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2013年08月01日

【AQUA256号】「アフリカの持続可能な開発のための大学院教育事業」のプログラムメンバーがパルグリーンファーム(千葉県野田市)を視察

生協と生協が取組む生産・資源循環の取組みとBMW技術を学習

パルグリーンファーム株式会社 遠藤尚志

 二〇一三年六月四日、「アフリカの持続可能な開発のための大学院教育プログラム/Education for Sustainabale Development in Africa:通称ESDA)」づくりを行っている国連大学(アフリカの八大学、東京大学等で構成)の教授グループ一行二二名が、千葉県野田市のパルグリーンファーム(株)を視察に訪れました。視察の目的は、パルグリーンファーム㈱と生活協同組合パルシステム千葉がすすめている生協が取組む野菜生産の意味と、その柱となっている「地域循環型農業の取り組み」、資源循環型技術の要となっている「BMW技術」について、学ぶものです。
 視察会には、六月一日〜三日に横浜で開催された「アフリカ開発会議」に参加するために来日し、シンポジウムでザンビアでの生産性向上の取り組みの発表を行ったカウンドラ農協連合会会長マインザ・シンゴマ氏、協会会員で、ザンビアの農業支援事業に取組んでいる農業マーケティング研究所の山本和子氏も参加しました。BMW技術協会からは礒田有治理事、秋山澄兄事務局長、㈱匠集団そらの星加浩二氏にも来ていただき、総勢三〇名での視察となりました。
 一行は、はじめにパルグリーンファーム圃場(千葉県野田市吉春)を視察しました。ビニールハウスでの葉物栽培棟にて、「堆肥」の施用と「BMW生物活性水」の堆肥への散布や、葉物野菜への葉面散布をデモンストレーションで行いました。アフリカの参加者からは、都市のすぐ近くに農業や農地がある点が素晴らしいとの声がありました。アフリカでは、都市と農村の距離がかなりあり、物流にも時間がかかるため、こういった近郊葉物栽培などが成立しづらいとのことです。
 次にBMW生物活性水プラントが設置されている農場の隣にある自治会館(千葉県野田市船形)へ移動し、畳の上で座布団に座り、丸く座をつくるという日本式ディスカッションスタイルで、パルグリーンファームの遠藤より「パルシステム千葉の生協の仕組み」と「パルグリーンファームの目指す地域循環型農業」について、説明を行いました。続いて、BMW技術協会の秋山事務局長からは「BMW技術」についての解説が行われました。 
 慣れない英語での説明でしたが参加者の反応は良く、その後のディスカッションでは、「農薬を使わずに栽培できるのはなぜなのか」「値段が高いのはなぜなのか」「野菜の安全性をどうやって担保しているのか」「BMWプラントの岩石は何で軽石と花崗岩を使うのか」など、様々な質問が飛び交いました。最後は参加したメンバーのザンビア大学学長より「生協のシステムはいいアイディアとなり、BMW技術、有機栽培に関してはアフリカでも取り組める技術。大変有意義な視察となりました」とのまとめの言葉をいただきました。ディスカッション後は、生物活性水施設の見学を行い、視察を終了しました。
 アフリカから参加された方の中には、以前日本の農業の視察に来たことがある方もおり、「農業従事者が高齢化している中、一〇年後がどうなるか大変心配している。若い人がチャレンジしているのは大変素晴らしい。ぜひ頑張ってほしい」と逆に応援をいただく一幕もありました。日本とアフリカでは、もちろん抱える課題や状況はそれぞれ異なっていますが、BMW技術に象徴される「地域循環」という視点が非常に重要だという点は、参加した日本・アフリカそれぞれのメンバーの共通認識であったように感じます。あるアフリカの参加者は、「アフリカの最大課題は、原材料の産地になってしまっており、地域で完結していない点である」とおっしゃっていました。その中で、物質の循環だけにとどまらない生活や経済まで含めた、「地域自給」や「地域循環」をどうつくれるか。あらためてその取り組みの重要性を再認識した一日となりました。今後もアジア・アフリカ、様々な国の方と情報交換をしながら、足元から取り組んでいきたいと思っております。

Author 事務局 : 2013年08月01日 20:46

 
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