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2013年08月01日

【AQUA256号】千葉BM技術協会、第17回定期総会及び研修会を開催

飼育環境による鶏の健康比較を解体実演で学習

 二〇一三年六月二二日、生活協同組合パルシステム千葉船橋本部会議室にて千葉BM技術協会第一七回定期総会が開催されました。議長には、㈱パル・ミートの桑島雄三氏が選任され、一号議案から四号議案までを審議し、議案は全て可決承認されました。
 第一号議案は二〇一二年度活動報告と会計報告。活動報告では、二〇一二年六月に開催した「くらしと放射能を考えるフォーラム」の内容について報告されました。「放射能に負けない体づくり」に取り組む内科医の土井里紗氏から、放射能リスクの低減には「解抗免力」を高めることが不可欠であることの提起や、それを受けて二〇一三年四月の白州郷視察研修を実施したことが報告されました。
 第二号議案は二〇一三年度活動計画及び活動予算。活動方針として、学習活動を通じて免疫力を高める農畜産物生産の取り組みを高めていくことと、その前提となる土や水の保全・再生、資源循環型の生産・生活・社会の具体的モデルづくりを検討していくことが確認されました。
 第三号議案は役員選出。木内克則会長(和郷園)、礒田有治副会長(千葉自然学研究所)、下地通太副会長(パルシステム千葉)が再選されたほか、幹事・監査の役員人事についても承認されました。第四号議案は入退会の審議となり、一団体退会、二個人の入会が確認されました。

内臓や骨、臭いの違いを体験した鶏の解体比較研修
 総会終了後は、「飼育環境による鶏の健康比較」をテーマに、BMW技術による育成の採卵鶏と一般採卵鶏との解体比較を行う研修会を実施しました。同研修会には、千葉BM技術協会会員のほか、生活協同組合あいコープみやぎ、農事組合法人栗駒高原、㈱ミクロコスモス研究所、生活クラブ事業連合生活協同組合連合会など、BMW技術協会会員団体からのご参加もいただいての開催となりました。
 講師には、BMW技術協会の石澤直士常任理事(元BM技術協会理事長、株式会社ゼンケイ代表取締役)をお招きし、鶏の解体の実演と講演による研修会となりました。
 解体比較した鶏は、山梨県白州郷牧場のBMW技術で飼育する平飼い採卵鶏と、もう一方は、ウィンドゥレス鶏舎で飼育された一般採卵鶏です。
 石澤常任理事は、鶏の解体を行いながら、飼育環境や飼料、水によって、内臓の大きさや腸の長さ、骨の硬さ、内臓及び卵そのものの臭いが違ってくることを説明されました。解体後は、養鶏における飼料の現状等についての解説も行われ、最後は、石澤常任理事と参加者との活発な質疑応答により、研修会を締めくくりました。
(報告:生活協同組合パルシステム千葉 中根 裕)

健康な卵は、健康な鶏から生まれることを再度実感
生活協同組合パルシステム千葉 理事  川井 美佐代

 今回、飼料・飼育方法の違いは内臓にも表れる事を臭い・色も併せて比較して、自分の目で確認できたことは大きな収穫でした。
 腸の長さの違いや砂肝の臭いなど違いがはっきりわかり、健康な卵は健康な鶏からとあらためて思いました。卵は自分が食べて美味しいと伝えてきましたが、自分の目で確認できたことによりしっかりと伝えていきたいし組合員にも体験する機会があると良いと思いました。また生食できるのは水が良い日本だからこそということも知りました。そして飼料高騰の中さらに卵の質に差が出てくる可能性についても強調されていたのが印象的でした。

育て方による鶏の違いをより多くの組合員に伝えたい
生活協同組合パルシステム千葉 理事  久米 尚子

 石澤元協会理事長による鶏の解体比較を実際に見ることができ、とても貴重な体験をさせていただきました。鶏の内臓が、育て方や飼料でこんなにもはっきりと違いが分かる事に驚きました。この解体比較のように見て分かる講座を映像などでより多くの組合員に見せくことで伝えていけたらと思いました。また、飼料の価格の高騰に一般市場の生産者はコストを重視してしまっているとの話がありました。生協として消費者が求める安全、安心な卵の適正価格の認識が問題であること、生産者にとって飼料の高騰が緊急の課題であると感じました。

Author 事務局 : 2013年08月01日 20:47

 
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