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2008年08月01日

BMW技術を活用した有機栽培に着手 【AQUA199号】

パルシステム千葉・NPO支援センターちば
~自然学を実践する~「土と水の学校」初級編 有機栽培講座in野田を開催
 
            NPO支援センターちば 遠藤 尚志

 二〇〇四年からパルシステム千葉とNPO支援センターちばが中心となって進めてきた野田市における「園芸福祉」農場では、今年から地域循環型システムの展開を実践するため、BMW技術を導入し、複合型の農場作りを進めています。
 一月にBMWプラント(生物活性水)を野田市の生産者宅に設置し、二月からは、関係者でプラントに岩石等の設置作業を行い、生物活性水の培養を開始しました。三月には生物活性水が完成し、それを記念して「BMW技術プラント視察・研修会」を開催しました。また、この間「BMW生物活性水の作り方」「地域の微生物を生かすBM菌体づくり」「栽培段階での使用に関する利用法」等のテーマで生物活性水を有効利用していくための実践技術研修会を、㈱匠集団そらやBM技術協会の指導で、これまで三回開催しています。
 そこでいよいよ、野田市においても、BMW技術を作物栽培に活かし、健全な作物を生産する有機栽培技術を実践する―――ことを目的として、地域の循環型・有機栽培を目指す方たちとともに「有機栽培講座」の開催と「栽培実験」に取組むこととなりました。
 こうした背景のもと、六月八日(日)、「~自然学を実践する~『土と水の学校』初級編 有機栽培講座in野田」を野田市船形自治会館、野田市園芸福祉農場にて開催しました。講師には、体積法による土壌診断や植物生理に基づく施肥設計による有機栽培手法を全国で指導されている「土と水の学校」講師の小祝政明氏をお招きし、講座には野田市の生産者、園芸福祉農場「お~い船形」ボランティアの方々や、パルシステム千葉、NPO支援センターちば職員らが参加しました。
 講座は、圃場の見学、その後、講義という形で進められました。前半の圃場見学では、最初に園芸福祉農場である「お~い船形」(畑四・五反)の栽培状況を確認しました。施肥状況をチェックした後、作物の葉の色や水のはじき方、育ち具合から、どういった肥料が不足しているのかについて、畑の中を実際に歩きながら一つ一つの品種について小祝氏のアドバイスや指摘をいただきました。
 次に、生物活性水やBM菌体等を活用した有機栽培実験を行う圃場(ハウス八〇坪)を確認しました。同圃場では、実験区と地元従来の栽培方法による対照区を設け、インゲン、ホウレンソウを栽培する予定です。こちらは、これから栽培を行うため、これまでの施肥状況と土の確認だけでしたが、それだけで前作の育ち具合や問題点を的確に言い当てる小祝氏に参加者一同驚きの様子で、有機栽培における肥料の重要性について理解が深まったのは間違いありません。
 後半の講義では、まずは最も基礎となる植物の光合成の仕組みから始まり、アミノ酸とミネラルの働きについて有機栽培の基礎となる部分の解説を小祝氏からいただきました。化成と有機は何が違い、どういうメリット、デメリットをもっているのか等、これまで経験でしか把握していなかった部分について極めて理論的に納得することができ、参加者も目からウロコの様子でした。
 午後には、今後の「栽培実験」にむけて、具体的にどうやって施肥設計を実施したらよいか、実験圃場の土壌分析データ等を例に、パソコンを使用して、研修を行いました。
 今後は、七月に今回学習した有機栽培理論と生態系を再生するBMW技術とのコラボレーションで、貴重な水資源を守ることにも考えを及ぶす事を総合的に学ぶ「BMW技術基礎講座」、そして八月には、「有機栽培技術講座・実践編」を開催する予定です。この一連の講座とともに地域循環型農業の確立を目指して取り組みを進めていきます。

Author 事務局 : 2008年08月01日 21:28

 
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