【AQUA239号】「2012年を迎えて」年頭挨拶

BMW技術協会 理事長 伊藤幸蔵

 新年あけましておめでとうございます。昨年三月一一日の東日本大震災で尊い命を失われた方々に哀悼の意をささげます。また、地震・津波それにともなう東電、福島第一原発事故で被災された方々の一日でも早い復興をお祈りいたします。
 東日本大震災(自然災害)・原発事故(人災)以降、福岡で開催された第二一回全国交流会テーマでもある、「原点に返る、BMW技術」〜技術と人の再生に向けて〜の「原点に返る」ことや「再生」に向かうことが、我が身に、そして日本に住むすべての人に、言葉や活字だけではなく、現実のものとして降りかかり、決断し行動する事を求められていると思っています。そのような中、BM技術協会、会員も日々の活動に加え、復旧や復興支援、放射能汚染の対応に力を注ぎつつ、同時にBM技術協会の一般社団法人化も進めてきました。
 BM技術協会は、生命活動の基礎であるBMW(バクテリア・ミネラル・水)の地球生態システムを、生産と公共の場で再生、回復するための諸問題と技法を会員と共同で研究し、これを普及させるために生産現場での技術革新と農村漁村および都市地域における実践を行い、そして、生命環境の危機をもたらしている自然観、技術、生産のあり方を変え、地球環境の浄化を推進することを目指し、全国の生産者・消費者ネットワークを拡げ、豊富な情報交換や技術交流を活発化させてきました。法人化することにより、BM技術協会及び匠集団そらが設立以来行ってきた「ソーシャルビジネスと社会運動」から「資本主義ビジネス」に変節することはありません。今後も日本そしてアジアを含め、環境問題と農業問題にとってBMW技術は、その解決手段として社会的必然性をもっていると考えます。二〇年以上に及ぶ活動において積み重ねてきたものを確固たるものとするためにあらためて原点に返る、さらに「技術」「理念」や「知識」、そして会員の連帯をより有効的に活用して行く上で、BM技術協会は社会に対して実践的な技術をもった組織として「任意団体」から社会的使命を果たせる「一般社団法人BMW技術協会」へ進化しました。(法人化しBM技術協会→BMW技術協会に名称変更)

今後の活動計画
①セミナーや学習会、講演会などを中心とした交流を活発化させていきます。
 勉強会・講演会等のアイテムを協会から提案し、全国の地方協会を中心に会員に募集を呼びかけます。外部からの講師の要請、内容に関しては検討が必要かと思われますが、常任理事及び、各理事の中、あるいは会員の中から勉強会の講師になって頂きたいと考えています。年二回の開催を予定している若者勉強会は、次世代を中心にBMW技術を一から学ぶ講座として、または再度一からBMW技術を勉強したい方のために開催します。そこでまた新たなネットワークができ、広がりを持たせたいと考えていますし、なにより「技術は楽しい」を実感して欲しい。また、BMW技術以外の講座(番外編)としても、生協運動の歴史の勉強会や環境問題への取り組みをテーマにした講演会などの提案、企画などもやっていく予定です。それらは私の経験の中に、二〇代の頃からBMW技術に携わる先輩方のご指導、ご鞭撻に支えられてここまでやってこられたと言うこと、BMW技術協会がひとつの支えになっていたという思いがあります。今後はさらに若い世代の同じ意思を持つ人たちへ引き続き継承していくこと、協会の存在がある意味「拠り所」、支えとなるようにという思いがあります。
②全国のBMプラントの稼働状況の確認と課題の把握。
 すでに実行していますが、匠集団そらと連携して全国のプラントを巡回し、稼働状況や課題等を確認して行きます。時間との勝負にもなりますので、地方協会にも協力して頂きます。また、匠集団そらと独自にメンテナンス契約をしている施設もあるので調整もしていきます。
③海外研修生の受け入れ、または海外への研修派遣の相談窓口
 アジア各国の研修生を各会員の農場で受け入れ、研修生がBMW技術を習得して国に戻りBMW技術を実用化し有機農業を実践できるようにする。また、会員の中で海外のBMW技術協会関係各所への研修の相談窓口を設置していきます。
④事務局の強化
 事務局は上記活動が円滑かつ活発に進むよう、事務局長一名、事務局員二名の配置を予定しています。事務局員一名は、法人会員から協会への出向(研修)というかたちで派遣をしていただく。現在、ポークランド、米沢郷牧場より時期をずらして、一名ずつの派遣を検討しています。もう一名に関しては関係各所を中心に募集を呼び掛ける形で、いずれもBMW技術の研修が含まれ、技術者としての育成も含みます。
⑤会員ネットワークの強化
 BMW技術協会のように北は北海道、南は九州・鹿児島県まで全国に会員がいて、そのネットワークの広さを持った(農業技術を中心とした)団体は多くはありません。技術は無論、この技術を守り、拡げるために築いてきたネットワークこそが協会の持つ大きな意義(強さ)でもあったかと思われます。昨年八月に開催した肥田先生の講演会で話された、「日本人は諸外国に比べ、人として生きる権利=人権意識が低い→人任せ・国任せである」ではなく、人、組織を磨きながらも、その根強いネットワークを再認識し全国組織の強化に努め、更に技術と理念の両輪バランスを整え、より多くの会員、地域のために活動を前進させたいと考えます。
 BMW技術協会はこれまで築いてきた土台の上に立ち、さらなる未来への希望に繋がる「食」「暮らし」の構築に向け、有機農業においての最も優れた技術、理念を手に正面から取り組んでいきたいと考えております。
 前進しましょう!

