。この様な状況の中でBMW技術そのものを単なる生産物の増収技術(資材)として考える傾向もあり、基礎(技術と理念、目的)からもう一度学べる機会を設けたいと考えていました。ちょうど昨年の全国交流会に参加し、伊藤理事長の基調報告を拝聴しました。是非、再度、地元でも講演して頂き、全国交流会に参加できなかった会員や他の人達にもっと理解を広めていきたいと思いました。
 講演はBMW技術の基本的な考え方や歴史、生物活性水の特徴と機能、そして活用事例などのお話しでした。参加者からは多くの質問がありました。畜産農家からは尿系生物活性水の場合の注意点や生物活性水のできあがりの基準について。耕種農家から、これからプラント導入する七郷みつば会では津波被害からの復興事業で始める、五〇aのトマト栽培施設の生物活性水利用方法等について質問がありました。
 みやぎBM技術協会とあいコープみやぎでは、今年より県内に設置された三つのプラント(①大郷グリーンファーマーズ②日向養豚③七郷みつば会)を核とし、耕種農家の生物活性水の有効利用や耕畜連携の発展、また大きな目標となるネオニコチノイド系の農薬をはじめとした農薬削減の取り組み等に、幅広い活用ができるように期待をしています。宮城では県内産地が定期的に研修会を開いており、今後とも交流を深めながら学習し、お互いに情報を交換し、BMW技術の活用を計っていきたいと考えています。

みやぎBMW技術協会学習会 追記
 昨年(二〇一二年)の一月にやまなし自然塾の方々とみやぎBM技術協会を訪問しました。津波の大きな被害を受けた仙台市若林区荒浜地区にある七郷みつば会の皆さんのところへも訪問しましたが、未だほとんど作物を生産できない状況でした。その他のメンバーの方々からも、復旧はしてきたものの、復興へはまだ遠いといった印象を受けました。あれから一年が経ち、今一度、BMW技術を基礎から学習し、継承していくという西塚会長とあいコープみやぎ・小野瀬理事長の「想い」も含め、学習会に参加された生産者、生協職員や組合員の復興へ向けての強い意志と目標をもって進んで行くんだという気持ちが伝わってきました。
    (BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

Author 事務局 : 2013年03月01日 19:25

 
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