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2006年12月14日

ファーマーズクラブ赤とんぼが「土と水の学校」を開催

 10月23日、山形県のファーマーズクラブ赤とんぼで、技術開発委員会のメンバー9人が参加し、~自然学を実践する~「土と水の学校」が開催されました。米の収穫を終え、今回は今年一年間テーマとして取組んできた「米の安定収量と食味・品質の向上を目指す」の結果と問題点の確認、そして来年への取り組みについての検討等が行なわれました。

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収穫も終わり来年に向けて結果、問題点の確認を行う参加者たち

 今年三回目となる今回の学習会は、まず取組み生産者からそれぞれ結果報告を受けつつ問題点、課題を明らかにし、さらに小祝先生から具体的なアドバイスをいただく形で進められました。
 最初に、会場にもち込まれた各生産者の収穫時の稲の根をみて、小祝先生は「皆さんに伝えることはもうほとんど有りませんね。二年間実践してきた微生物のことやミネラルのことを数字的にもう少し煮詰めていって、一つ一つを確実にこなしていく、それ以外にはもうありません」と冒頭に感想を述べました。

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今年収穫した稲の根を確認する小祝先生(右)

 その後、生産者からの報告が続き、二年間土壌分析に基づいた施肥を行った結果、収量が上がった事、圃場が変わってきた事、取り組んだ手応え等が報告され、また来年に向けての課題についても確認が行われました。
 ワラの秋処理については、ワラは酸性になると分解されにくいので、酸性土壌では石灰や苦土をあらかじめ圃場に投入してPHを上げ、併せて必要なチッソ成分量も投入し、春には十分に分解されている事が大切であることを確認しました。
 「これまでは、稲の収穫に向かって、チッソを切り、色を落としていくと教わっていたが」という生産者からの質問に対して「有機栽培の場合は色を落さないで穂肥をやることが大切。慣行栽培では一般的に、収穫時の稲の色が黄色くなっているが、本当は若干薄い緑が残るぐらいが収量も一番取れて食味もよい」と、小祝先生から指摘がありました。
 収量を上げるポイントについては、
①植え株数が同じで基肥が同じであれば穂肥で収量が違ってくる。栽培期間中、天候がよく、生育も順調な時は、苦土、チッソを適量、追肥すると収量増になる②天候によって追肥のタイミングを検討する③有機肥料を入れる時は有機肥料を正常に分解する菌を先に入れておく、生物活性水を投入してから有機肥料を入れるのが効果的である④良い苗を作り、田植え後の苗の活着を早くさせて、根から十分に養分を吸わせ、光合成をさせる事が重要。老化苗を使用すると、収量等に大きな影響がでるため、老化苗にしない育苗管理をする――という確認を行いました。
 一方課題としては、減収の要因の一つとなる雑草管理について、除草の効果的な方法の確立が上げられました。

Author 事務局 : 2006年12月14日 16:04

 
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