Author 事務局 : 2012年02月01日12:38

【AQUA239号】第21回BMW技術全国交流会報告

 昨年一一月に行われた第二一回BMW技術全国交流会のレポートを掲載します。一二月号では速報というかたちで実行委員会事務局の宮﨑さんからのレポートが掲載されました。今月号では今回の大会に参加された若い会員の方に書いてもらったレポートを三コースの視察レポートと合わせて掲載します。また、次号(二月号)では大会後の反省会と次回の高知大会へ繋げることの意味合いとして開催される実行委員会(一月一六日開催予定)の報告と中村実行委員長の総括を掲載する予定です。

第二一回BMW技術全国交流会開催にあたって〜第二一回BMW技術全国交流会
          実行委員長 中村康則
 3・11の地震。被害、福島原発の事故は心よりお見舞い申し上げますとの挨拶にはじまり、大会の開催を議論する声も上ったが、被害に遭われた会員の皆様にもご参加いただき、予定通り開催することとなった。九州での開催は一〇年ぶりになります、震災復興を含め、今、地球環境危機に直面している今年は原点に帰ってBMW技術を使うという取り組みを西日本BM技術協会で始めました。若い人たちにBMW技術を継承・普及を図って更なる発展を目指すことなど、そして今回は二八〇名もの皆様にご参加いただき、二八〇名の出会いがあるので楽しみにしていると話されました。このような年に開催に踏み切ることは大変なことだった思う、有意義な大会になったことを私自身も嬉しく思います。

開会の挨拶〜
    BM技術協会 前理事長 生田喜和
 BM技術協会は一〇月五日法人化し一般社団法人BMW技術協会となった。前回の第二〇回は山形を、人間で言うと二〇歳で成人に。今回は第二一回、成人としてのこれから熟成の時代を迎える。そのような意味合いの中、BM技術協会立ち上げの時に大きく貢献されたグリーンコープ連合の元専務で兼重さんの活動基盤であるここ福岡での開催は大きな意味をもつとのこと。われわれ共同体は継続性であり、世代交代は必須である。協会でも継続性を求めて法人化をした。理事長の交代、事務局の強化をすることにより経済的基盤を整えなければならないので会費の改定を会員の皆様にお願いしている次第。次世代を担うとの大きな意味合いを持って、米沢郷グループ代表の伊藤幸蔵(前副理事長)さんが理事長に、白州郷牧場グループの秋山澄兄さんが事務局長に就任した。この五年で若返り、次の二〇年はどうするか? 終焉をさせずに次につなげるために頑張って欲しいと締めました。
 これからは、私達が諸先輩方に負けないよう精進していかなければいけないと感じました。

基調報告:原点に返る、BMW技術〜技術と人の未来に向って〜
一般社団法人BMW技術協会 理事長 伊藤幸蔵
 東北地方太平洋地震により、多くの方の尊い命が失われたことに深く哀悼の意をささげます。被災された方々へお見舞い申し上げますとの挨拶にはじまり、震災の二週間後に宮城県の津波の被害が大きかった地域を訪れ、津波が襲ってきたらこうなってしまうのか、まるで戦争が起きたらこうなってしまうのかと思わせるかのように、何も無くなってしまっていた被災地の状況や、福島県を中心に放射能物質が検出された農産物に対する信用不安も大きな問題として残っていること、日本の飼料の九九%は海外に頼っているが、飼料工場が太平洋側に多くあるため、その機能が一時麻痺し、危ないところであったとのこと。引き続き、震災直後から東日本地域の各会員への安否確認、被災地訪問などのBM協会の動き、停電、断水となり養鶏場などのライフライン存続にスタッフ一同が全力で動き、発電機を設置し、不足する燃料をかき集めたなどの米沢郷グループとしての動きを報告。鶏を一羽も殺さずにすんだのは飼料米があったことが大きく影響している。八戸、塩釜、鹿島の飼料工場が機能しなくなり、名古屋から飼料を調達したことなど。これからの課題として、肥料や飼料の自給を目指すことと同時にエネルギーの自給も考えなければならないと話されました。
 そして私達BMW技術協会はこのよう時代だからこそ、原点を見つめ「進化」し続けなければいけないと締めました。大きな問題が山積みのようになっている現実、それを乗り越えていこうとする強い意志を感じました。

被災地からの報告
アイコープみやぎからの報告〜
 あいコープみやぎ 副理事長 小野瀬裕義
 震災にあたり皆さんのご支援ありがとうございました。大震災については地震、津波、原発の被害があったが、これはバラバラではない、繋がっている。今後大きな地震があればこのような原発事故がまたすぐにおきる。それ故、私たちは『反原発』を唱える必要がある。今回の件で本当の豊かさとは何かを考えることになった。(建物の写真を出して)アイコープみやぎの被災状況は建物被害が無かったが、周りは液状化現象が起きていた。また、海岸線に職員がいたが何とか生き延びて帰ってきた。(木に掴って津波をやり過ごした等)、また、生産拠点地域も津波で塩をかぶってだめになってしまった。地震の後、組合員さんのところをとにかく回ったが、ライフライン、灯油やガソリンなどのエネルギーの確保に難儀をした。今回の地震でエネルギーと電気のありがたみがわかった。皆さんからの炊き出しや支援物資の搬送ありがとうございます。放射能問題を受け、地産地消も必要だが、時には北海道や西日本のものも取り入れていくことも必要となるなどの報告がありました。
 何故、福島県に原発があるのか今回のお話でよくわかりました。しかし、『反原発』はわかるが、原発を無くす代わりに何をもってエネルギーとするのか?エタノールの話も出ていたが、もうちょっとその点についての具体的な話がないと『反原発』の説得力に欠けるのではないかと思います。

