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2006年12月14日

大郷グリーンファーマーズが「土と水の学校」を開催

 宮城県・(有)大郷グリーンファーマーズの「土と水の学校」が、10月24日に、24人が参加し、開催されました。
 今回の学習会は、迫ナチュラルファームの菅原隆一さんのトマトのハウスでの現地研修からスタートしました。菅原さんからは「トマトは3月に定植を行ない6月、7月は今までになく樹の調子が良く、八月のお盆のころまでは順調に収穫できた。その後、収穫に追われて、追肥作業が追いつかず、収量が減ってしまった」と説明がありました。

 トマトの場合、5段目までは基肥で収穫できるがそれ以降は追肥で育てる必要がある事、三段目の収穫が始まったら追肥を行なう等、樹勢がよい時に追肥をする必要がある事を現場で確認しました。
 次に、佐藤亀久夫さんのキュウリのハウスを視察しました。ハウスのキュウリは、収量は上がっているものの、ネコブセンチュウに悩まされています。
 キュウリの根を抜いてみると下にまっすぐ伸びる直根がなく、細かい根が横に広がっている状態でした。浅い根はネコブセンチュウの被害を受けやすく、被害を少なくするためには根が土中深くまで伸びる必要があります。しかし、土中に鉄が不足していると根の呼吸がうまくいかず根が深く入りません。また、有機肥料がネコブセンチュウの餌になるため、施肥するときに肥料に線虫の嫌いな放線菌を付けておくと、ネコブセンチュウの対策になる事を参加者で確認しました。

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1年目の取り組みの結果を確認し、来年に向けての課題を話しあう参加者たち

 圃場での研修の後は、場所を会議室に移し、今年の取り組みの報告が各生産者から行われました。午前中の圃場研修で回った菅原さんは、「微量要素がこれほど作物の生長に影響があるとは思わなかった」と、率直な印象を報告し、「来年は追肥等、管理をしっかり行い、8段目、9段まで収穫できるようにしたい」と意欲を語りました。
 大郷グリーンファーマーズの熊谷剛介さんは、「トマトについては、菅原氏と同様に4、5段目までよく収穫できたが、以降追肥の遅れなどにより、6、7段目が収穫できなかった」と報告しました。また、キュウリについても、初期成育が良かったために追肥のタイミングが遅れたこと等を報告しました。

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今年の成果である野菜が学習会会場にならぶ

 今年の結果を踏まえて、野菜については追肥を確実に行う事、稲作については秋の内に肥料(苦土、石灰、堆肥)を散布し、ワラ処理を確実に行う、等が課題として上げられました。  各生産者の報告の後、午前中の圃場研修で回った佐藤さんのトマトのハウスで問題となっているネコブセンチュウについて、小祝先生から対策の具体的事例が紹介されました。  また、稲作について、小祝先生から「稲は体づくりが終わった後に実を付けるために穂肥が必要。しかし、穂肥をするためには穂揃いしていなければならず、穂揃いするためには、分けつがしっかりとれていなければならず、すべてがつながっている。その為、ワラの秋処理がしっかりしていないといけない」と、ワラの秋処理の大切さが解説されました。

Author 事務局 : 2006年12月14日 16:23

 
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