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2012年08月01日

【AQUA245号】涸沼生態系再生プロジェクト

茨城県茨城町 〜涸沼生態系再生プロジェクトが始まりました。

 清水澄常任理事(茨城BM自然塾塾長)の「思い」と「願い」が涸沼生態系再生プロジェクトを立ち上げ、かつて豊かな生態系が保全されていた涸沼の再生に向けての取り組みがスタートしました。
 茨城県の東北部に位置する「涸沼」は、茨城県の山々の豊かな水源が流れ込み、淡水と太平洋の海水が混ざり合う汽水湖で、自然生態系が循環していた約五〇年前は、藻類、沈水植物群(水生植物)が豊富にあり、魚介類にとって絶好の産卵場所でもありました。有数のシジミの産地であり、一九七〇年代前半には年間約六〇〇〇トンのヤマトシジミの漁獲量を誇っていましたが、その後の日本の経済成長、宅地化などの影響を受け、現在は半分以下まで落ち込み、豊かな自然環境の中で形成されていた生物多様性が崩れてしまっています。特に湖底に積るヘドロは湖内で堆積されてしまい、自然生態系壊滅の元凶となっています。さらに追い打ちをかけるように昨年の東日本大震災直後に原発事故が起こり、九つの河川が流入する涸沼は山々に蓄積された放射性物質が同じように蓄積されるのではないかと不安視されています。現に、このシジミを使用した加工品の放射能検査においてセシウム一三七が検出されたとのことでした。
 二〇〇九年に茨城県大洗市で行われた第一九回BMW技術全国交流会は「水が育む「農・食・くらし」〜筑波山系から涸沼へ「いのち」の物語」をテーマに開催され、その後も引き続き、茨城BM自然塾、茨城町自然と水を守る会を中心に涸沼流域の環境改善運動を続けてきました。今年に入り、パルシステム茨城や茨城町の賛同もあり、「涸沼生態系再生プロジェクト」が立ち上げられ、五月二四日にはパルシステム茨城水戸センターにおいて設立総会が行われました。このプロジェクトの構成団体は、茨城BM自然塾、パルシステム茨城、茨城町自然と水を守る会、茨城町みどり環境課の四団体で構成され、BMW技術協会はその活動を全面的にバックアップしていきます。また、放射能汚染調査等に対しては、今年度から設けられたパルシステム連合会の基金制度を利用し、支援をいただくことも決定しました。
 本来豊かであった「自然生態系再生」に向けて、現状調査としては涸沼のヘドロや水生植物等の放射能汚染を、定期的に専門機関に依頼して計測。ヘドロの浄化実験は清水常任理事が作った実験プラントに、BMW技術バイオリアクターを設置、シジミや水草などの繁殖にその効果が期待されています。また、これにあわせて涸沼の生態系等についての学習会等も行う予定です。清水常任理事は「何とか少し形になってきてはいるが、まだまだこれから。筑波大学や足利工業大学からも協力を得て、じっくりと取り組んでいきたい。」とのこと。
     (報告:BMW技術協会事務局)

Author 事務局 : 2012年08月01日 22:08

 
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