三・一一 震災を乗り越えて〜
    みやぎBM技術協会会長 西塚忠元
 協会の皆さん炊き出し、ボランティアありがとうございました。東日本大震災における宮城県の被害状況の発表がありますが、その中で自営業者の人たちは恐らく復興するのにかなりの時間がかかるだろう。また、排水設備の不備や地盤沈下の理由などにより水が流れていかない。汚水、瓦礫が流れてきていたので、これらを撤去するのに三ヶ月かかった。最終的な復興は平成二六年を目指している。現在は開発構想の話が少しずつ進んでいる。
 この八ヶ月過ごして、地震の後片付けをしながら頭では色々やらなければならないことがたくさんあった。また、人間は謙虚にならなければならない。少しずつ進めていかなければならない。西塚氏の畑は海岸から一五km離れていたので、津波の被害は無かったが、建物に被害が出た。(BMプラント、鶏舎、作業小屋等)地盤沈下は関東圏(茨城、千葉)の被害がニュースで大々的にやってはいたが、宮城県も地盤沈下でかなりの被害が出ていたということを今回の件で初めて知った。また、西塚氏の「人間は謙虚にならなければならない」という言葉に共感しました。

会津からの報告〜
       会津うまいもの塾 佐藤邦夫
 福島県の地震の被害は三地域に分かれる。(浜通り、中通り、会津)その中でも浜通りが今回の地震で最も被害が大きかった。また、浜通りに住んでいる人はあちこちバラバラになってすんでいる人がいる。現在会津は原発の被害に悩まされている。
 福島県産の農産物における出荷停止が始まっている。また、作付け停止も進んでいる。(土壌汚染による)浜通りの人たちは避難している人たちが多いので、作付けそのものをしていない。問題は中通りや会津の人たちが作付けをした場合、その農産物をどうするのかわからない部分がある。(どれだけ放射性物質を吸い上げるのか?)今年の放射能の検査は行政より個別(生産物ごとに)に聞かれることがあったので、個別の調査が必要である。また、放射能対策として、土壌を反転させたり、セシウムを吸着させたり等の対策も行っている。現状は資材を投入した圃場としていない圃場の差は出ている。BMは生物系由来のものなので放射能も浄化してくれれば良い。会津は今回の被害が福島県内と比べると少ない方だったが、今後は放射能とどう向き合っていくのかを今回の話で少しわかったような感じがしました。
(報告: 農事組合法人 常盤養鶏 唐牛冬仁)

「井上ピッグファームにおけるBMW技術と耕畜連携農業の取り組み」
 紅会 井上博幸氏の報告
    (代理発表 井手剛寛さん)
 農場は福岡市糸島市にあり、常時一五〇〇頭の豚を飼育。二〇〇日令で低カロリーの飼料でゆっくり育て、麦なども与え、肉質にこだわった飼育が印象的でした。放牧も行い、生物活性水は主に飲水改善プラントへの添加に利用。尿はBMW簡易尿処理プラントで処理し、循環農場としても魅力的でした。豚舎の設計も日頃利用しやすいように、少人数でも対応できるように工夫がなされているとのこと。小規模の養豚場がこれからどう展開し、発展していくか今後が楽しみになりました。

私の養鶏とBMW技術との出会い〜
         ㈲ヨコテ 横手俊郎さん
 糸島市で採卵養鶏を経営されている。生物活性水は鶏のコクシジウム対策に五〜一〇倍で希釈して飲ませていた。発表の内容は、横手氏ご自身で製作した自作のBMW施設の説明がメインでした。小さい五〇〇Lのタンクを使い、小規模のBMW施設を製作。こちらを鶏の飲水に添加している。BMWは使う人、使う状況で進化、発展できる点がとても魅力的に感じました。

BMW技術との出会いと野菜作りについて〜    熊本県愛農会野菜部 渡辺洋一さん
 有機JAS認証でリーフレタス、人参、玉ねぎ、大根、ほうれん草を栽培。生物活性水は清村養豚場の尿処理施設のものを利用。生物活性水は、反あたり、六トンを使用。生物活性水をつかった畑の作物は、日持ちがよく.苦味が少ないとお客様から好評を得ている。圃場の土は柔らかく、棒を刺すと一.三mほど突き刺さるぐらい畑の土が出来上がっている。今後は愛農会で五tタンクを二基設置し、会のメンバーが使えるように配置して行きたいという計画である。全てJAS認証ということで、生物活性水における無農薬栽培の可能性を示唆する好例でした。

トイレに始まりトイレに終わるBM農法・小規模農家のBM農法〜                糸島BM農法研究会 柴田周作
 糸島市で農薬・化学肥料を極力使わず、高付加価値農業を目指し経営。米、小さな白菜、パプリカ、ミニトマトなどの栽培に生物活性水を利用。一〇〇倍の活性水を種や作物に利用すると、発芽率、生育がとても良くなるとのこと。自宅のトイレの糞尿を原料に生物活性水を作っている。自作の生物活性水施設、五〇〇L×五基を自作し、BMW技術の可能性を自身の生活を通して改良している。生物活性水は個別に使うのでなく、すべての過程で使用することで、その効果が見えやすい。柴田さんの「トイレに始まりトイレに終わるBM農法」は資源の限られている日本で、全てを利用する可能性に満ち溢れた好例であると思います。

青果(さくらんぼ、ラ・フランス、りんご)の取り組み〜  米沢郷牧場 横山裕一さん
 さくらんぼ.ラフランス.りんご栽培でBMW技術を使用。種の数や花の数などの数に違いが表れ、果樹データが少ない中、今後の果物栽培におけるBMW技術の可能性を感じた好例でした。果樹栽培では結果が見えにくいことから、数年に渡りBMW技術を使い実験していくことが重要であると感じました。畜産、野菜ではデータが数多くある中、果樹栽培でも結果がもっとたくさんでることが期待でき今後が、楽しみになりました。

まとめ
 今回の発表では、既存のBMW技術を発展させて使用している例が数多く見えました。BMW技術の可能性は進化段階であって、来年また、各地で試行錯誤した改良版BMW技術と出会えるのが楽しみです。大会終了後の視察は国営諫早湾干拓事業の見学に行きました。広大な敷地。一枚六町歩という面積の畑が広がっていました。諫早湾干拓を見て、日本はメガファームを目指すのか?もしくは小規模ニッチファームを目指すのか?意見は様々であるかと思いますが、今ここで選択しなければいけない時代が来ていることは間違いがないと思います。
(報告: 農業生産法人hototo 水上篤)


