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2014年07月01日

【AQUA267号】千葉BM技術協会 第18回定期総会・公開講座開催

千葉BM技術協会 第18回定期総会・公開講座を開催
公開講座テーマ「抗酸化力・免疫力・解毒力を高める食べものとは」

 千葉BM技術協会は、五月三一日、千葉県船橋市の生活協同組合パルシステム千葉船橋本部で、第一八回定時総会を開催しました。総会では、①二〇一三年度活動報告及び会計報告、②二〇一四年度活動計画及び活動予算、③二〇一四年度役員選出について、それぞれ議案審議が行われ、了承されました。
 福島第一原発事故以降、千葉BM技術協会では、その影響や対策等、共通認識を得るための学習活動を展開してきました。学習活動を通じ、放射能リスク対策の一つは、個々の免疫力を高めることが重要であり、これは、多くの生活習慣病・ガン対策や、老化対策にも通じるものであることを学んできました。中でも食生活は非常に重要なファクターであるものの、免疫力等を高める機能を持っている農産物のビタミン等が、五〇年前と比べて大きく減少している事態に直面していることが明らかになっています。(表1の食品成分分析調査参照)その背景には、この間の大量生産・大量消費型社会の進展等が考えられますが、生産や生活を取り巻く環境と、食と健康は、密接に関係しており、今後、人々が健康に生きるためには、「農・環境・医療」の連携等による「食」の再生が求められています。
 そこで、千葉BM技術協会では、今年度、これらに関する学習・実践活動を通じ、地域の土や水を保全・再生し、資源循環型の生産・生活・社会につながる活動を、BMW技術等を活かし、取り組んでいくことを方針に掲げています。
 具体的には、①『免疫力』等を高める農畜産物等に関する学習・生産実験、②放射能リスクとこれからの資源循環型社会等に関する学習等に取組んでいくことが、総会で了承されました。
 なお、二〇一四年度の役員は、以下の通りとなっています。
会長:  木内克則(農事組合法人和郷園)
副会長: 下地通太(生活協同組合パルシステム千葉)
    礒田有治(有限会社千葉自然学研究所)
幹事:  赤座繁樹(赤座養鶏場)
    桑島雄三(株式会社パル・ミート)
    中根 裕(生活協同組合パルシステム千葉)
    樋口健二(生活クラブ生活協同組合 虹の街)
    北見則弘(北見畜産有限会社)
監査:  岡田哲郎(NPO支援センターちば)

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 千葉BM技術協会主催 公開講座
21世紀は、治療から予防へ「抗酸化力・免疫力・解毒力を高める食べものとは」
〜分析データから分かった健康な野菜、そうでない野菜〜
     講師 東京デリカフーズ(株)  研究開発室長 武井 安由知 氏

 総会終了後に開催された公開講座には、千葉BM技術協会会員のほか、茨城BM自然塾、新潟BM自然塾、夢産地とさやま開発公社、村上園、生活クラブ事業連合会等、BMW技術協会会員や、流通団体、行政等、関係者四〇人が参加しました。
 公開講座は、千葉BM技術協会の本年度活動計画の『免疫力』等を高める農畜産物等に関する学習の一環として、開催されました。
 講師には、十数年間にわたり、約二万五千点の野菜の分析データを蓄積・解析し、産地で生産された野菜が、全国平均値と比較して、おいしさや栄養価、健康機能、安全性に優れているのかどうかを数値として「見える化」する取組みを先進的に行っている東京デリカフーズ(株)の武井安由知研究開発室長をお招きし、「抗酸化力・免疫力・解毒力を高める食べものとは」〜分析データから分かった健康な野菜、そうでない野菜〜と題して、講演が行われました。

野菜のおいしさ・栄養・機能性を、
   糖度、ビタミンC、抗酸化力で評価
 武井室長からは、①健康とは?国が抱える問題、②健康ニーズと野菜消費、加工業務用野菜の増加、③野菜の中身の「見える化」ツール、④野菜の機能性〜抗酸化力とは〜、⑤野菜を機能性で販売〜ベジマルシェの取り組み〜、⑥機能性表示の動向、⑦農場から健康を〜Farm to Wellness〜等の項目で、講演が行われました。
 東京デリカフーズでは、これまでの蓄積データから、野菜の中身成分を、糖度(おいしさ)、ビタミンC(栄養素)、抗酸化力(機能性)、硝酸イオンで評価し、各作物ごとに、全国平均と比較して、個々の野菜の質がどうなのか、「見える化」できる仕組みを構築しており、その評価とともに、抗酸化系、免疫系、解毒系と分類して野菜等を販売する東京・六本木アークヒルズの「べジマルシェ」の取組み等が武井室長から紹介され、参加者は、興味津々でした。

 野菜の硝酸イオン含有量と糖度、
  ビタミンC、抗酸化力とは反比例する
 また、これまでの分析データから、野菜の硝酸イオン含有量と、糖度・ビタミンC・抗酸化力は、反比例する関係にあることや、水耕栽培等で、硝酸イオン含有量と糖度は、コントロールできるものの、それ以外は、現状では、土耕栽培には、かなわない等についても、解説が行われました。
 講演後も、約三〇分ほど、参加者からの質問が相次ぎ、ついには、終了時間となってしまいましたが、それほど、参加者の関心の高さをうかがわせる公開講座となったようです。(報告:千葉BM技術協会 副会長 礒田有治)

Author 事務局 : 2014年07月01日 08:39

 
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