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2009年04月01日

パルシステム「こんせん72牛乳」生産牧場でBMW技術を導入【AQUA207号】

パルシステム「こんせん72牛乳」生産牧場でBMW技術を導入
根釧地区の酪農家とパルシステム、BM技術協会で、今後学習活動を展開


 二月七~八日、パルシステム生活協同組合連合会の「こんせん72牛乳」生産牧場である北海道厚岸郡厚岸町の石澤牧場において、レインボー・パル基金助成活動対象施設プレート及び、BM技術協会認定プラントプレート設置式が行われました。石澤牧場には、二〇〇八年度パルシステム連合会のレインボー・パル基金の助成対象として、BMW技術を利用した生態系本来の水をつくる飲水改善施設が、「こんせん72牛乳」生産牧場に初めて導入されました。
 当日は、パルシステム連合会から、和知稔専務補佐と那須豊産直開発課長、BM技術協会から椎名盛男常任理事、礒田有治事務局長、施設施工に当たった㈱匠集団そらから星加が石澤牧場を訪問し、レインボー・パル基金助成活動及び協会認定プラントプレートの設置を牧場主の石澤元勝さんと一緒に行いました。
 石澤牧場でのBMW技術の取組みは、一昨年に生物活性水を購入して牛の飲水へ添加したところ、搾乳牛の乳房炎の治りが早くなる等の効果があったことがきっかけとなり、その話を聞いたパルシステム連合会のすすめで今回の飲水改善施設の導入となりました。
 厚岸町では地下水の水質が悪く、乳牛の飲み水には、上水道を利用しています。そのため、石澤さんは本格的にBMW技術に取り組もうと、手始めに飲水改善プラントの導入を検討していました。石澤牧場の生乳は、パルシステムの「こんせん72」牛乳として多くの組合員へ供給されています。その関係からレインボー・パル基金の助成を利用することができ、昨年の九月、飲水改善プラントが設置されました。
乳房炎の減少により生乳出荷量が一四%増
 石澤さんは、牛を牛本来の生態にもとづいて飼育するマイペース酪農に取組んでいます。マイペース酪農では、親牛一頭あたり牧草地一ヘクタールを利用して、牧草を主体にして輸入濃厚飼料はあまり使わず、搾乳量も五千~六千リットル/年間(一頭)程度にし、牛への負担を少なくし、健康で長く飼養することに主眼を置いています。現在、石澤牧場では搾乳牛を四五頭飼育し、草地は五三ヘクタールとなっています。北海道での酪農の主流である多頭飼育・多量搾乳とは正反対で、その名のとおりマイペースで牛にも、そして管理する人にも無理がかからない方法です。人のためになってくれる家畜を健康に飼育することができるように、生態系の飲み水に変えて飼育するBMW技術の考えかたにもマッチしています。
 昨年八月の飲水改善施設導入以降、「乳房炎の発生が減少し、発生しても、治りが早くなる等の効果が見られ、このため、生乳の出荷量が一四%アップしている」と石澤さんは話します。
地元酪農家らとミニBMW学習会を開催
 七日の夜は、マイペース酪農に取り組んでいる厚岸町や別海町の酪農家など十人が石澤牧場に集まり、BMW技術のミニ学習会が開かれました。礒田事務局長からは、BMW技術の概要、椎名常任理事からは、北海道における技術展開の歴史や、BMW技術の「水」について解説が行われ、参加した酪農家の皆さんからも、活発な質問が寄せられました。
 また、学習会に参加したマイペース酪農の高橋昭夫事務局長からは、根釧地区においては、酪農からの糞尿が地下水を汚染してきた結果、家畜のみならず、人も上水道に頼らざるを得ない状況になっていることや、道東地域の沿岸部の漁業にも深刻な影響を与えている。そのため、行政や地域の漁協も協力して、酪農家の糞尿処理に助成している状況になったことをお聞きしました。
 パルシステム連合会の和知常務からは、「こんせん72牛乳」を根釧地区からこれからも供給し続けていくために、石澤牧場でのBMW技術の取り組み事例をもとに、環境問題への取組みに協力し、BMW技術をはじめとする学習会を生産者、BM技術協会とともに、ここ厚岸町から始めていきたいと提案がありました。
 今後、生産者、BM技術協会、パルシステム連合会の三者で協議の上、学習会活動を展開していく予定です。(報告:㈱匠集団そら 星加浩二)

Author 事務局 : 2009年04月01日 20:51

 
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