「生物活性水「BMそら」・BM菌体利用者アンケート報告」
     グリーンコープ共同体 林和子さん
 二日目の交流会はまず、生物活性水「BMそら」「BM菌体」の利用者に関するアンケート結果の発表がありました。
 二〇一〇年度に購入している組合員を対象にそれぞれの使用してみた際の改善意見や、販売価格は適当か、などの実際に使用した人たちの意見がしっかりとまとめられており、非常にわかりやすく発表していただきました。今後も利用者がより使用しやすい形にしていくために多くの意見を採用して進化していってもらいたいと思います。

「土佐山百年構想」
   夢産地とさやま開発公社 大﨑裕一さん
 土佐山の歴史についてから始まり、地域人口の過疎化への懸念、土佐山地域が高知市を貫く清流「鏡川」の源流に位置していて森林や水源地の環境変化は高知全体の森・里・まち・海に大きな影響を与えてしまうので、どうしたらその自然環境を守っていけるか、などの施策について話していただきました。
 「社学一体教育」という教育に対する強い意識を持って、これからの百年先の、さらにその後も持続可能な地域づくりを目指すという取り組み活動を展開していくことや、有機栽培が困難な有機JASショウガをつくったり、その加工品などを販売するなど、積極的な活動を行っていることが私にも伝わってきました。来年の全国交流会の開催地である高知県に行けることを楽しみにしています。

「有機農業のむらづくりにむけて」
    南阿蘇村役場 工藤眞巳さん
 南阿蘇村の概要から有機肥料、BMWの活用事例、今後の有機肥料センターについて話していただきました。白川水源をはじめとする水の里から作られるトマト〜ぶどうまで様々な有機農産物を生産していることや村営の肥料センターにBMWプラントを導入し、丁寧なプラント管理について解説していただき、有機肥料「牛若丸」がにおいもなく使いやすい肥料だということがとてもよく理解できました。村内無料配達等もあるとのこと。またBMW活用事例では「牛若丸」を実際に使用したトマトづくりや堆肥の展示ほ場を作ったり堆肥の地産地消の取り組みなどを行っているとのことです。村役場の取り組みとして有機肥料「牛若丸」を認知、利用してもらうために有機農産物推進事業補助金制度の導入を行い、生産センターで堆肥を購入すると半額の補助を行うなど、地域一体でBMについて積極的に取り組んでおられる様子が伝わってきました。

「初めて生物活性水を利用して」
    中村グループ 鹿毛智昭さんの報告
 主な生産物は、米、露地栽培(ホウレン草、ニンジン、ニンニク、ナス)などで観光農業を行っていた時に農薬による異変、中毒を起こしてしまって無農薬栽培に切り換えたいきさつや、BMW生物活性水を使用しはじめ、作物やボカシ肥料の水分調整に利用していることなど。ご自身で希釈装置を手作りされたり、独自に勉強して実践しているところに感心しました。今後はニンジンなどの新しい作物にも挑戦される予定だということでした。発表後に茨城の清水さんや山梨自然塾の小澤さんからの質問や意見などもありました。

「BMW技術における果樹栽培とhototoの取り組み」
    農業生産法人hototo 水上篤さん
 農業を通じて人とのコミュニケーションをとっていきたいといういう思いでBMW技術を利用して、おいしい無農薬野菜や果樹を生産していきたいということでした。活用事例としてはブドウ栽培での生物活性水について話していただきました。また中国にもプラントを設置したいと積極的に海外への視野も広げていきたいとのことでした。一緒に農業を楽しく体験していくこと、農業を通して人類の繁栄に貢献したいなど、将来的に行っていきたい活動をマインドマップでまとめてわかりやすく発表していただきました。

「再生可能バイオ燃料と農業系未利用バイオマス」 山梨大学大学院医学工学総合教育部 御園生拓さん
 地球温暖化のメカニズム、世界の二酸化炭素排出量の比較表によって、確実に二酸化炭素濃度が上がってきていることの指摘、温暖化の主な要因として化石燃料の利用があり、石油・石炭・天然ガスは使えば使っただけ埋蔵量が減るが、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスは使っても減らない。使っても二酸化炭素が増えないカーボンニュートラルの利用が地球へのダメージを与えることがない、優しいエネルギーということでした。また、有効なバイオマスとして畜産廃棄物を利用したクロレラの大量培養を山梨県の白州郷牧場や黒富士農場に培養試験設備を設けて行っているとのことでした。地球温暖化を食い止めるための再生可能エネルギーについてわかりやすい発表でしてた。

「カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KFーRC)の取り組み」
 特定非営利活動法人 APLA フィリピンデスク 大橋成子さんと、BMW技術協会 秋山澄兄さん
 はじめに大橋さんよりカネシゲファームのこれまでの活動と再建までのいきさつや現地で働いている研修生と卒業生たちについてなど、現状の報告をしていただきました。BM活用事例として豚や鶏に飲水で与えているとのことでした。また野菜生産も行い、サイエンスキャンプの受け入れなども行われているそうです。サイエンスキャンプとは月に一回の科学の授業で高校生が農場を見学して学ぶ取り組みです。
 そしてBMW技術と地域適正技術とのコラボレーションという内容で秋山さんから発表がありました。カネシゲファーム内の飲水改善プラントをフロー図でわかりやすく解説していただきました。またバイオガスプラントも生物活性水で豚舎の洗浄や貯留バッグに貯留したバイオガスを料理の火力に活用したりと様々な使用方法で有効に活用しているとのことでした。そして、動力を必要としないラムポンプ(高低差を利用した水の圧力によるポンプ)についてや堆肥づくり・飼料づくりについて話していただきました。
 今後の取り組みとして地域の農家や仲間へBMW技術を広め農場内でのエネルギーの自給自足・アジアの農民たちの交流の場として、今後も取り組んでいきたいということでした。
 全体の交流会のまとめとしてBMW技術協会常任理事の山本伸司氏から今回の発表の様々なBMWの活用事例について総括をいただきました。BMW技術の交流会を通して活用事例(成功失敗を含めた)や研究結果の共有などを行うことでより一層のBMへの理解を深め、技術を高め合って行こうということを強調されました。
 閉会の挨拶として、西日本BM技術協会会長の荒木隆太郎氏によって、来年の開催地が高知であるということが発表されて閉会となりました。

