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2008年05月01日

西日本BM技術協会と大分BM技術協会共催のBM研修会を開催 【AQUA196号】

九州の岩石と水の関係、やまなし自然塾の発酵飼料づくり等を研修

 3月14日、西日本BM技術協会、大分BM技術協会共催による研修会が熊本県阿蘇町の内牧温泉・阿蘇プランザホテルにて開催されました。
 当日は、両協会会員の生産者や生協関係者など35人が参加しました。今回の研修会は、岡山大学地球物質科学研究センター准教授の奥地拓生氏による「日本列島の形成と九州地方の岩石と水」、協会常任理事の(株)山梨自然学研究所代表取締役・向山茂徳氏による「農と環境―土と水と食を考える」・「生物活性水によるクロレラの培養と養鶏飼料化実験~クロレラを鶏の飼料にする研究~」と題した講演が行われました。研修会は、はじめに協会常任理事で西日本BM技術協会の荒木隆太郎会長から研修会開催の挨拶の後、両氏の講演がありました。

講演「日本列島の形成と九州地方の岩石と水」
岡山大学地球物質科学研究センター 准教授 奥地 拓生 氏

 岡山大学の奥地准教授からは、「九州の阿蘇山の火山活動により九州全土だけでなく山口県、愛媛県まで噴火により飛ばされてカルデラができた。新しい地質時代に九州全域の土は阿蘇の石があることにより農業生産が支えられている」「九州山地にある石灰岩は、はるか南の温かい浅い海でつくられたものが、大陸移動により現在の九州まで運ばれてきた。」「カンラン岩が溶けてかたまって玄武岩になり、それが溶けて花崗岩、安山岩に変わっていく。このときミネラル成分の濃縮が起こる」「阿蘇の周辺には湧水がたくさん有る場所でもある」「阿蘇が火山灰と水を供給する山である。阿蘇の地下で生きものが使える水が作られている」――等、阿蘇の火山活動と岩石の関係が、九州の土と水をつくってきたこと、BMW技術は、こうした自然界の営みを人工的に再現しているとの講演をいただきました。

講演「農と環境―土と水と食を考える」

「生物活性水によるクロレラの培養と養鶏飼料化実験~クロレラを鶏の飼料にする研究~」

(株)山梨自然学研究所 代表取締役 向山 茂徳 氏

 (株)山梨自然学研究所の向山代表取締役からは、BMW技術と活動について、「BMに取り組んで約20年になる。最初に山梨県で、今日の全国交流会のもとになる拡大幹事会が開催された。私が経営する採卵養鶏の黒富士農場は、最初は量産型の鶏舎だったがBMW技術と出会ってからは平飼いに移行してきた。農場の財産は場内を流れる沢水。農場を磨くのは感性が必要。卵をおいしく食べてもらうためには、食べる人が農場の風景を思い浮かべられるような農場にしたい」「山梨県内でのBM技術活動は、やまなし自然塾というブランドで塾活動を始めた。最近は農を中心に食文化、医、教育などにかかわる活動をしている。小学校の社会科の授業で、農場で子供たちを、鶏と触れさせて、その体温を感じてもらっている」「会員の奥さんたちにも活動に参加してもらっている」――等の報告がありました。
 また、現在、畜産で課題となっている飼料については、「5年くらい前から発酵飼料作りに取り組んでいる。生物活性水をベースに使って、オカラ、正油の絞りカス、オキアミ、味噌の押し出し、菜種油の廃油など、地域にある未利用資源を使って作っている。ヨーグルトや納豆菌を利用して発酵させている」「クロレラの培養は二酸化炭素と太陽光と生物活性水を原料に作っている。発酵飼料も栄養分析や菌、アミノ酸のデータをとっている。乳酸菌、納豆菌はサルモネラに対して有効」――等の実践研究報告が行われました。
 BMW技術に早くから取り組んできたやまなし自然塾の活動は、農畜産物の生産だけではなく、農を取りまく文化にも活動のはばを広げてきたことが分かりました。
 研修会の翌日は、奥地氏の講演を受けて、阿蘇のカルデラを見学に行きました。カルデラを一望に見渡せる大観望では、カルデラの形成の仕組みなどを、奥地氏から丁寧に説明を受け、改めて阿蘇の雄大な自然に驚きました。 (報告:星加浩二)

Author 事務局 : 2008年05月01日 00:54

 
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