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2013年09月01日

【AQUA257号】西日本BMW技術協会 第21期総会・研修会と、BMプラント巡回報告

グリーンコープ連合BM事務局 秦 武士

 「西日本BMW技術協会第二一期総会」が開催され、会長に浦克稔氏を選出し、引き続きBMW技術の普及を進めることが確認されました。

 七月五日(金)、福岡市博多区で西日本BMW技術協会総会・研修会が開催されました。午後二時から研修会が開催され、午後四時一〇分から総会が開催されました。総会の様子を先に報告させていただきます。
 総会は四八名の参加で開催され、理事の野口雅彦氏の司会、会長代行の浦克稔氏が議長をして進行しました。
 総会では、①BMW技術を、西日本BMW技術協会のエリアで更に普及させることを目指す。②会員のBMプラントが適切に管理されるように、BMプラントの巡回点検を行う。‥などの今年度の方針が確認され、浦克稔(うら・かつとし)氏を会長に選出しました。

一、浦克稔会長代行の挨拶
 総会資料の中に会長挨拶として案内させていただいておりますが、本来であればここに立つべき方は紅会の前会長でもある中村康則さんであります。みなさんご承知の通り今年の二月末に不慮の事故で亡くなられました。本日この場で中村さんのご子息である中村大輔君が皆様にどうしてもお礼が申し上げたいということです。少しだけ時間をください。

中村大輔さん……西日本BMW技術協会のみなさんには、生前父が大変お世話になりまして、このような形で退任になるとは私も思ってもおらず、皆様に大変ご迷惑をおかけして申し訳なく思っています。葬儀の際にはたくさんの皆様にご参列いただき、この場を借りて感謝申し上げます。私事になりますが、生前父と話しておりましたが、今年の五月に養豚業を引き継ぎました。それに伴い、BMW技術も全力で頑張っていきたいと思います。これから皆さんに多々ご迷惑をおかけするかもしれませんが、その際はよろしくお願いいたします。

 中村さんの葬儀の際は遠方より駆けつけていただきましたこと、紅会を代表して心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。こういった経過があり私がこの場に立たせていただいておりますが、実は、中村さんが亡くなられる前日に、中村さんから私に電話があり、BMW技術の歴史、現状、今後について二時間ほど話をされました。そんなお話を聞いたこともあって、会長就任の打診をいただいたときに快く引き受けさせていただいた次第です。よろしくお願いいたします。
 私は、BMプラントは九三年に導入し、経験としては多少はあるつもりでしたが、先程の礒田さんの話を聞きながら、自分がそんな立場で今まで話を聞いていなかったと改めて感じさせられました。今後は会長代行として、改めて西日本BMW技術協会の発展に尽くしていきたいと思います。
 今回、中村前会長の一番の思いであったプラント導入者に対する取引条件等々がグリーンコープ連合会のおかげで叶うことになりました。先程の研修会でもありましたが、畜産そして耕種農家がひとつになって今後更にいい商品を作っていくことが最も大切だろうと思っております。私もしっかりと行動していくことを、この場でお約束させていただきます。今後とも、みなさんのご指導ご鞭撻、そしてご支援を切にお願い申し上げ、私からのご挨拶と代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

二、来賓の挨拶
 (BMW技術協会事務局長:秋山澄兄氏)
 中村前会長とは、昨年常任理事になられてから、短い間でしたが何度かお話しさせていただきました。西日本BMW技術協会の歴史、BMW技術との関わりなど熱いお話しを聞くことができたうちの一人で、今でも強く印象に残っており、残念な気持ちでいっぱいです。
 今後は、新しく浦会長代行を先頭に西日本BMW技術協会の多くのみなさんが、今回の研修会や様々な取り組みを進められ、これを全国のBMW技術の仲間に発信していただきたいと思います。
 私たちを取り巻く状況は厳しく、先行き危うい未来ですが、こんなときだからこそ、全国のBMW技術の仲間で頑張っていけるようにしたいと思います。BMW技術協会としても頑張ります。よろしくお願いします。

三、総会の議題について
第二〇期の活動報告・会計報告・監査報告、第二一期の活動方針・予算案・会長選出と役員の補充が拍手で了承されました。了承された主な点は、以下の通りです。
a.第二〇期(二〇一二年度)活動報告
・ BMW技術協会、匠集団そらに協力いただきながら、会員のBMプラントを巡回点検しました。
・生物活性水の供給を半額負担の仕組みにしました。
・「耕種農業における生物活性水の使用ガイド(第二版)」をグリーンコープ連合BM事務局と一緒になって作成しました。これからBMW技術に取り組もうとする場合、どういう使い方をすれば良いのかということでガイド(第二版)を作成しました。(今回の研修会でも配布しました)
・西日本BMW技術協会会報は第一号を六月二二日開催の研修会・総会報告特集号として二〇一二年七月一七日発行しました。
b.第二〇期(二〇一二年度)会計報告
①収入②支出③次期繰越等、適切に会計がなされていると、監事からの報告がありました。
c.第二一期(二〇一三年度)活動方針
①BMW技術が、西日本BMW技術協会のエリアで更に普及することを目指します。
グリーンコープ連合の「BMW技術を使った場合の優先取り扱い」に対応して、西日本BMW技術協会のエリアで更にこの技術が普及することを目指します。そのための研修会や使用ガイドの充実を目指します。
②会員のBMプラントが適切に管理されるように、BMプラントの巡回点検を行います。
 昨年のBMプラントの巡回点検は好評でした。今年度はBMプラントの管理が一定レベル以上になるようにBMプラント管理マニュアルも充実して行きたいと思っています。
d.二〇一三年度(平成二五年度)の生物活性水の価格について
 佐賀県唐津市の中村養豚場の生物活性水をお届けする仕組みです。前年度と同様に、引き続き「半額での提供」とします。
※この生物活性水は、用途を農業(耕種農業、畜産)に限定しています。
e.第二一期(二〇一三年度)予算
①収入②支出③単年度収支、次期繰越と次年度以降の収支について