 今回の交流会と各発表は、非常に多くの人たちが全国から集まり、個々のBMへの取り組み、研究などを多角的に学ぶことができ大変参考になりました。来年の高知での大会を楽しみにすると同時に今日学んだことを自社の経営に活かし、より進化した形で皆さんと再会したいと思います。
(報告: 黒富士農場 向山洋平)


視察: 視察は四つのコースに分かれ、合計一一三人が参加しました。
糸島BM柴田氏のプラント視察、諫早干拓と荒木農園視察コース
 三〇人が参加したこの視察では、諫早湾の干拓事業との荒木さんの農園を見学しました。(一泊二日)

BMW糸島視察コース
 数日後に師走というのにモンシロチョウがヒラヒラと舞う、暖かいBM糸島圃場見学でした。福岡市内から都市高速道路を走って約四〇分。最初に小川さんの畑ではブロッコリーを見せて頂きました。BMW生物活性水を散布することでずっしりしたブロッコリーに育つということでした。近くスチームしたブロッコリーが商品化されるということでした。近頃は味も栄養価も損ないにくい蒸し野菜が流行ってるので登場が楽しみです。
 次に「トイレに始まりトイレに終わるBM農法」というユニークな取り組みを発表された柴田さんのお宅です。庭先にその怪しげな『(柴田さんのおっしゃる)ナニ』の入ったポリタンクが五つ並んでいました。屋内のトイレから引かれたパイプを通ってきたタンクの茶色い水は本当に臭わない。とにかく不思議でした。生物活性水を一言で表現すると「魔法の水」との報告もありましたがここではそのことを体感しました。すぐ側にはカワニナ(カワニナ科に分類される巻貝の一種。ゲンジボタルやヘイケボタルといった水生ホタル幼虫の餌としても知られている)の「養殖?小川」があり、この辺りの蛍は柴田ファミリーのパワーで光り方も違うのではないかと想像しました。
 
 最後は溝口さんの長ネギを見せていただきました。鶏糞を元肥に四〜一〇㌧入れるそうです。「工夫を凝らして「自分で作ってしまったBMW設備」と報告された「ヨコテ」さんちのBM鶏糞も使用されているとのこと。長ネギはシャキーンとおいしそうに圃場に並んでいました。費用や運搬の関係ですべてBM鶏糞ではないそうですが生物活性水は雨の後など土の湿っている時にジョーロで撒くという事でご苦労が伺われました。無農薬で作られるということでしたのでここでも「魔法の水」のパワーを感じました。
 移動のバス車中では「南阿蘇のえっちゃん」と無農薬の酒米「山田錦」を使ったお酒「天祥地瑞(テンショウチスイ)」の話で盛り上がりました。懇親会でのアピールは会場の隅で聞いていたのですが試飲できなかったので早速お正月用に注文しました。有機農業のむらづくりが進む南阿蘇村から届くのを楽しみにしています。
(報告:グリーンコープ生協おおいた
 奧田富美子)

若宮物流ドライセンター視察コース
――BMW技術を使った中水利用施設―
 二日目の視察ツアーは【Cコース】グリーンコープ若宮物流センター(中水利用プラントと施設・仕訳現場)の視察に参加しました。(参加者一一名)
 トイレの流し水は中水を利用しています。中水(利用)とは、炊事、風呂、トイレなどの雑排水を浄化処理し、上水道とは別の配管で水洗便所、散水などの雑用に再利用する水道のことです。
 合併浄化槽から放出される段階で、河川に放流できる程度(BOD 二〇ppm以下)に、浄化されています。それを更に浄化して、若宮物流ドライ(第二)センターのトイレの流し水に使っています。
 このBMW技術を使った水の浄化システムは動物や植物によい水を作るシステムで、グリーンコープの特別企画で販売している「生物活性水BMそら」もこのシステムでつくられたものです。「生物活性水BMそら」は原料に醗酵鶏糞が使われています。

 以上、若宮センターの中水利用施設の見学後、若宮センターの本来業務であるセットセンター内部の仕分けのラインなども見学させていただきました。このセンターの仕分け科目は、冷蔵、冷凍、ドライ、青果。今回は、青果の仕分けの状況を見ることができました。
(報告: BMW技術協会事務局 大田次郎)

Author 事務局 : 2012年02月01日12:36

【AQUA239号】国内プラント動向(秋田)

 去る一〇月一五・一六日の二日間、桃豚加工直売所まんまランド敷地内において、「小坂町食と農の祭典・まんまランド秋の大感謝祭」が開催されました。

 「小坂町食と農の祭典」は今回で三回目になりますが、昨年七月オープンのまんまランドでは、初開催の大感謝祭となりました。

 今回のイベントの目玉は直径二mの大鍋に桃豚や地元の野菜をたっぷりと入れて作った「桃豚かやき」でした。二日間のイベントで一日一〇〇〇食、二日で二〇〇〇食分を無料配布しました。両日とも大好評で配布前には長蛇の列ができて、配布開始から一時間で大鍋が空になるほどの人気でした。
一〇月中旬の小坂町は稲刈りも終わっている晩秋で、また初日は降雨で翌日も肌寒く、「桃豚かやき」は子供からお年寄りまで、「美味しい・体が温まる」と言われ、おかわりの為にまた列に並ばれる方もおりました。

 また、もう一つの目玉企画でポークランドグループの新しいブランド肉である「秋田美豚」のお披露目販売も行いました。「秋田美豚」とは①BMW技術を利用して作られたミネラル豊富な水で飼育され②BMW技術を利用して作られたバイオベット(発酵床)でアニマルウェルフェアでの飼育管理を行っていて③従来の桃豚の餌より麦と米の配合が三倍になっている新ブランドです。こちらも一日五〇〇パック、二日間で一〇〇〇パックの販売でしたが、両日ともお昼過ぎには完売しました。また、初日に購入された方が翌日も買いに来てくれるなど好評でした。

 また、園芸コーナーとしてBM堆肥の販売や自社農場産のじゃがいも詰め放題を開催しました。堆肥販売についても一人二〇袋限定で一日五〇〇袋、二日で一〇〇〇袋を用意しましたが開始早々一時間で両日完売しました。じゃがいも詰め放題もお客様がゲーム感覚で楽しまれていました。お客様から「ここで食べてみたい」という声に応えて、二日目からはじゃがいもを蒸かしてのじゃがバターを販売しました。
 このほかにも、「桃豚フードコーナー」や「桃豚焼肉食べ放題」、特設ステージで開催された地元の小学生によるスクールバンドや中学生による地域の伝統太鼓、地元で有名な民謡兄弟によるショーなど様々な催し物で賑わいました。

 今年、子どもたちに一番好評だったのが、まんまランド体験農園に新設された「ふれあい動物園」でした。羊やヤギ、数種類のうさぎ、天然記念物の比内鶏(食用の比内地鶏と違い食べられません)などが飼育されたミニ動物園には沢山の親子連れが訪れ楽しまれていました。

 今年は大雪で始まり、震災や原発事故など辛く厳しい年となりましたが、この二日間はそれらを乗り越え開催できたと思います。また、来年は今年以上に飛躍できるように社員一丸となって取組みたいと思います。
 また、来年は現在の養豚場・圃場から離れた場所に新農場の建設が行われます。また、新農場の向いには三〇haの圃場が完成しました。九月中旬まで抜根したり、堆肥散布したり、耕起したりとさすがに三〇haは広いと実感しました。現在圃場をナタネ圃(一四ha)・野菜圃(六ha)・牧草圃(一〇ha)の三ブロックに分け管理しています。今年は圃場作りがメインとなった為、今後は既存の圃場と併せ栽培計画を組んで行きたいと思います。

報告:ポークランドグループ あぐりランド 板橋 一成

Author 事務局 : 2012年02月01日12:33

【AQUA239号】国内プラント動向(千葉)

千葉県市原市北見畜産(有)で生物活性水プラントの培養調整が開始

 前々号でも報告していますが千葉県市原市の石神畜産団地にある北見畜産㈲で生物活性水施設の試運転培養調整工事が始まりました。
 北見畜産は、パルシステム連合会の組合員へ豚肉を供給している(株)パル・ミートへ出荷している養豚場です。今回のプラント設置は、レインボーパル基金からの助成を利用して、BMW技術導入の事業に取り組みました。
 今回の試運転培養調整は、原水(飲料水)と活性堆肥(鶏糞由来)を使用して作業に入りました。第一槽にBMWプラントの要であるBMWリアクター塔を設置し、原水と活性堆肥を投入して開始します。また、各槽内に設置する自然石は軽石と花崗岩等を使用しています。
 調整開始から九日後に第二槽まで送水し、約二十日後には第三槽まで満水の状態になっています。第一槽は活性堆肥から染み出る有機質成分をもとに微生物を培養していきます。
 第一槽は泡がたくさん出てきます。また、色もコーヒー色に濃くなってきています。
 プラントは、攪拌発酵堆肥舎と二次発酵切り返し堆肥舎の間のスペースに設置しています。屋根は足場パイプを利用して北見社長が自ら忙しい時間のなか取付工事をしたものです。
 北見畜産は現在母豚六五〇頭規模の一貫経営です。食糧自給の取り組みとして飼料米を使用利用して飼育された豚肉は、「日本のこめ豚」としてパルシステムの組合員へ供給しています。
  (報告:㈱匠集団そら 星加浩二)

Author 事務局 : 2012年02月01日12:31

【AQUA239号】生田前理事長 退任の挨拶

 昨年一〇月に協会の法人化とともに新しい世代に交替し退任することができました。一昨年の六月に就任以降、短い期間でしたが、在任中は大変なご支援・ご協力を頂きましたこと、お礼申し上げます。
 さて、一〇月に我が協会を任意団体から一般社団法人BMW技術協会に衣替えすることが出来ました。私たちのBMW技術は生命の基礎であるBMW(バクテリア・ミネラル・水)の地球生態システムを研究・実践し、生命環境の危機に対する取り組みとして、農業を中心とする技術交流を行ってきています。そして、BMW技術は農薬・抗生物質・化学肥料等の化学物質を使わない農畜産を推進し、安全性と地球環境保全の術を持った最も優れた、確かな農業技術を持った集団を形成することができました。
 協会の法人化により、改めて、BMW技術が求められる時代、今こそ、社会的使命を果たし、社会に登場したいと思います。
 もうひとつ法人化に際して大事にしたことは、協会の継続性の強化と世代交代です。
組織と言うのは目的や使命を実現するために形成されたもので、おおよそ期限はなく継続することが前提にされています。とりわけ、協同組合・共同体・会社組織にしても同様です。そう言う意味では人の命には限りはありますが、これら組織には限りがない。もしくは、それより長い継続性が求められます。運動の事業化です。ですから、協会の法人化にあたっては常勤者をきちんとした形で置き、仕事をし続けられる経済基盤を確保できるようにすることです。そのためにまずは会費の改訂を行い、会員のみなさんにお願いしているところです。このことによって、一〇月から事務局長を選任することができました。
 また、継続性を図る上で大事なことは、トップの代替わり・世代交代をすすめること、すなわち次世代に継承することでした。一〇月五日の法人化を期に私は理事長を退き、副理事長であった、米沢郷牧場グループ代表の伊藤幸蔵氏が一般社団法人BMW技術協会の理事長に就任しました。生協出身者から生産者に代表が戻りました。協会の運動は生産者が主体になり、生協は表に出ないでしっかり支えるべきだと考えてきました。
 こうした世代交替と体制変更のなか、新しい風土・文化の形成、そしてそれを基礎に活動が展開されて行きます。私も常任理事として、微力ではありますが、下支えして行きます。今後とも宜しくお願いします。ありがとうございました。