四、会長選出と役員の補充について
 今年は改選期ではありませんが、故中村会長の後任会長と役員の補充を以下のように行いました。

会長…浦 克稔(新任)(福岡県 紅会)
理事…荒牧洋一(大分県 グリーンファーム久住)
理事…緒方利光(熊本県 やまびこ会)
理事…川口尚幸(新任)(佐賀県 紅会)
理事…柴田周作(福岡県 糸島BM農法研究会)
理事…西村大輔(新任)(福岡県グリーンコープ連合)
理事…横手俊郎(福岡県 ヨコテ)
理事…渡辺洋一(熊本県 熊本県愛農会野菜部)
監事…押田 明(宮崎県 綾豚会)
顧問…片岡宏明(福岡県 グリーンコープ共同体)
事務局長…宮﨑利明(福岡県グリーンコープ連合)

研修会「生物活性水・BM堆肥・土壌~耕種農業でのBMW技術の活用」を開催しました。

 研修会は、西日本BMW技術協会総会に先立って同じ会場で、西日本BMW技術協会会員やオブザーバーを含めて五五名の参加がありました。
 標記の演題で、講師は(有)千葉自然学研究所 代表取締役で千葉BM技術協会 副会長の礒田有治氏から講演していただきました。
 講演内容の概要は、以下の通りです。
①まず、土壌の分析を行い、栽培・土作りの方法を考えて、試し、確認するプロセスが大切である。
②BMW技術についての説明。BMW技術の水には、植物に吸収されやすいキレート化したミネラルが含まれている。
③BMW技術の核はバイオリアクターシステムである。
④生物活性水中の微生物はどうなっているか。
⑤耕作へのBMW技術の活用では、堆肥や土作りが大切である。
⑥堆肥素材(牛糞や豚糞、鶏糞、他)によるC/N比の違い。
⑦堆肥作りの実際。千葉県の実例なども含めて。
⑧その他、野菜の栄養素の変遷など。

BMプラント巡回点検を進めています。7月6~9日にかけて西日本BMW技術協会会員のプラントを巡回点検しました。

 昨年より西日本BMW技術協会会員のBMプラントを巡回するようにしました。
 総会でも報告しましたように、昨年の巡回点検では「BMプラントを作ったのは一〇年以上前になるが、BMW技術協会(匠集団そら)から点検してもらったのは始めてである」という会員もいました。また、BMプラントが適切に管理されている場合でも、点検を受けた会員から「そういう意味があったのですね。」ということで、とても良かったと思います。

 今回(七月六〜九日)の巡回点検では、以下の一六ヶ所のBMプラントを点検させていただきました。(敬称省略)

七月六日(土)
 紅会:浦克稔(浦ファーム)
(福岡県糸島市:養豚場)
 紅会:井上博幸(井上ピッグファーム)
(福岡県糸島市:養豚場)
 (有)ヨコテ(福岡県糸島市:採卵鶏生産者)
 糸島BM農法研究会:柴田周作
     (福岡県糸島市:青果生産者)
七月七日(日)
 紅会:中村大輔(ドリーム野高)
(佐賀県唐津市:養豚場)
 紅会:野口孝弘(唐津ピッグファーム)
(佐賀県唐津市:養豚場)
 紅会:川口尚幸(川口畜産)
(佐賀県武雄市:養豚場)
 西岳高原農場(長崎県西海市:養豚場)
七月八日(月)
 やまびこ会  (熊本県宇城市:青果生産者)
 熊本県愛農会野菜部
   (熊本県御船町:青果生産者)
 清村養豚場  (熊本県御船町:養豚場)
 ㈲大矢野原農場:日永輝夫
   (熊本県山都町:若鶏生産者)
 那須ファーム(熊本県松橋町:採卵鶏生産者)
 庄村養鶏場 (熊本県松橋町:採卵鶏生産者)
七月九日(火)
 サンファーム(熊本県宇城市:採卵鶏生産者)
 南阿蘇村有機肥料生産センター
  (熊本県南阿蘇村:堆肥センター)

 巡回した中では、概ね管理状態は良好でした。ただ、豚の尿処理BMプラントで、処理がうまく行っていないプラントが二ヶ所ありました。その二ヶ所については、改善対策をそれぞれ相談した上で、改めて七月末に訪問する予定にしています。
(以上、西日本BMW技術協会会報第三号より一部転載させていただきました。)

Author 事務局 : 2013年09月01日 20:51

 
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