Author 事務局 : 2012年02月01日12:30

【AQUA239号】「韓国BMW交流会及び教育セミナー」

循環農業実現のための「韓国BMW交流会及び教育セミナー」

 二〇一一年一二月八日〜九日、忠清南道(チュンチョンナンド)洪城郡(ホンソングン)洪東面(ホンドンミョン)に所在している洪東農協の大講堂にて韓・日BM協会関係者及び畜産農家を含め、約七〇名ほど参加の中で「地域循環農業実現のため」のBMW技術交流会が開催されました。日本からは伊藤幸蔵BMW技術協会理事長、生田喜和常任理事、秋山澄兄事務局長が参加されました。韓国BM協会の主管、洪東農協と洪城韓牛クラスター事業団の共同主催により開催された今回の交流会では、洪東農協の広報用につくられた映像や海洋科学研究所長キム・ミギョン教授の特別講演が参加者より好評を導き出しました。
 一日目はキム・ゾンス韓国農水産大学教授より「親環境農業の技術的特性と発展課題」と題された講演にはじまり、シン・インソブ洪城韓牛クラスター事業団長、伊藤幸蔵日本BMW技術協会理事長、キム・デス楊平郡農業技術センター 所長、ジョン・インモ洪東農協専務の発表と続きました。
 はじめにキム・ゾンス教授は、親環境農業を成功させるためには、単に化学的農業資材の使用を最小化することに局限するのではなく、BMシステムのような生態的循環と生命循環、資源循環型技術を導入して農業環境の全体システムを自然循環方式に改善しなければならないことを強調しました。シン・インソブ事業団長は、洪城地域の農業現況と地域親環境循環農業への取り組みの基本方針について、真正性があると主張されました。ジョン・インモ専務からは、洪東農協で運営しているBM活性水プラントが活用されている事例や、家畜堆肥について発表がありました。伊藤幸蔵日本BMW技術協会理事長は米沢郷牧場において、一番重要な地域循環農業の概念と実践事例に関しての詳細、畜舎・堆肥センター・田・畑・果樹・飼料などを事例別に分けて説明され、参加者の理解を深めてくれました。また日本大地震の被害などの報告を通じて新しい転換点を模索しなければならないと言う意志を込め、真正性ある姿に多くの賛同を得ました。キム・デス 楊平郡農業技術センターのセンター長は、参加者より熱烈な関心を受けながら楊平での取り組みの発表をされ、畜産農家の質問に真心をつくして答える姿が印象的でした。
 夕方の懇親会ではジュ・ヒョンロ忠南親環境農業人連合会会長の祝辞を始め、親睦のための「親善の夜」行事が順調に進められました。
 「親善の夜」の行事では食事とともに皆が親睦を深めて、各自が抱いた多様な疑問点について自由に意見を交わし合いました。

 二日目のはじめは、洪東農協で製作された一五分ほどのBMW広報映像を鑑賞、参加者の関心を呼び、交流会の品格を高めました。広報映像はBM活性水の製造工程を順次描いて、視聴者の理解を深めました。BM活性水の 実証効果などについても、専門家のインタビューを通じてデータも提示されBM活性水の效果について信頼をより深めました。また、堆肥センターで畜糞の醗酵に積極的に活用される事例と地域に無料で供給して作物栽培に直接的な生産増大の効果があった実例を見せ、参加者の耳目を集めました。引き続き発表へと続き、全羅南道(ゼンラナンド)井邑(ジョンウォフ)のソンサン農場イ・ヨンギュン代表はBMW活性水プラントを設置するようになったきっかけや効果など、情感溢れる発表で参加者の心を捕らえ、BM活性水への愛情を伝えました。京畿道(ギョンギド)楊平郡(ヤンピョングン)のダンノモ韓牛農場イ・ヒョンボク代表は自分が出演した映像資料を通じて、BM活性水が畜糞の醗酵に非常に良い効果があり、なお堆肥場が必要ないという、意味ある独特の発表がありました。実際にイ・ヒョンボク代表のダンノモ韓牛農場は七年目、畜舎内の糞尿を一度も掃除していない状態で牛を飼育しています。そして最後に、BM活性水の効果に関する科学的な根拠について発表した嶺南大学校キム・ミギョン教授は「グローバルグリーン産業として、BMW技術の役目」というタイトルで多様な映像資料や学術的な根拠を土台に参加者に深い印象を残しました。BM活性水は、微細藻類を培養するためにEDTAを取り替えるに値する天然キレート剤としての価値が充分にあることを、実験を通じて明らかにしました。
 一泊二日の間、忠清南道洪城郡で開かれた韓国BMW技術交流会は地元の人々とBM関係者、そしてプラントを設置した畜産農家より熱い関心と熱意をあびた意味深い交流の場になりました。今後とも弛まず成長することを期待します。今回、交流会のテーマである循環農業への実現のためにも韓国BM協会が先頭に立ち、持続可能な親環境農業に向けて進まなければならないと思います。

報告:BM水KOREA 金 敬珉(キム・ギョンミン)

Author 事務局 : 2012年02月01日12:29

【AQUA239号】生活クラブ山形での学習会「暮らしの中でのBMW技術」

 一二月一五日、山形県東置賜郡高畠町の総合交流プラザにおいて、生活クラブ山形の組合員の方を中心とした学習会が開催され、講師を含め一七名が参加しました。「暮らしの中のBMW技術」と題した学習会では生物活性水の使い方とその効果、BM菌体の使い方などの説明や参加された組合員の皆さんの経験などを踏まえて行われました。また、一一月に行われた第二一回BMW技術全国交流会において、グリーンコープ広島の林理事長が発表された内容を参考に、生物活性水やBM菌体のアンケートからも抜粋させてもらい資料を作成しました。
 はじめに伊藤幸蔵理事長が挨拶をしました。「BMW技術協会は一〇月に法人化しました。今後の活動方針の中に学習会や勉強会の強化を盛り込んでいます。BMW技術は生産者の技術という面が大きいですが、先日の全国交流会でも発表があったように、生活の中でも利用されていることも多く、今日お集まりになった皆さんも、これを期におおいに活用していただければと思います。昨年も生活クラブ山形さんでは学習会を開催しましたが、またこういった学習会を継続させることでBMW技術への理解を深めることができるといいと思いますので本日は宜しくお願いします」。引き続き生田前理事長より、実際に自身が生活の中で利用し、効果を得ている体験や、なぜそのような効果を得られているかの説明をされました。協会事務局・秋山より生物活性水とBM菌体がどのようなものかを説明、実際に生活の中で利用されている事例を伝えました。参加された組合員からは現在の使用状況や、問題点含め意見が色々と出されました。三月の震災、原発事故以降、放射能問題は特にお子さんを持つ組合員さんには大きな問題として圧しかかっており、BMW技術の基本的な考え方や理念等(生命の基礎であるBMW(バクテリア・ミネラル・水)の地球生態システムを研究・実践など)への関心も高く、利用方法以外にもBMW技術が持つ可能性への質問や生産者として放射能への対応をどのようにされているのかなど、幅広い質問や意見の交換が時間は大幅に過ぎて取り交わされました。一一月の全国交流会の時にも感じたのですが、BMW技術は有機農業生産者を中心とした技術であり、またひとりひとりが持つ農業技術が向上して行くことが大きな目的でありますが、地球生態系という面から見ると、生活の中でも多くに活用できる技術でもあると思いました。今後も生協の組合員や一般生活者の皆さんとの学習会開催も意欲的に取り組んで行きたいと感じました。そして生物活性水やBM菌体などの生活の中においてもっと活用してもらえたらと思います。
  (報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

Author 事務局 : 2012年02月01日12:27

【AQUA239号】中澤満正さんの出版を祝う会が開かれました

 一二月一日の一八時より、東京・市ヶ谷にあるアルカディア市谷「富士の間」において、当協会顧問であり、元パルシステム連合会理事長の中澤満正氏の二冊目の出版となるお祝いの会が開かれました。長崎浩顧問をはじめ伊藤理事長など、協会関係者から多くの方も呼びかけ人になられていました。当日は二〇六名の方(出席名簿参照)があり、中澤さんの出版をお祝いしました。昨年より闘病生活が続いているご本人も元気な姿で「震災・原発事故、放射能やTPP問題と時代が窮地に阻まれている中で、自身が現役でいれないことが悔しくもあり、現役でご活躍の皆様が羨ましい」と話され、中澤節も健在でした。
 なお、「これから生協はどうなる」は社会評論社から出版されました。詳細は協会事務局にお問い合わせください。
  (報告:BMW技術協会事務局 秋山澄兄)

Author 事務局 : 2012年02月01日12:26

【AQUA239号】アイフォーム・ジャパンセミナー第一回(有機農業円卓会議)報告

 二〇一一年一二月二日(金)、大田区産業プラザPIOにおいて、標記セミナーが開催されました。テーマは「有機(農業)の普及をどう図るか」(提携・認証・有機JAS制度の評価を含む)――日本有機農業四〇年の総括と展望

 冒頭、主催者あいさつで、アイフォーム・ジャパン理事長の村山勝茂さんの報告があり、今回のセミナーの趣旨を簡潔に説明されていました。
(一)なぜ、日本の有機農業、有機農産物の普及は進展しないのか
(二)TPPをはじめ農業をめぐる厳しい環境にどう臨むのか
(三)パネリストの問題提起、それに続くさまざまな参加者の討論で、「有機農業をどう広めるのか」に絞って協同の発信としたい。

 続いて、「有機農業の課題と政策提言」と題して、㈱アファス認証センター代表取締役の渡邊義明氏より、産消提携の現状が報告されました。「有機農産物を求める消費者が減っている」、「有機生産者の新規参入が増えていない」等、厳しい現状、しかし「有機農業・有機認証の努力が報いられれば、生産者は取り組むはずだ」という課題と提起がありました。
 さらに「問題提起」として、茨城大学の中島紀一氏の報告では、
「有機農業は、もっと戦略的方向を持つべきだ。有機農業推進法が制定され、国の推進政策が動きだして以来、国や自治体への施策要望のような理解が広がってしまった」、「有機農業の立場から、TPP、原発問題など、社会的発言を強め、自然共生と自給を重視する『農本主義』『農本的な社会づくり』への提言が必要だ」との発言がありました。
 また、日本有機農業研究会副理事長の魚住道郎氏、㈱大地を守る会の戎谷徹也氏からは、「放射能汚染への対応」をテーマに、農業、流通のそれぞれの立場からの報告がありました。
 「問題提起に対する他のパネラーの意見」では、BMW技術協会理事長の伊藤幸蔵氏から、農業技術力を高める努力が必要として、農事組合法人米沢郷牧場の取り組み事例の紹介があり、また、パルシステム生活協同組合連合会理事長の山本伸司氏からは、生協における有機農業と産直、有機農業生産者を孤立させない仕組みづくりの重要性が報告されました。

 セミナーは、午前一〇時から一七時までの長時間にわたり、紹介できた発言者は一部です。また、課題も多岐にわたり、一概に結論が出せる内容ではありませんでしたが、「有機農業の力」をこうした会合を重ねることで、発信力を強めることが必要と感じました。
   (報告: BMW技術協会事務局 大田次郎)

Author 事務局 : 2012年02月01日12:25

 
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